嘘や不正は少しずつ心身を蝕んでいく

前回「需要と供給」論ともっと大事な倫理観という記事を書いたのですが、この記事を書くきっかけとなった出来事がありました。某オーガニックコスメやシャンプーの会社が、表示に誤りがあったとして商品を自主回収したというニュースです。私はこのニュースにかなり衝撃を受けていて、自分は使っていなかったため直接的な被害者ではないけれども、健康や環境に配慮した商品を選んで購買しようとしている一消費者としてはとても感じることがあった出来事でした。表示の不備のことはともかく、その後の対応が悪いということでも話題になっていたようです。ケミカルバリバリと表示して高値で売っていても誰も怒りません。「善なる顔した悪魔」的なことをしていたからこそ、消費者も怒るのです。やっぱり「善なる顔した悪魔」はそこらに潜んでいるんですね。

通常のドラッグストアで売っているようなシャンプーではなく、健康に良さそうな、化学物質が少なそうな、環境に配慮した商品を少々高くても求める消費者の需要があり、ある商品をオーガニックで化学物質が少ないと表示して高めの価格で販売する会社があり、そこでビジネスは成立していました。もし、このまま「表示の誤り」が明るみにならなければ、そのまま信じて買う消費者と儲けたい会社の「需要と供給」は一致していたはずです。しかし、そうはなりませんでした。どういった理由でこの事実が明るみになったのかはわかりませんが、内部告発の可能性も高いように思います。今回のことが本当に「表示の誤り」なのであれば「嘘や不正」ではないのかもしれませんが、消費者側からはわかりようもない会社にとって不利な情報が明るみになったということはは、事情を知る人の「善意」「良心」によって、闇は暴かれたと見るのが自然かもしれません。

社会的になんらかの闇が暴かれる時というのは、内部告発という事例も多く、それがこの世の救いでもあるなぁと感じます。組織が大きくなれば大きくなるほど、嘘や不正を続けられる可能性は低くなります。大金を積んで口封じや口裏合わせをしても、それをばらされてしまう可能性もあるわけで、隠し続けることは相当に困難です。そしてばれるリスク以上に大きい懸念事項として、「嘘や不正は思っている以上に心身を蝕む」ということがあると思います。人間誰しも大なり小なり嘘をついたり隠し事をしたりしたことがあると思いますが、その時の苦しみや生きづらさは相当なものなのではないでしょうか。性根が腐っていて、嘘をついたり不正を働いたりすることに一縷の罪悪感を感じないという人も中にはいるのかもしれませんが、大半の善良な人は大きな苦しみを抱えることになると思います。嘘や不正により物理的な利益を上げられたとしても、それを知って生きている日々は、毎日が憂鬱だったり、心からの喜びを感じられない生活になってしまうのは容易に想像できます。

「不正」や「隠し事」を悪と感じて、良心の呵責に耐えかねる人は多いと思いますが、「嘘」というのはそういった明らかな悪事のみならず、自分自身に嘘をついていることもこの中に入ります。世の中の人々の人生が「毎日が憂鬱だったり、心からの喜びを感じられない生活になってしまう」のは、自分の気持ちに嘘をついて生きているからではないでしょうか。他人を欺く「嘘」はもちろんのこと、自分を欺く「嘘」というのもやはり同様に心身を蝕んでいくのでしょうね。私自身は正直な人が好きで憧れるし、自分自身もそういう人でありたいと思って内面の浄化中ですが、自分自身に嘘をついているかどうかというのは自分でもなかなか気づきにくいところがあって、やってみるとかなり難しいです。自分の本音、本心をどのレベルととらえるかによっても難易度は変わってくると思います。

「嘘や不正」をしている組織、人間というのは、本人が気づかずとも少しずつ心身が蝕まれていっているもので、必ず終わりが来ます。世の中的に「勧善懲悪」が好まれるのを見ても、人々の心には善で正直に生きたいという気持ちがあって、それが人の生きる道だと深いところではわかっているものだと思います。わかっていてもそれができないのが人間の弱さでもあるし、そういう意味では完全に正直に生きている人というのは本当に強い人だなぁとつくづく感じます。「嘘や不正」が表面的にはうまくいっているように見えても、必ず歪みは生じているし、ほころび始めたら一気に崩壊します。気づいた時からでも遅くはないので、少しずつ正直ベースの人生にかじ取りしていきたいものですね。

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