クラブ、スペード、ダイヤモンド

俯瞰で見えるなら滑稽ね
私とあなたの関係も
ボディクリームさえも無意味だね
乾いたことなんてないんだもん

52の 顔と嘘
手札にも 宿る魔法

クラブ、スペード、ダイヤモンド
ハアト 隠したポーカーゲームね
「愛してる」はノーカウント
マナー違反は次こそ罰金よ

目線すら合わない この距離で
何を言われてたって同じだよ
『危険な情事』さえも甘いよね
私もあなたもピンカートン

52の顔と嘘
テレビから雨の予報

クラブ、スペード、ダイヤモンド
ハアト 隠したポーカーゲームね
罪に汚れた マスカレイド
報われないほど オンナは大胆よ

52の顔と嘘
あなたから始めてよ

クラブ、スペード、ダイヤモンド
ハアト 隠したポーカーゲームね
「愛してる」はノーカウント
報われないから オンナは最低
クラブ、スペード、ダイヤモンド
ハアト 無くしたポーカー場で
「愛してる」ならちょっと黙ってて
マナー違反は次こそ退場よ


【解説】
『東京サーモグラフィー』ショック後に
恋愛に対する考え方も変わり、
そして女性の考え方を
改めて勉強させられた機会でもあった。
偏見だと言われてもしょうがないが、
多分男性よりも女性の方がはるかにドライで、
もっと恋愛を割り切って考えられる脳を持っていると思ってる。
この曲は
女性から見た『モールライキー』というか、
あまり滑稽さがない
女性の割り切った恋愛観を
ポーカーに見立てて書いた
不倫をテーマにした曲。
テーマが多い。

俯瞰で見えるなら滑稽なのは、
夜の関係だけというか
寂しさを埋め合うだけの関係で、
お風呂上がりに
ボディクリームさえも無意味になるほど
ただベッドで求め合っている。
ポーカーのように
52枚のトランプをお互いが持ってて、
その手札をお互いが会話やメールで
探り合ってるような関係。
もちろんそんな関係だから、
「愛してる」は禁句。
お互いどちらかが本気になったら終わり。
だからこのポーカーには心(ハアト)がない。
だからちゃんと目線すら合わせられない。
『危険な情事』という
有名な不倫の映画あるけど、
2人にはそれすら甘く感じる。
『蝶々夫人』という
日本人女性(蝶々夫人)と
アメリカ人男性(ピンカートン)の恋愛を描いたオペラがあり、
蝶々夫人とピンカートンとは日本で結婚をし、
子供まで作るが、
ピンカートンはアメリカに帰り、
アメリカでも結婚をし、
その事実にショックを受け、
蝶々夫人は自殺をしてしまう。
でも私たちは平気、
だってどっちもピンカートン側だから。
そんな2人を勝手にイメージした時に
並んで観てるテレビから
明日が雨の予報(明日(未来)が楽しめない)
だろうなと思った。
マスカレイドは仮面舞踏会いう意味で、
仮面をしたまま知らない男女が
パーティーを楽しむ会で、
それって私たちみたいだよねっていうニュアンス。
でもやっぱ男の自分としては
そこにどうしても
罪悪感だけは残ってて欲しくて、
私からこの関係は始めてないとか、
報われないから女って嫌だなって、
言い訳とか自己嫌悪とかが
ちゃんとあってほしいな
「お願いだから愛してるって言わないで。
お願いだから私を本気にさせないで。」
っていう願望を詰め込んだ。

想像力が足りない部分は
サブカルチャーで補い、
せめて救いを残したいと思うところも含めて、
男が作った女の曲だと思う。