地域に根付くというグラウンディング

今日はとある地域活動の下見に行ってくるのですが、仕事を辞めてますます「地域に根付く」ことの大切さを感じています。もともと生まれてこのかた27年同じ場所(川崎市)に住んでおり、昨年自転車で実家から15分ほどの場所(東京)に引っ越しましたが、今は川崎にいた時以上に地域の人と親しくしているなぁという感じ。滞在時間関係ないですね。意識の問題です。

実家にいた時は、隣近所の付き合いというのはなく、幼少期からの友人以外に知り合いは特にいませんでした。子ども会や地域のスポーツ活動にもあまり熱心ではない親だったので、親同士の付き合いみたいなものも皆無です。幼少期の友人とは今でも頻繁に会うほどとても仲が良く、友人関係のベースは今も地元にあるなぁと感じています。小さい頃に同じような環境で生まれ育った人の縁は結構長く続くものなのかなと思ったりもします。

お店を出すにしても何にしても、地域にしっかり根付いていくというのは大切だなと思います。ネット社会なので地域でのリアルな人間関係を築かなくても生きていくことはできますが、やはり寂しさは感じるのではないでしょうか。地域に顔なじみの方がたくさんいるというのは、一人暮らしの私にとってはかなりの安心材料になっていますし、ふらっと立ち寄って話ができるお店がたくさんあるというのは、人生の充実感にもつながっていますしね。地元や地域に根付くというのは、これからの時代に見落とされがちな視点かなと思っています。タイトルの「グラウンディング」はスピ用語のような感じですが、「地に足をつけてしっかりと生きる」ということであり、地域にしっかりと土台を固めて生きることはある意味グラウンディングだなぁと感じます。

また、災害時などにおいても、大切なのは地域の力だと思っています。公務員時代には、地域の防災拠点での訓練に参加したこともありますが、やはり、地域の力が強い地域は訓練であっても非常にクオリティの高いシミュレーションや、役割分担、動きができていました。中高年の世代だけではなく、若い世代や親子連れ、マンションの管理組合の方も積極的に参加されていたのが印象的で、どんどんさまざまな世代を巻き込む力のある方々でしたね。訓練が地域の一大イベントみたいな感じで位置づけられていたのが印象的でした。災害時なんてただでさえパニックなのだから、実際にうまく動くのは難しいです。あの自治体くらい体制が整っているところはそうないでしょうね。地域が顔なじみ同士であれば、緊急時にもよりよい動きができそうだなと思います。

地域活性というのは役所の仕事にもありましたが、無理に役所が活性化しようとしてできるものでもないのかもしれないとも感じます。やはりそこにいる方々の意識が重要で、重要性を感じない人にはうっとおしい取組だったりもするでしょう。その辺りが「協働」の難しいところですよね。役所なんか最初からあてにならないので(笑)、活性化したければ地域の人々みんなの意識を揃えて、当事者たちが本気で取り組む必要がありますね。ここでも「自立」の意識、役所まかせではだめなんです。

無縁社会と呼ばれて久しいですが、これからの共同創造の時代においては、大企業やチェーン店を極力使わず、個人店や個人事業主同士で力を合わせて協力し、楽しそうな一大勢力をつくって人々を巻き込んでいくのがキモかなと思っています。私たちのような世代にとっては、中高年のおじ様おば様というのは価値観が明らかに違ったりして、目の上のたんこぶのように思えることも正直あります(笑)。しかし地域に根付く力は明らかにその世代の方がうわ手です。「若者の新しい発想×中高年の地域力」みたいなものがうまく融合していくと、楽しい共同創造の取組が活性化しそうだなと思いました。

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