公務員時代に感じていた災害対策への疑問

昨夜は熊本地方での大地震、びっくりしました。うちにはテレビがないので被害状況などの映像は観ていませんが、被害が最小限でありますようお祈りしております。こうした災害があるとふと頭をよぎるのが公務員時代のこと。災害時に公務員が果たすべき責務は大きく、そういった時のためにいるようなもの。働いていた当時に感じていた災害対策への疑問点について思い出してみようと思います。

これは私の働いている自治体のみのルールかもしれませんが、何か災害が起きた時は、家族の安否を確認後、基本的にはすぐに動員・参集しなければなりません。参集先は所属部署によって決まりますが、勤務している地域の防災拠点や自宅最寄りの防災拠点、本庁舎などさまざまです。勤務している最中に災害があり、防災拠点に参集する場合は良いのですが、自宅にいるときに災害があった場合は、交通機関が止まっているので自転車やバイク、徒歩などで参集しなければならない場合もあります。私は東京都在住ですが神奈川県内に通勤していたため、自宅から参集先まで歩いていくのはほぼ無理です。しかしながら、そういう想定で防災計画が立てられていました。

たとえば、私が今も公務員であった場合、東京都の防災拠点が一番近いので、そこへだったらすぐに参集できるし、ある程度同じ動きをするのであればだいたい防災拠点でするべきことというのはわかります。自治体をまたいで参集するなんてありえないことなんですが、もし家の近くに参集して良いのであれば効率的かつ現実的ですよね。いつもこの参集システムについては疑問に思っていて、すごく効率が悪いなぁと思っていました。

実際に家で被災して、徒歩で勤務先の方のエリアの小学校に行くなんて全く現実的ではないですし、机上の空論ですよね。ですから、災害時に公務員が果たすべき役割は大きいけれども、実際に人々に貢献できる動きができるのかというと私は自信がありませんでした。そういうこともあって、地域に根付くというグラウンディングの記事にも書いたとおり、地域の力が非常に重要なのだなと思ったわけです。地域の団結力があり、防災拠点訓練でも実際の災害時を想定した動きができていれば、公務員が来なくたってうまく拠点運営ができるはず。公務員は人事異動で人がコロコロ変わってしまうので、いつも同じ人が来るわけではありません。やっぱり地域の力が重要なんです。

勤めていた区役所でも毎月避難訓練などを実施していましたが、お客様がいらっしゃる前の時間でしか実施していなかったので、私としてはあの訓練だけでは実際の動きがいまいちわからない、と思っていました。上司にも申し出ましたし、担当部署にも言ってみましたが特にやり方は変わりませんでした。お客様に一時的に迷惑をかけるかもしれないけど、事前に告知して開庁中に実際の動きをシミュレーションする訓練をした方が良いのでは、と提案した気がします。「毎月防災訓練をやっています」と報告するためだけの訓練なんて意味がないと思っていました。

他の自治体はどのような訓練をされ、どのような防災計画を立てているのかはわかりません。大きな自治体ほど、きめ細やかな対応が難しくなってきそうです。いくら計画を立ててもその通りになることはなく、常に想定外の連続。一生に一回あるかもわからないことです。中には家族や自分をあと回しにして、災害の復旧に当たられる方もたくさんいらっしゃるわけで、本当に公務員の鑑だなぁと思います。その方たちも一般市民であり辛い思いをしているのは同じ、「公務員なのだから○○して当然」とは思わないで頂きたいです。彼らに過度に期待をせず、「自分のことは自分で」「地域のことは地域で」という意識でいることが大切なのかなと感じました。

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