「奇跡のリンゴ」木村さんの本を一気読みして涙した話

今日はアルバイトの日だったのですが、バイト先の上司に「奇跡のリンゴ」の木村さんの本をぜひ読んでほしい!と言われ、その場でその本を借りました。上司は「これは200円以上の価値はある!(古本屋で買ったらしい)」と興奮気味に語り、「自然農やりたくなった、感動した」といったことを口々に言っていました。木村さんとは、「無農薬でリンゴを作るのは不可能」というのが当たり前の常識である中、9年の歳月をかけて無農薬でリンゴを作ることに成功した方。私もオーガニック好きと言っているくらいなので、木村さんのことは存じ上げていましたが、詳しい経緯はよく知らなかったんです。貸してもらった本を帰りの電車で読み始めたら止まらなくなり、夢中になって一気に読み終えてしまいました。

ユーモラスな津軽弁が特徴のちょっと風変わりな木村さんは、ひょんなことから無農薬でリンゴを作ろうと試みるのですが、その道のりは長く険しいもので、極貧生活の話や、地域で村八分のような扱いを受けたり、自殺を考えたこともあったエピソードなど、とにかく壮絶。私が一番涙しそうになったのが、手をかけるほどリンゴがどんどん枯れてしまい、お金も尽き、無農薬でリンゴを作るという夢を捨て、農薬散布リンゴに戻るのか、続けるのかを苦悩するシーンでのこの描写。(引用元:『奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録』 石川拓治著 P129)

「まるで脳味噌が半分に割れているようだった。頭の中ではもう一人の自分が「もう諦めろ」と叫んでいた。(略)そうして真っ二つに心の喧嘩を眺めていた。必ずできると言う自分と、絶対にできないと言う自分。どちらが天使の声で、どちらが悪魔の声なのか。」

これはライターさんの文章なのですが、このときの木村さんの苦悩が痛いほど伝わってきて、ぐっときましたね。私も今似たような(と言ったら木村さんに失礼すぎますが)状態なので、共感してしまったのでしょう。やってもやってもリンゴは枯れ、仲間は離れてゆき、お金は尽き果てる。それでも無農薬のリンゴにこだわるのはただの意地なのだろうかと。生計を立てるには農薬をまた使えばいいだけの話なのに、そうするのはプライドが許さない。そうするくらいなら死んだ方がまし、そう思うくらいの屈辱的な扱いを受けてきたのだろうし、命、人生を捧げて取り組んできたということでしょう。

自殺しようとしたその日に、木村さんの運命を変える出来事が起きます。森の中に輝く一本の木。人の手が入らない森でも元気な実をつけるどんぐりの木です。そこからヒントを得た木村さんは、違う視点でリンゴと向き合い始めました。「人の手が入らない森でも木は元気に育つ。ではいっそ手を入れず自然のままにしてみよう…。」そこから徐々に状況が変わってきて、雑草生えっぱなしの畑の中に、長年咲くことのなかったリンゴの花が咲き始めたのです。肥料や農薬でリンゴを甘やかしていたからこそ、すぐに病害虫にやられる弱い木になってしまったということ。ありのままの自然が一番だったということ。それから徐々に木村さんのリンゴは評判となり、今では知らない人はいないくらいの有名人になりました。

最近私がぐっとくるのは、夢をあきらめない人、情熱を持って生きている人、こだわりをもってストイックに生きている人です。自分にも似たような部分があるので、すごく励まされるからだと思います。「魔が差す」瞬間がある弱さを認めるの記事にも書きましたが、私自身、弱気になってくると、「必ずできると言う自分と、絶対にできないと言う自分」が葛藤し始めて、また雇われれば楽に生活できるじゃん、と自暴自棄気味になることもあります。そこでいざ、非正規の求人サイトを見てみるのですが、見ているとだんだん涙が出てきて、やっぱり「エントリー」のボタンは押せないや、となるのです。だからこそ、夢や信念を貫き続けた人の体験談や言葉と言うのは胸に沁みますし、浴びるほどに聞いてみたいくらいです。昔から大好きなサカナクションの山口一郎さんも、相当にストイックに音楽に向き合われている方で、完成度に対して妥協を許さない姿勢がとても胸を打ちます。時にストイックになりがちな自分を肯定したい部分があるのだと思います。

上司の言っていた通り、この本はかなり気づくことが多い内容でした。おとといの他人の「誘い・勧め」というメッセージという記事、そのまんまな出来事だったので、非常にタイムリーでした。やはり、必要な時に必要な人、モノ、情報と言うのは必ず巡ってくるもので、あらゆる可能性に心を開いておくことは大切だなと感じます。始めは誰にも認められず、仲間が離れていったり、お金が尽きることもあるけれども、必ずできると信じていさえすれば道は開けていくのだろうという希望を感じました。長年咲かなかったリンゴの花が咲いた時のように、長年咲かなかった私の人生が花開いた時の喜びを思う存分味わうのを今から楽しみに日々を過ごしていこうと思います。

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