ローリスクハイリターンの魔術その②
第５回目の投稿は前回・前々回に引き続き
「リスクとリターン」についてです。
前々回で、リスクとリターンが相関関係にあることを
前回で、複数銘柄を組み合わせることでローリスクハイリターンにできることを
お伝えしました。そして今回は具体の数値を使ってローリスクハイリターンを体感いただけるコンテンツにしています。
前回分だけでもナナメ読みしていただけると理解度が高く読んでいただけると思います。
目で見てわかる「分散効果」
では早速例題です。皆さんはアイス屋さんとクッキー屋さんを経営する経営者です。販売担当者を配置する必要があります。
20名の販売員をアイス・クッキーの販売員として
何名づつ配置しますか？”ローリスクハイリターン”となるような割合をこのケースで一緒に考えていきましょう。
なお、販売員１名当たりの利益は以下通りとなります。
「20名全員アイス屋さん」VS「20名全員クッキー屋さん」VS「50:50」
本当は全２１パターンの計算結果をこちらへ記載したいんですが、
冗長になる（のと、僕のスタミナがなくなるｗ）ので代表３つを記載いたします！
期待値としてリターンが大きいのは「20名全員がアイス屋さん」のパターンですが、もし冷夏になったら、赤字の額も大変大きくなってしまいますね。
リスクをきちんと見ないといけないというのはこういうケースかと思います。
十分に費用があり、長期にわたり何度も何度も投資ができる場合は、実は期待値が高いものを選ぶのが合理的な意思決定にもなります。
一方で、上記のようなケースでない場合、リスクは投資判断において重要な指標になってきます。
では、ケースに戻って２１通りの中で何名づつ人員を配置させるのがローリスクハイリターンになる組み合わせになるんでしょうか。
各計算結果はこちら!!
結果発表：「ローリスクハイリターン」な組み合わせ
リスク＝標準偏差の計算方法は右下に数式を記してます。関心あるマニアックな方は拡大して見てみてくださいｗ
一覧で観てもよくわからないと思うので
リスクリターンをそれぞれプロットしてみますね。
前回でも記載した通り、「アイス０、クッキー20」から、アイスの割合を増やすについれ左上に移っていき、ある地点で折り返して「アイス20、クッキー0」の地点まで右上方向へ移動していくのが見て取れます。
更に、下記を見てみてください。
赤枠内にある通り、リスクは同じなのにリターンの大小が異なる組み合わせが発生してますね。赤枠の左側でも複数そのような組み合わせが見て取れます。
投資の原則は同じリスクなら高いリターンを選ぶことが合理的な判断になります。
つまり上図では、上側の組み合わせを取ることが合理的な判断になり、下側の組み合わせは取ってはいけない組み合わせになります。
今回のケースでは、「アイス０、クッキー２０」～「アイス４、クッキー１６」は投資判断として非合理（＝選ぶと損）な組み合わせなんです。
逆にそれ以外の組み合わせは「アイス２０、クッキー０」も含めて全て合理的な判断になります。
後は、リスクとリターンのバランスをどう持ちたいのかを判断するだけになります。
出来る限りリスクをなくし安定的にリターンがある組み合わせにしたい場合「アイス５、クッキー１５」ですし、リスクが大きくてもリターンを最大限にしたい場合は「アイス２０、クッキー０」ですし、その間を責めたい場合は上記組み合わせの中間の組み合わせを取ると良いです。
効率的フロンティアについて
これは、1990年にノーベル経済学賞を受賞したマーコウィッツが唱える「効率的フロンティア」という考え方になります。
赤色実践の部分で試算を持つことが合理的な判断になります。
（青色実践の部分はややこしいので今回は割愛します。気になる場合コメントお寄せいただけると嬉しいです♡）
分散投資において大切なのは…
結局３週にも亘ってリスクリターンに触れていきましたが、
”逆相関を持つ銘柄”へ分散させることがローリスクハイリターンのカギだという点が最後まで読んでくれた方に伝わればいいなと思っています。
会社の投資説明会では「分散しましょう!!」と説明を受けることがありますが、
少しだけ説明に物足りなさを感じませんか？
今回のnoteが日本中のどなたかが、ファイナンスに興味を持つきっかけになればうれしく思います。
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