安すぎる残業代とワークシェアリング

先日、働き方改革関連法案が可決されましたね。労働者の働き方改革ではなく、経営者の「働かせ方改革」が進んでしまった結果になりました。いかに人間を奴隷のように働かせ、搾取するかしか考えていない支配層。どれだけ働かせても違法にならないとしたら、ブラック企業を摘発することすらできなくなってしまいます。長時間労働や過労死問題をさらに助長するような改革が「働き方改革」としてまかり通ってしまう…。本当に恐ろしい世の中になってきました。

国が労働者のためになる改革をしないのはある意味わかりきったことで、別段驚くことでもないのですが、私の中でも明確な解決策が導き出せずにいた問題でもあります。「長時間労働や残業が減らないのはなぜだろう?」とない知恵を絞って考えてきましたが、ある記事を読んで「そういうことか~」と納得したことがありました。考えるポイントの一つは、日本の残業代は諸外国に比べてとても安いということ。日本では残業代は基本給×1.25倍(土日は1.35倍)ですが、諸外国では1.5倍や土日だと2倍という例もあるようです。残業代が安いために、雇う側の負担も少ないのでなかなか改善しようとしないということです。人を一人追加で雇うよりも、今いる人に残業させた方が安上がりということもあり、人手不足で現場は疲弊していても、今いる人に負担を押し付ければいいや、という論理が成り立つのだと思います。

人が足りなくても、追加で人を雇うより今いる人に残業させた方が良い。その論理でいくと、(社会全体で見ても)一部の人に業務負担が集中し、仕事の分担にムラが生じます。昨今の先生の激務っぷりを見ていると、まさにその例だなと感じます。私の友人にも念願の教師の仕事に就けたものの、あまりの激務に心身を壊して退職してしまった方がいます。学校の先生の悲痛な叫びは様々なところで見られるようになりました。あまりに激務なら部活専門のスタッフを雇うとか、事務員を増やすとか、改善のためにやれることはたくさんあると思うのですが、人を一人雇うよりも今いる先生に残業させた方が安上がりなのでしょうね。学校の先生には「給特法」という法律があり、そもそも「働かせ放題」状態であると最近知ったのですが、学校現場の激務は働き方改革法案施行後のあらゆる職場で起こりうることで、他人事ではありません。

色々考えてみて、残業を減らすための一つの方法として、「残業代を上げる」というのはとても効果的なやり方なのだろうと感じました。はじめは「そうしたらもっと自ら進んで残業したがる人が増えるのでは?」と思いましたが、そもそも残業は自ら進んでして良いものではないのではないか、と思い直しました。私が働いていた時も、原則的に残業は上司の命令がないとしてはいけないことになっていましたからね。法定残業代が基本給の2倍くらいになったとすると、雇う側は残業させないように対策をすると思います。そしてより多くの人を雇うようになれば、失業者は減り、一人一人の労働時間も減り、ワークライフバランス&ワークシェアリングが実現されるようになっていくはずです。とはいえ、ブラック国家日本の場合、さらにサービス残業や業務時間の改ざんが行われる可能性も高いですがね(今の安い残業代すら払わない風潮ですからね)。

どうしても業務多忙な時期に多少残業が生じるくらいならわかるのですが、今の社会は残業があることを前提としているようなところがあり、そしてそれを当たり前のように受け入れる人々に非常に疑問を感じています。私はできれば1分1秒も残業したくないですし、定められた時間で帰りたいです。また、業務の都合で準備や着替えの時間がどうしても発生する場合なども、その分の手当てはつけるべきと思っています(1勤務あたりいくらとか)。残業問題は業務過多だけが原因ではないというのが根深いところで、生活費のために残業が必要というケース、家に帰りたくないからだらだら会社にいるケースなどもあると思います。そうなると、基本給の低さ、家庭内の不和にもメスを入れていく必要がありますね。それもこれも悪しき資本主義・グローバリズムを推進した結果としての長時間労働・過労死問題であって、社会の根幹思想を見直さなければ抜本的解決はあり得ないでしょうね。

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