「叱られて伸びるタイプ」なんているの?

よくある話に「褒められて伸びるタイプ・叱られて伸びるタイプ」論があると思うのですが、「私は叱られて伸びるタイプです」と言っている人を見たことがありません(笑)。人間そのものについてや、幼少期の親子関係やインナーチャイルドといった人格パターン形成のメカニズムなどを学ぶにつれて、怒ったり叱ったりすることで伸びる、ということはありえないんじゃないかと思うようになりました。

街中などでヒステリーなお母さんが子どもを怒鳴りつけたり、叱りつけたりしているのを見て、心を痛めたことがある人はかなり多いのではないかと思います。小さな子どもは怒られると「自分は愛されない」と思ってショックで泣き出しますし、その傷は大人になるまでずっと残り続け、自分自身への呪いとなって苦しみます。怒られたり叱られたりし続けた子どもがまともに育つはずはなく、成長途中では表面上は問題なく育ったように見えても、心に深い闇を抱えていたりするものです。現代社会に心の病が蔓延しているのも、根本原因には幼少期の心の傷が必ずあるように見えます。

小学校の頃を思い返してみてもそう感じます。小学校5年生の時に、私のクラスは軽い学級崩壊に陥っていました。児童は反抗気味、授業にならないとか、休み時間が終わっても帰って来ないなど。その時の担任の先生はすぐに怒る方で、しょっちゅう怒鳴っていました。私は今も昔も真面目で正義感が強いので特に怒られるようなことはしていませんでしたが、とばっちりをくらって不愉快でした。ある授業参観の日、他の悪ガキが悪態をつかないか、私がヒヤヒヤしていたのを覚えています(笑)。先生はあんまりにもすぐに怒鳴るため、子どもたちに舐められてしまったのだろうと思います。クラス持ち上がりで6年生になり、先生が替わったのですが、それからは学級崩壊はおさまりました。

私にはいわゆる「体育会系」の文化が本当に理解できません。学生時代に体育系の部活に入ったことがないので全く分かりませんが、理不尽なきまりがあったり、やたら変な慣習を押しつけられたりすることもあるようです。休みも少なく、ほぼ奴隷、パワハラまがい、精神を病む人も出そうです。厳しさにストレスが溜まるのか、決まって大酒飲みが多いイメージもあります。自衛隊や消防士など、命に関わる仕事の場合は多少の厳しさはやむを得ないのかなとも思いますが、それにしても人権侵害レベルの厳しさは異常ではないでしょうか。

親に頻繁に怒られたり叱られたりして育つと、その傷が癒されない限り、必ず他人にも同じような態度を取ってしまうものだと思います。自分の子にはもちろん、部下や後輩など、自分より弱い立場の者を怒ったり叱ったりするのが愛だ、と思い込んでいるのかもしれません。必要以上に他人に厳しく怒ったり叱ったりする方というのは、心の傷が深いのだと思います。そういった方に指導を受けて、まともに成長する方というのはいらっしゃるのか、疑問に思います。「叱られて伸びるタイプ」なんていないのではないか、私はそう思っています。

家族全員が疲れ果てている現代社会という記事も書きましたが、人々の心に余裕がないと、みんなが怒りっぽくなり、少しのことでもイライラして他人に当たったりしてしまうものです。信義則に反するような時に「それはいけないよ」と教えてあげることは当たり前ですが、必要以上に怒ったり叱ったりするのが人間の成長にとって良いことであるとは思えません。「怒る」「叱る」というコミュニケーションについて、自分がされた時にどう感じたか、胸に手を当てて感じてみれば、効果がないことはわかるのではないかと思います。より人々が暮らしやすい寛容な社会になるためにも、一人一人が「人間」そのものについて、より深く理解していかなければならないなと感じます。

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