誠実に、かけた時間は質量になる

いつもながら大好きな音楽関係記事を。昨日は木曜日でサカナクション山口一郎さんのラジオを聞く日。この日は10月に発売の新曲初オンエアということで、一郎さんは反応にドキドキ、我らファンは楽しみにしていた新曲解禁ということで浮き足立ちながらラジオに耳を傾けます。この曲は本当は8月に発売になるはずだったのですが、当初のリリース日までに納得できる仕上がりのものができなかったため発売が延期になり、10月にようやく発売されることになったという渾身の一作なのです。

4月にあげたサカナクションと「統合」「バランス」という記事にライブで思ったことなどを書いたのですが、実はこの日にも新曲の原型となるものは作られていて、披露されていたのです。しかしながら、その時からタイトルや歌詞などを作り直し練りに練った挙句、4月には人前に出せるクオリティだったのにもかかわらず、8月のリリースには間に合わず、10月にようやく発売となったのですね。音楽業界の人ではないのでよくわからないのですが、よほどのことがない限り一度決めたリリース日を変えることはないだろうし、普通はなんとしてもその日に間に合わせるはずです。そうまでしても、自分達の納得のいく作品を作ろうとするストイックさに、私は惚れ惚れしてしまいますね。

自分自身がストイックな面があるからかもしれませんが(とはいえ家ではだらけてますが)、ストイックな人には魅力を感じます。中途半端なものを世に出すくらいなら出さない!死んだ方がまし(笑)!みたいな。そういう気持ちわかるなぁ、という感じで、とても応援したくなります。一曲一曲妥協することなく丁寧に細部までこだわって作られた曲だということが伝わってくるので、こちらとしてもその曲を丁寧に味わおうとすると言いますか、大事に聞こうという意識になるんですよね。曲の完成度が一曲一曲高すぎて、1枚のアルバムを何百回聞いたかわからないです(笑)。何度聞いても良いんですよね。

昨日のラジオで一郎さんが言われていた印象的な一言が、「誠実に、かけた時間は質量になる」(私の意訳)という言葉。軽く作った曲は簡単に消費されてしまうと。丁寧に時間をかけて作った曲は、彼の言うところの「消費される」音楽にはならないだろう、ということでしょう。雰囲気的に言っていることは非常によくわかりましたし、CDの売り上げ枚数だけやたら多いアイドルグループなどの音楽に対する皮肉も込められているような印象を受けました。アイドルは固定ファンがいるから、曲の良しあしではなく、出せば売れるということがあって、だからこそ曲の中身はスカスカに思えることもあるのでしょう。元アイドルファンとしても、そんな一面は否定できない面もあります(笑)。もちろんアイドルにも良い曲はたくさんありますけどね。

私も完成度を求めるあまり、いろんなことに時間がかかるという自覚は常にあるので、「誠実に、かけた時間は質量になる」という言葉には非常に励まされましたし、一郎さんとは次元が違うけれども、求めるクオリティに向かうストイックさを肯定してもらえたような気がして嬉しくなりました。彼自身もリリース延期をしてしまう罪悪感などもあったでしょうから、自分に言い聞かせたかったのかもしれません。だからこそファンの反応をめちゃくちゃ気にしてたのでしょうね。

簡単に作られたものは簡単に消費されてしまう、雑に扱われてしまうということは、我が身を振り返っても本当にそうだなと思います。安い服はガンガン着てガンガン洗濯しますが、高い服は丁寧に着よう~と思ったり。チェーン店のコーヒーより、一杯一杯丁寧に淹れてもらったコーヒーの方が大事に味わって飲もうと思えたり。やっぱり世の中のあらゆる物事について、量より質だなと思う感覚は常にあるし、質の高いものに囲まれて暮らしたいなぁと思っています。安価で質の悪いインスタントな商品ではなく、時間とエネルギーを注いで作られたものやサービスに価値を置く意識の社会になると良いなと本当に思いますね。来月発売の渾身の新曲が今から楽しみです。

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