組織の「意思決定力」は大きな指標

組織を辞めてから、「なんちゃってフリーランス」として生きるようになって一番感じる変化は、意思決定のスピード感の違いです。今まで組織の中で当然のように「決裁」行為を毎日していたことを思うと、早ければ一瞬のうちに仕事が決まるという今のこのスピード感は新鮮ですし、組織は変化に対応できないというのは体感的にものすごくわかります。大きな組織ほどその傾向は顕著ですので、ますます時代に取り残されていくことと思います。

公務員時代の「決裁」と言えば、時間がかかるときは数週間から1か月くらいかかる内容もあったように思いますし、大きな案件ほどたくさんの人に回す必要があり、途中で直されて最初からやり直しになったり、期限までに回し終わることができなかったりと、本当に面倒でしたし嫌な思いもしてきました。期限があるから見逃してほしいのに、小さなミスを指摘されてやり直しとか、融通の利かないこともたくさんありましたね。たくさんの人が見ているはずなのに、最終的な決裁が終わってから間違いがわかることも多いですし、複数の人が見たからチェック体制が整うというわけでもありません。ではなぜそんな無駄なことをしなければならないかというと、それが「決まり」だからです。「決まり」である以上、それに疑問を持つことは無意味で、たんたんと決まりにのっとって事務処理をするだけなのです。それが公務員の仕事ですからね。

組織は同じこと何年繰り返しているのだろう?にも書きましたが、毎年4月になるとすべてがリセットされるので、変化がさらに遅いです。すごく良いメンバーがそろったとしても、同じメンバーで次年度も取り組めるということはありえず、必ず人事異動があります。毎年、正味6月から1月くらいまでの刹那的メンバーです。たくさんの部署の人がかかわる案件ほど、それぞれの立場があるので意思決定のスピードは遅くなりますし、誰もその案件を自分のこととしてとらえていないので、「自分の在籍時に終えられなくてもいいや」感、もしくは反対に「自分の在籍時に適当でもなんでもいいからやってしまいたい」感、が出てしまうものです。その辺りは中心になって進める人の捉え方でだいぶ変わってくるでしょうね。

公務員は「変わらないこと」を良しとする文化が根底にあるので、大きな意思決定はなかなかできませんし、スピードも遅いです。民間企業もいろいろでしょうが、大企業ほど公務員的な体質になっていくでしょう。組織を見るときに、「意思決定力」というのは大きな指標になるなぁと感じていて、柔軟でスピード感のある組織ほど変化に対応できますし、従業員も働きやすい職場なのではないでしょうか。「風通しの良い職場」とはよく言ったものですが、言いたいことを言いやすい職場、それはつまり、「言いたいことを言えば変わるかもしれないと思える職場」ということです。私は公務員時代に、言いたいことは腐るほどありましたが、「言っても変わらない」と思っていたので言う気もしませんでした。こういうことは内部にいないとわからないものですが、ある組織の内部がわかる環境にいるとしたら、どんな風に意思決定が行われるのだろうか?ということについてはよく観察すると良いと思います。それにはその組織のトップのあり方というのが如実に反映されるものです。

もし私が組織のトップになることがあるとしたら、いかに従業員の方に意見を言ってもらいやすくするか、ということを考えると思います。そうすることが、その組織の価値向上や従業員のやる気向上につながることは明らかだからです。新しい組織のあり方 ~その2 上下ではなく「パートナー」~にも似たようなことを書いています。これからは共同創造の時代、時流を読んで新しい価値を創造していかなければ生き残れない時代になります。組織の「意思決定力」が今後の命運を左右するような、そんな流れを感じています。

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