「24時間、365日営業」の限界感

コンビニ大国ニッポンですが、コンビニの数だけ深夜に働いている人がいるのだなぁと思うと、世の中コンビニの数だけ過重労働者がたくさんいるということを思い知らされます。コンビニだけでなくチェーンの飲食店や病院、介護などの福祉系、警備系など、深夜労働に従事されている方はたくさんいらっしゃいますが、深夜に働くことの身体への負担は相当なものではないかと思います。私は1日も働いたことがないのですが、やる前から100%勤まらないとわかっています。

24時間営業だけでなく、定休日のない年中無休のお店や飲食店、施設というのもたくさんありますよね。私たちも「定休日」という感覚が次第に薄れてきて、どこも毎日やっているのが当たり前、という感じになっています。確かに消費者としては定休日がない方がありがたいのかもしれませんが、働く方にとってはかなりの負担なのではないかなと思ったりもします。定休日があったらその日は行かないことにすればいいだけの話なので、そのことですごく機会損失になるかと言えば、そうとも限らない気もします。定休日を設けることで、全員でミーティングや掃除ができたり、雑務をこなしたりすることができるので、その後の効率も良くなると思うんですね。24時間とか年中無休にしてしまうと、「回すことでいっぱいいっぱい」な状況がひたすら続いてしまい、あんまり発展性がないというか、現状維持または疲弊による下降すら引き起こすと思います。

なぜ定休日がないかというと、売り上げが減るから、というのが一番の理由だと思います。消費者の利便性のため、ということもありますが、それよりはその1日が機会損失だから、という方が大きいのではないでしょうか。コンビニにしても、深夜の時間って何をしているのかわからないのですが、売り上げが少ない店舗なんかは24時間営業をやめて、その名の通り「7~11時」とかでも良い気がします。企業側の「過剰サービス(という名の強欲)」がブラック労働のもとですし、従業員の疲弊によるサービスの低下やエネルギーの無駄遣いを引き起こしていると思います。日本全体、もっと「定休日を持つ勇気」が必要なのではないかと感じています。

私は公務員でしたので、仕事を休むことに対する抵抗はあまりなく、休暇は比較的取りやすい環境だったと思います。「休むこと」が想定外の制度設計がすべての元凶の記事にも書きましたが、「仕事を休めない、休むと罪悪感」みたいな働き方ってそもそもおかしいと思うんですね。有休20日消化できないのが当たり前、ってそれがおかしいです。そんなことだから生産性が上がらないのだと思います。利益や長時間労働を美徳としすぎるあまり、休むことで得られるメリットが全く無視されている。「休むこと=怠ける、サボる」みたいな感覚が集合無意識のどこかにありますが、実際はそんなことはありません。休めない社会では人々の心と身体がどんどん疲弊していきます。「回すのにいっぱいいっぱい」の一億総病み社会から、「便利ほどほど、利益ほどほど」心身の余裕を持った社会へ、シフトダウンする必要性を強く感じています。

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