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武道館でMegadethを観ました【ライブレポ】

言わずと知れたBIG4の1つ、Megadethを武道館で観ました!!


実はMegadethのライブは観たことがあって、LOUD PARK 2015以来なので今回観たのは約7年半振りほど。
その時自分はまだ10代の終わりで、随分と時間が経ったものだなと思いますが、その間にMegadethもフルアルバムを2枚出したり、長年バンドを支えてきたDave Ellefsonが脱退したりと様々なニュースがありました。


今回の来日は彼らが昨年リリースした新譜を引っ提げた久々の来日ということでかなり話題になっていましたが、最近の来日ラッシュの中で私は行くかどうか迷っていました。

そんな中で今回観に行ったのは、Marty Friedmanがゲスト参加するという発表が決め手となったからです(なのでチケット取ったのはかなり遅めでした)。


Martyといえば、Jason Beckerとコンビを組んだCacophonyを始めとした活動を経てMegadethに加入、そしてメタル史に残る名盤「Rust In Piece」で歴史的なソロの数々を演奏し、その後も数枚参加して脱退したわけですが、そんな彼がゲスト参加するというからにはやはり世界で一番カッコいいと言っても過言ではないTornado Of Soulsのギターソロを弾くというのは期待せずにはいられないわけで。

実はMartyのこともLOUD PARK 2013の2日目で鉄色クローンXで出てるのを観たことがあるんですが、Megadethで出るとなったら観に行かないわけにはいきませんでした。


Martyが日本に移住してからはタレント的な活動もしていますが、彼は言わずもがな世界最高峰のギタリストであり、Cacophony時代からその凄腕を見せつけています。
Megadeth時代でも聴くことができますが、やはり彼の特徴的なプレイの1つは平調子でしょうか。「」の響きがかなり強いスケールで、具体的にはナチュラル・マイナースケールからP4とm7を抜いた音になります。平調子を用いたフレーズで分かりやすいのはCacophonyのNinjaの冒頭でしょうか(私も自分のバンドのギターソロで用いたことがあります)。

さらにMartyのプレイの特徴の1つはチョーキングだと思います。絶妙に「溜めた」チョーキングや、スケールアウトしたフレットでのチョーキング、そしてそれらに含まれた泣きの要素……歴史に残る大名演Tornado Of Soulsや、個人的に好きなLucretiaの彼のソロを代表として、こうしたチョーキングは彼の演奏で頻繁に聴くことができます。

もちろん、Shrapnelのギタリストだっただけあって複雑なスウィープやシュレッドもありますが、上の2つの要素が大きく彼を特徴付けており、さらには同時代のギタリストとは一線を画した特徴になっていると思います(ピッキングのフォームも特徴的ですね)。


ともかく、そんなMartyが日本に住んでいるおかげで今回のゲスト参加が実現したとはいえ今後また観る機会は無いと思いましたし、恐らく世界的にもかなり貴重なライブになったのではないでしょうか。



さて、前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、この日の会場となった武道館に行くこと自体は初めてではなかったのですが、メタルバンドのライブを武道館で観るのは意外に初めてで、あの近辺にぞくぞくとメタラーが集まっている様子はなんだか感動的ですらありました。


自分が武道館に着いたのは18時前くらいで、既に周りはかなり混雑しており普段の何倍もメタラーが集っているのを実感しました。


行く前は物販でシャツを買いたいなと思っていたのですが、開演前から既に大行列という情報を見て今回は素直に諦めました(一部では転売が話題になっていましたが、ああいうのは話題にするほうが逆効果な気がします…とはいえ対策は講じた方が良いのも事実で、難しいですね)。


自分の席は取るのが遅かったこともあり2階席東の割りと上のほうでしたが、構造的に全然見えないということもなくて、個人的に不満はありませんでした。


しばらく待っているとほぼ19時ぴったりにスタートしました。



Setlist (Setlist.fmより引用):

  1. Hangar 18

  2. Dread And The Fugitive Mind

  3. The Threat Is Real

  4. Angry Again

  5. Soldier On!

  6. Sweating Bullets

  7. Trust

  8. Conquer Or Die!

  9. Dystopia

  10. A tout le monde

  11. Countdown To Extinction

  12. Tornado Of Souls

  13. Symphony Of Destruction

  14. We'll Be Back

  15. Peace Sells

  16. Holy Wars… The Punishment Due


というわけで1曲目はHangar 18からでしたが、セトリは当然ながら新譜からの曲が多め。前作Dystopiaからも2曲ありましたね。

恐らく熱心なファンの方ほどあの曲観たかった〜という人もいると思いますが、客観的に見てバランスの取れたセトリではあったんじゃないでしょうか。


まず始まって思ったのが、やはり武道館クラスのバンドってステージングから凄いんだな…という当たり前のこと。
活発なステージングをしていたというわけではないですが、安定感というか余裕のある佇まいがカッコいいな〜と。

もちろん上にも書いた通りMegadethは過去にも観たことはあるんですが、7年半の時を経ると感じることは変わってくるわけで、もう結構な年数このクラスのバンドのライブを生で観ていなかったのでそこがとても印象に残りました。


あと音響もめっちゃ良かったですね。LOUD PARKではバンドによって音響の差があったので、ここは流石武道館だなといったところでしょうか?

演奏が安定しているのは当然のこと、各パートの音が分離良く聴こえてきてまるで音源のようでした。


10曲目にやっていたA tout le mondeは、ラッキーなことに今回のツアーで武道館でしかやっておらず、個人的に観ることができて良かったですね。

そしてMartyはA tout le mondeが終わった後に登場。

Marty登場!


Megadethのコアなファンの方には怒られるかもしれませんが、Martyが出てきた時は素直にテンションが上がりました。

Martyがゲストで参加したのはCountdown To Extinction, Tornado Of Souls, Symphony Of Destructionの3曲で、もうTornado Of Soulsでは思わず感涙してしまい、変な声まで出てしまいました。その時の映像はこちら。


正直自分はMegadethの熱心なファンではないですが(そうだったら来日決まった時にチケ取ってると思いますし)、名盤「Rust In Piece」は高校生の頃から聴いていますし、その中でも飛び抜けた名曲をMarty本人がゲストとして弾いたとなるとやはり感動せずにはいられませんでした。

なんというか、歴史に残るギターソロを本人が弾くというのはそれだけ特別なことなんだなと実感しました。
ニュアンスや表現といったその人にしか出せない味というのはあると思いますが、Martyほど個性のあるギタリストとなるとそれがより際立つなぁと。

しかもMarty自身今でもこのソロを演奏しているために全く久々といった感じもしなくて、その場にいた人全員を泣かせられる説得力があったと思います。


さて、Martyのことばかりになってしまって申し訳ありませんが、もちろん他のメンバーも言うまでもなく素晴らしかったです。

Dave Ellefsonの代わりに加入したJames LoMenzoは一時期バンドに在籍していただけあってきちんと存在感があり、Peace Sellsのイントロのベースは特に見せ場になっていました。

Peace SellsではVic Rattleheadも登場


ex-AngraのKiko Loureiroもなんやかんや加入して何年も経っているだけあってもはや欠かせない一員となっており(そうは言ってもAngraのギタリストというイメージが個人的に抜けませんが)、めちゃくちゃ上手いのは当然のこと、Martyがゲスト参加しなかったオリジナルではMartyが弾いていたソロも最高の完成度で弾いていました。
LOUD PARKで観た時は加入したばかりでしたが、その時よりも良くなっていたんじゃないでしょうか。

ドラムのDirk Verbeurenは2015年に観た時はいませんでしたが、これまた抜群の安定感でした。
Soilworkにいただけあってエクストリームなドラミングを得意としているはずですが、まさにドラムマシンが叩いてるかのような演奏でした。


そして、Dave Mustaine

ここ数年病を患っていることを公表していたこともあり年齢を感じさせるな…とニュースで思うこともありましたが、遠目で見てる分には気になりませんでした。
むしろ、チューニングこそ下がってはいますが歌唱に問題無いと感じましたし、ギターソロでも鋭い演奏を見せており流石まだまだ現役なんだなと個人的には思いました。

1階席で表情までよく見える場所にいた方はまた違った印象を抱いたのかもしれませんが、演奏面においては少なくとも上に書いた通りに感じましたね。

Martyがステージ上にいた時には抱擁を交わしたりと感動的な一面もありましたし、たしかに昔のイメージとはだいぶ異なるとは思うのですが、現在進行形でやはりDave Mustaineその人でした。



始めの方に書いた通り、当初は行くか迷っていましたが、結論から言うと行って良かった、そんなライブでした。

散々書いた通りMartyの存在は大きかったですが、やはりこのクラスのバンドのライブを武道館で観るというのは貴重な経験になったなと思いますし、何より楽しめましたね。

次Megadethが来るのがいつになるのかは分かりませんが、その時までに持ってないアルバムを買ったりしてもっと彼らの曲を聴きたいとも思わされました。


明日は遂にEmperor来日を観に行きますが、今週はMegadethにEmperorと凄い週ですね。
更に人によってはArch Enemyまで観ているわけですから、めちゃくちゃ豪華な1週で羨ましいです(残念ながら自分はアチエネはパスしました…)。

それではまた!

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