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Permanent Collection『Sunday』


Sunday

泣き疲れて ついに眠ったようだった
「夢はきっと 楽しいイベントだったらな」
除光液が 夜を溶かしていく

理由がいつもお金になってきた
イメージだって 歪んだ抽象画
爪をかじって 彼女はこう言った
「最後の最後で笑うには賢くなくちゃ」

耐え切れないほど生活感がした日曜
彼女のネイルを誰が剥がしたのか?
1人探して 今も探している

眠る前に 死ぬほど不安になってきた
「夢見るって こんなに難しかったのか」
電気消して 視界澱んでいく

向かい座って 本音話してみた
「怖すぎる」って 初めて声にした
父は笑って 静かにこう言った
「最悪、最後はいつだって守ってやるさ」

耐え切れないほど生活感がした日曜
夜の輝きはどこへ向かったのか?
1人探して 今も探している

耐え切れないほど生活感がした日曜
彼女のネイルを誰が剥がしたのか?
1人探して 今も探している

耐えきれないのは生活感だった
日常 僕の指先は 空(くう)を掴んだまま
今も足掻いて 今を足掻いている


【解説】
社会を知れば知るほど、
大人になればなるほど、
分からないことがあって、
そんな社会の矛盾を感じたことを書いた曲。
きっかけは知り合いの女の子が
職場でネイルを指摘され、
上司から明日から剥がしてきなさいと言われ、
「何がいけないのか分からない」
と泣いていた話を聞いて、
そこから歌詞を考え出した。
仕事やお金は大切だけど、
それが人生の中心になってしまってもいいか?
将来のことを考えると抽象画のようにボヤけてしまっている。
ネイルを剥がしてしまったことで、
昔からの癖だった爪を噛むくせが戻ってしてしまい、
「学歴、職業選び、投資、そうやって
ちゃんと賢くないと将来笑って暮らせない」
という彼女を見て辛くなった。
そんなイメージだった。

耐え切れないほどの生活感というのは、
Xにも書いたけど、
恋人や友達が日曜日に不意に見せる表情というか、
それまで楽しく過ごしていたのに
「あー、明日も仕事か」
「早く帰って子供面倒を見ないといけない」
と憂鬱そうな顔をしていることで、
友達のバンドマンと話をしてる時に
よくそれを感じていたから。

2番は僕の話になる。
ある日社会の中にいる事が
急に怖くなってきて、
実家に帰った時、
父親にそう思ったことを泣きながら伝えた事がある。
「これからの事を考えると怖すぎる」
と言う僕に
父親は
「そんなに辛いなら、
全部辞めて、
最悪また実家に帰ってきたらいい。」
と言ってくれた。
いつも夜が楽しかったのにどんどん怖くなってきて、
あの時は本当に何かに追い詰められていた。 
ただ
「でも俺はここで負けるわけにはいかない。
日常で矛盾を感じるなら、
それを考える事、悩む事、
そして例え1人でも立ち向かう事を諦めたらいけない。」
という歌詞。

タイトルの『Sunday』は
基本的にそんな曲名になる曲って
明るい曲が多いと思うけど、
逆に明るくない曲だからこそ
このタイトルにした。
本当は爪がテーマだったので、
クリスチャンパンクレーベルの老舗
Tooth & Nail Recordsから
『Tooth and Nail』という曲名にしようと思っていた。
英語の意味も「必死に」という事らしいので、
意味も合うなと思ったけど、
歯についてのエピソードが出てこないし、
ここで歯の話を入れて、
爪と歯の曲だとややこしいかなと思って、
『Sunday』に落ち着いた。

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