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Permanent Collection『自負と偏見』

自負と偏見

待ち合わせ カフェテリア
ほんと変わらない
笑顔から漂う feel so good
コーヒーカップ並ぶ 君と僕は
アダルト版トイストーリー2

今もまだ君を探して
さまようなんて
ガールフレンド

「愛することを知って
孤独になると思った。」
「行き過ぎた自負と偏見。」
君は靴を鳴らして言う
「今じゃもうただのマイフレンド。
昔話しかないわ。」
(それはそうだけど、…勝手。)
薬指 ただ見つめてる

「今もまだ
意気地がないね。
女みたいな…」

後れ毛すらそのまま なんかやるせない
カフェインで飲み込む I NEED YOU
分かりやすい曲(ボク)へ 君の評価
「あの頃に浸った ラブソング」

今もまだ君を探して
さまようなんて
ガールフレンド

「愛することを知って
孤独になると思った。」
「行き過ぎた自負と偏見。」
君は靴を鳴らして言う
「新しい今のガールフレンド。
写真あったら見たいね。」
(…悲しくないのか、全然!?)
薬指 また目に入る

「今もまだ意気地がないね。
女みたいなボーイフレンド。」

「愛することを知って
孤独になると思った。」
言い換えた ただの偏見
君はそれに気づいてる
「ありがとう、exガールフレンド。」
言えるほど強くないが
あの頃の君と僕を
クスリ、笑える夜がある



【解説】
久々に別れた彼女と会った時に
彼女はもう結婚していて、
「人として幸せになるとは」
ということについて
考えされた時のことを書いた。
タイトル『自負と偏見』は
ジェイン・オースティンが書いた
小説のタイトルよりそのまま拝借した。
『ブリジット・ジョーンズの日記』の原作を読んでいた時に
やけに『自負と偏見』の話が出てきたので、
興味が湧いて読んでみた。
中世の貴族版『ブリジット・ジョーンズの日記』
だと思ってもらって差し支えないし、
『ブリジット〜』の作者・ヘレン・フィールディングが
相当影響を受けてるんだろうなと思った。
これは僕の解釈だけど、
この小説が
わざわざ『自負と偏見』という
堅苦しいタイトルになったのは、
「みんな貴族としての自負があって、
人を偏見で見てるよね、
でもそれって人間として正しいことなの?
ただ人を愛することに貴族とか関係あるの?」
っていう風に思えて、
「俺もバンドマン=自負があって、
一般的な暮らしを偏見で見てないか?」
という風に思ったことが由来になってる。
本は曲の内容とは
そこまで関係ないけど、
タイトルとしては気に入ってる。

実際に待ち合わせしたのは
カフェテリアではなく、
お好み焼き屋だったと思う。
多分そういう事実と反するのも
昔だと結構許せなかったりしたけど、
曲として考えた時に
あんまり聞く人のイメージを制限したくないなと思って、
コーヒーを飲んだ気もするし、
カフェテリアにした。
アダルト版トイストーリー2
が多分1番意味分からないと思うけど、
ウッディーがジェシーに出会うけど、
結果的にジェシーはバズと恋に落ちる
みたいなことを言いたかった。
正直、他の言葉でも良かったけど、
語呂も良かったし、
一ヶ所くらい
聴く人が不思議に思うパートがあった方が
曲として
人によってイメージが変わる感じがしていいなと思った。
もう彼女から
僕は男性として見られてないというか、
髪型も後毛すらボサボサで、
こうやって久々に食事に誘われた時、
「まだ俺のこと好きだったりするのかな?」
という気持ちになったけど、
この彼女を見た時、
ただコーヒーで飲み込むしかなかった。

「愛することを知って孤独になると思った」
のは、
これはほんとに意図的ではないけど、
読み方によってはサビが
『愛知』になってて
なんか恥ずかしいなとは思ってる。
人を愛した経験があるから
孤独を感じられるというか、
愛知が出てきたから愛知で例えるけど、
例えば
自分が味噌カツの味を知ってて、
美味しい、好きと知っているから、
県外に行ってトンカツ屋に行って、
味噌がないとがっかりするというか、
だってその味が分からなかったら
別に塩でもソースだけあればいいんだし、
知ったことで無いことを嘆く、
不幸にもなるよね
っていうことが言いたかった。
ただ僕はそれを嘆いてるだけで
「ああなんて人生は残酷なんだ。
でも俺にはバンドマンだから仕方ないんだ。」
とか大袈裟に思って終わってたけど、
彼女は自分の意思で
結婚をして、
ちゃんと前に向かって歩いていた。
僕はあの頃に浸った
過去に取り憑かれた歌を書き続けていて、
ただ人を偏見で見てるだけで、
バンドマンとかそんな次元じゃなく、
勝手に言い訳を考えて、
安全地帯から進もうとしてなかっただけだった。
だって
もしまた恋をして振られるのが怖いから、
恋人に否定されるのが辛いから、
浮気されたら悲しいから、
そうやって
ただ自分を守っているだけだった。
「行き過ぎた自負と偏見」
とまでは言われてないけど、
あの時に
足踏みしながら笑う彼女の姿を見ていて
そう言われてるとさえ思った。
そんな自分のことを
「女が腐ったみたいな男」
という表現が好きだったので、
自虐的に
「女みたいなボーイフレンド」
と称していたが、
この二、三年でとんでもなく倫理観が変わり、
今だとこの表現は適切ではないと思う。

最終的なオチを考えた時に
1番2番の薬指から
クスリだけ残すことを思いついた。
男女のあるあるなのか、
僕のあるあるなのか、
劣等感があったからなのか、
あの時はよく人の左手の薬指を見ていた。
薬とクスリ、
結構あざといやり方な感じもしたけど、
そうすることで薬指を
サビで言ってる意味も出るだろうし、
本当に
「思い出しても笑える時間をくれてありがとう。」
と言うことだけが精一杯、
あの時は彼女への伝えられる
唯一の感謝の言葉だった。

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