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資本主義・お金・ピラミッド社会を考えるマガジン

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記事一覧

正規を減らしすぎて、「いい仕事」が消えつつある世の中

2015年に役所を辞めてからというもの、いろんな職場で非正規として働いてきて(遡れば大学時代のバイトも含め)、どこの職場へ行っても「人手不足だなぁ…」と感じることが多く、特に減らされている正規の従業員の業務過多&しわ寄せ、からの疲弊、メンタル、退職…といった流れは本当によくあることなんだなと実感しています。もう少し人がいればちゃんと回るのになぁ…と思ったことも数知れず。人手不足からの業務過多で、世

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身分制に学歴に、序列をつけずにはいられない人間様

少し前に書いた大学のあり方に見る「求められる人物像」の変化という記事で、大学の主な設立理由は官僚養成と選抜であり、それが身分制度や藩閥の時代から実力主義や学閥の時代へ変わる変革であったということを書きました。そして現在はどうなったかというと、身分制(血族)と学歴主義と実力主義が混在している世の中だなぁと感じることが多いです。世の中の最トップ層は血族や世襲が主流で、ちょっと下のクラスでは学歴と実力が

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家族が利害関係者すぎるから、縛り縛られる

前回のなぜ親は子に「勉強しろ」と言うのかという記事の続きで、今回も家族や親子関係のことを考えてみたいと思います。前回の記事では、親が子に「勉強しろ」と言うのは、将来ちゃんとお金を稼いでほしい、老後を支えてほしいといった思いが根底にあるからなのではないか、と書いたのですが、そう考えた時に、家族というのは愛だ絆だと言うけれど、結局経済的な絆というか、縛りというか、そういったものが強い集団なのだなと感じ

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「光」で集めたお金が「闇」の資金源に…

なんだか最近(に始まったことではないですが)、やたら「推し」「推し活」という言葉をよく聴くようになりました。2次元、3次元問わず、好きなタレントやキャラなどのこと、それを応援することを指す言葉ですが、ずいぶん一般化してきたように思います。過去に苦しい家計と過剰な娯楽依存の謎という記事にも書きましたが、人々の家計は苦しくなっているはずなのに、それに反比例するかのように「推し活」にかける時間やお金とい

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「普通に生きること」のハードルは限りなく下げていい

大学や教育について考える記事を書くつもりでいましたが少し脱線して、私の根本的な社会に対する考え方を書いてみたいと思います。大卒も共働きも、「当たり前」になると苦しい という記事にも書いたように、今の私たちの社会は、「普通に生きる」ということのハードルがものすごく高いように感じています。大学に行かなくても普通に就職して家庭を持てるだけの給料がもらえる、子育てに専念したい女性が働きに出なくても生計を維

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一日四時間労働くらいがちょうどいい

「一日8時間、週5日労働」が体力的&精神的に無理すぎて、もう二度と正規では働けないと悟っている私なのですが、そんな私が手に取る本も似たような思想のものが自然と多くなります。最近読んでいたのが『怠惰への讃歌(バートランド ラッセル (著), Bertrand A.W. Russell (原著), 堀 秀彦 (翻訳), 柿村 峻 (翻訳) )』という本でした。ラッセルさんの哲学エッセイが15章ほど収録

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コロナは地球の「うちなる薬師」かも?

先週、ちょっと頭痛と情緒不安定気味(泣く)+お腹も調子悪いというよくある浄化現象に見舞われまして(笑)、結構辛かったんですけど色んなものに助けられたおかげで随分回復してきております。あー、また感情ため込んじゃってたのかなー、とか思いながらじっとしてたんですが、回復途上である本(詩集)を読んで、かなり心が癒されたので紹介したいと思います。『
預言者 カリール ジブラン (著), 佐久間 彪 (著)』

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「世間体」とハラスメント蔓延社会

日本は「世間」の圧、同調圧力が強い国だなというのは昔から感じていたことではありましたが、少し前に『世間の目』(佐藤 直樹著)という本を読み、その考えがさらに増強されました。この世の中で最大の権力は銀行家をはじめとする支配層にある…という見方もある一方で、精神的なレベルでは「世間」というのも同じかそれ以上の権力を誇っているものだなと感じます。生物としては健康に生きられても「世間」の中で生きられなくな

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「平凡」「退屈」を仕事とお金で解決する消費社会

少し前に、「恥」について研究している女性が書いた『本当の勇気は「弱さ」を認めること』(ブレネー・ブラウン著、門脇陽子訳)という本を読んでいたんですが、その本に書いてあったことで印象に残ったことがありました。「平凡であること」への不安が恥の感覚につながっているということです。「平凡な人生には意味がない」というメッセージが氾濫しているという考察もありました。私も同じようなことを考えていましたし、その感

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貧困化と共にじわじわ進む監視社会

10月から消費税も上がり、家計が苦しくなる一方の今日この頃。増税と共に始まったキャッシュレスキャンペーンを大々的に宣伝する各種メディアを目にしては、危機感を感じないではいられません。人々の可処分所得が減り、生活が苦しくなるにつれて、何をするでも買うでも「価格が安いかどうか」が基準になってしまい、「安ければ何でもいい」「節約し、ポイントを賢く貯めるのが是」といった価値観がどんどん蔓延してくるのを感じ

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苦しい家計と過剰な娯楽依存の謎

混んでいる電車に乗っていると、意図せずとも周りの人のスマホの画面が目に入ることがあり、何を見ているのかと思えばゲームや漫画…ということが本当に多いです。私はスマホでゲームもしないですし、漫画も読まないのであまり理解できなかったのですが、つい最近「カタン」というボードゲームのアプリを入れまして(友人たちとやる)、それをやるのが楽しすぎてついつい時間を忘れてしまうということがありました。電車の中でも夢

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物言わぬ「いい人」は都合の「いい人」

言いたいことも言えないストレス社会ニッポン。ネットなどで、日本人はおとなしい国民性だから支配者にとって都合の良い奴隷となっている、的な論調をよく見かけますが、私も本当にその通りだなぁと思っており、過去には災害時に感じる「物言わぬ人間」を量産する教育への疑問という記事も書いています。言わないで我慢することが美徳、波風を立てないのが良い、嫌われたくない、仲間外れにされたくない…などいろんな考えが根底に

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どんな仕事を「公」が担うべき?

前回のどんな人が高い給料をもらうべき?という記事に続き、「どんな~べき?」シリーズ第2弾。今回は「公」が行うべき仕事とはどんなものかについて少し考えてみたいと思います。人口減少やAI等の発達に伴い、人間と労働について、また「働いて賃金を得て生きる」という生き方そのものを見直す時期に来ているように思いますが、それでも人間がやらなければならない仕事というのは必ず残ります。また、その性質から言って、利益

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どんな人が高い給料をもらうべき?

漠然とした大きな問いをタイトルにしてみました。組織で働いていると、「なぜこんな人が私より給料もらってるんだろう?」と思うことも結構あると思います。組織の内部でも、業界別、職業別でも思うことがあるのではないでしょうか。これは一人一人価値観が違うのかな、と思う部分でもありますので明確な答えは出ないでしょうが、今の社会全体の給与体系を比較してみても、何か納得のいかない理不尽さを感じる人が多いのではないか

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