「持っていること」に価値のある時代の終焉

しばらく内観系の自分語りの記事で退屈だった方もいらっしゃるかと思いますが(笑)、久しぶりに社会派の記事を。以前から言われていることですが、「持っていること」「所有」の概念が揺らぎ始めているように感じています。物を持たない「ミニマリスト」の出現や、若者のクルマ離れ、音楽配信サービスや定額制のスタート、ハンドメイドマーケットのようなCtoCビジネスの活況など、消費と所有に対する価値観はかなり変化しつつあります。

私の周りの方だけの話かもしれませんが、今の世代の若者で高級品やブランド物に目がなく、そればかりを追い求め、ステイタスとしている人はいないように思われます。そんなに所得が高くない人ばかりだからかもしれませんが(笑)、「高級品ばかりを求めて身につけること=ダサい」くらいの価値観はあるように思います。本質を見ていると言いますか、世間的に見たブランド力よりも、自分が良いと思うものを選んで買いたいという意識が強い気がします。私の友人にはハンドメイドでアクセサリーや小物を作られている方が多く、気に入ったものは自分で作ろうという意識はかなり多数派になってきています。ハンドメイドの通販サイトなどを見てみると、オーダーメイドで作品を作ってくれるサービスもありますし、作品を見ても代官山のアパレルブランドとそん色ない、それ以上のアイテムが安価で売られていることもあります。●●ブランドのものだから、とかではなく、本当に気に入ってセンスの良いものなら無名の個人から買うのも大アリだ、というのが今の価値観の流れかなと思います。

私は以前は今よりもおしゃれに気を遣っていて、服はかなり好きだったのですが、アパレル系って特に原価がものすごく安く作られているので、大手ファッションビルで売られている服はほぼぼったくり価格だということも聞いたことがあります。人件費、テナント料、広告料が高いので、上乗せされてしまう。気に入った生地で好きなデザインをほぼオーダーメイドで作ってくれるようなサービスが気軽に安価に受けられるとすれば、おしゃれな人ほどそういった一点物を求めるようになると思います。中間マージンをなくしてCtoCへの記事にも書きましたが、個人個人が特技やスキルを売買する、消費者同士のCtoCのビジネスが今後はアツいと思っていて、アパレル系もブランド力にあぐらをかいてはいられなくなってくるのではないかと感じています。

やろうとは思いませんが、「ミニマリスト」の方の生活は興味深いですし、新しい価値観だなと思って見ています。モノを最低限しか持たない暮らしをするそうですが、本人がそれで心地良いならそれが一番ですよね。自分にとって何が必要で何が必要でないかというのは、案外自分ではわからないもので、他の人が持っているからとかマスコミの影響とか、外部の情報に惑わされて「欲しい」と思わされていることもあります。そう考えると、本当に自分に必要な物ってすごく少ないのかもしれません。

ここ数年、音楽もダウンロードや配信が盛んになってきたり、一部報道では電子書籍の定額サービスも検討されているとのことで、「モノとして持つ」ということの価値も変わってきていることを感じます。CDはいらないのか、紙の本はなくなるのか、など議論は尽きません。私はCDがなくなることも、紙の本がなくなることもないと思っています。好きなアーティストのCDは欲しいと思いますし、電子書籍で良いと思う本もあれば紙の方が使いやすい、読みやすい本もありますから、時代が変わればすべてが変わる、ということではなく、単純に「選択肢が増える」だけだと思うのですね。ちなみに私は今もガラケーを使っていますが、ガラケーも滅びる滅びると言われてまだかなりのシェアがあります。次世代のものに取って代わるのではなく、それぞれの良さをうまいこと取り入れて共存していけば良いのではないでしょうか。

話があちこちに飛んでしまいましたが、今の時代に共通して感じるのは「持っていること」そのものに価値がある時代は終わるのではないかということです。暮らしぶりや生き方が重要なのであって、何を持っているかではなく、「ライフスタイル重視」になってきたことを感じます。多様なモノが手に入り、選択できるようになってきたからこそ、他の人も欲しがるブランド物より他の人が誰も持っていない一点物を求めたり、「一般的な家庭」とは異なる価値観の生き方をしたり、モノを減らし極力電子データ化することを求めたりといった変化が起きてきたのだと思います。モノをアピールするのではなく、その方の価値観そのものが如実に表れる生き方やライフスタイルをアピールし、自己表現とする時代。消費と所有の価値観の移り変わりについては、これからも世の中の動きから目が離せませんね。

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