将棋思考法

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村木多津男

将棋の理論

☆究極目的。ルールの中で相手より速く相手の玉を詰ませる。
☆勝ちがある→襲いかかる
勝ちがはっきりしない→負けない手、傷を消す、遊び駒の活用、好形
○攻めがある→決める
○はっきりしない→攻めをためる・狙いを封じる 
相手との駒の働きの差を最大限に広げる。

☆価値の高い手を指す。
◎効率的な手。複数の効果がある手。◎利きできる・通す、消す・遮断。駒取る、当てる。連結、ひもをつける。◎配置。空間どかす、打ちたい所へ打つ。働く場所に移動できる 四駒間の配置が全てバランスよく良い。メリットがデメリットより大きい。
◎総合的判断。情況で本質的に考え最適を柔軟に選び出す
駒の損得、好形・配置・駒の働き・玉のつかまりにくさ/堅さ、手番、速度
相手を遊ばせる/悪形にする。

思考過程の可視化

①現状確認、変化したことは? 駒の配置・空間、駒の利き・当たり・王手、持ち駒、歩の打てる場所
②形勢判断、長所・短所(相手と自分の弱点は?・駒の偏りは?)・特徴
速度、駒の損得、駒の働き・遊び駒、玉の堅さ
好形、美しい配置、連携が取れている。バランス、力強さ、隙がない
③課題・方針の決定・攻める、守る、駒の活用
④読み、創造、未来の候補
⑤候補手の評価 →③当たりをつける。別の候補
⑥候補を絞り評価比較
⑦決断

① 現状確認 駒の配置と利きの配置の確認
・駒の利きの変化・消えた利きは? ・できた利きは? 通る・遮断 →利きを作る・そらす・なくす・玉が利きを遮る 
・拠点の数は?
・空間の変化 駒が消えた場所・埋まった所は? →どかす・打ちたい所に打つ・移動
・持ち駒の変化 互いの駒の種類と数は? 
欲しい駒は? 渡してはいけない駒は? 質駒の確認、欲しい駒を取りに行く
・いつでも取れる駒、後回しにできる手、取る前に有効な利かしを考える
・歩の打てる場所は? 歩がその筋にできたか消えたか?
・そこはただか? 二枚替えの筋は?
・王手か? 王手の利かしがあるか?
・そこは両取り、駒殺しを食らうか?
・浮き駒は?   標的は?
・動けない駒は? 釘付けの駒は? マークがずれてはいけない駒は? 当たりを支えている駒は? 連結している駒は? 空間を埋めている駒は?
・働いている駒、遊び駒は?
・手薄な場所、利きの強い場所は?
・邪魔な駒は?

②形勢判断
有利・不利、特徴、速度
○情況判断 情況の活用
情況により常識、優先順位が変わる。得をする手のうち最善のものを選ぶ
今ある条件を活かす手を考える。長所を活かす。
・通常との差がどんな可能性を生むのか?
・この情況ではどの駒が働いているか?
・この情況で欲しい駒は?
微差→違う(先入観を消す)
○自分の長所は? 長所を活用する 
主張 価値の比較(駒の損得vs駒の働きvs速度vs玉の堅さ) 
+・-の総合的判断、自分の今の形を活かすことを考える。条件、情況、偶然を活かす。
将来性、将来駒が働くか?
主張が通れば他のことは妥協する。勝てない競争には手を出さない。
ポイントをあげる。異なる価値を比較し総合的に判断する、優先順位をつける。 損→代償を求める・後で取り返す・価値交換

③適切な課題設定で適切な解決策が生まれる。読みの方向性を決める。方針を決める、攻め、守り、駒の活用。不利になる変化をあきらめる。対策を考える。
問題設定・前提が変わる
・アイデアに欠陥があるときは、どういう条件が整えばよいのか考える。改善策は?
◎狙いを持つ。作戦、攻守の配分のバランス、総合力を高める。効率のよい手順の組み合わせは?
狙いを持つ→場合分けして組み立てる。全ての有力手に対応する
目的に対して複数の選択肢

〇条件設定 的確な現状分析。勝ちにつながる問題設定
〇双方の視点で/急所の攻めは/速い攻めは/大幅に攻めを遅らせる手は?
・◎◎を渡さず詰めろをかけるには?
・相手の攻めを封じながら攻めるには?
〇駒を最大限に活用する手は?
・遊び駒を活用するには?
・駒の偏りは? ・どこにスキがあるか? ・どこに利きが集中しているか? 相手の攻めの焦点を避ける。相手の長所を緩和するには? 
・放駒は? 自分→連結、相手→狙う、増やす
・王手は? ・詰む手は?
・効率よく急所に駒を働かせるには?
④読み、未来の候補 
1. 読む材料。 情報、アイデアにあふれる。
2. 場合分け ・緻密に 選択肢を持つ。いろいろな変化を組み合わせて手のまとまりをつける。
 駒の配置と利きの配置の変化を確認→比較。
 有力な候補を読み抜けせず全てに対応できる/評価、
重要なものを漏らさない。読み抜けても大丈夫なようにスキを作らない。
少なくとも三択から選ぶくせ。
3. 結論を出す。全体を総合的に整合をつける一手を決める。
〇/得をする/味がいい/間に合っている/速度勝ち/攻めが続く/急所の攻め/本筋/鋭い手/理論的にもよい/自玉が安泰/いろいろな状況に対応できる、あらゆる可能性に/相手の狙いに対応できる。最適化。効果的、効率的配置/手順。駒の働きがいい。
相手の最も危険な手を探し対策を考える/工夫する。
突き詰めて考える。常に手抜いての攻め合いを念頭に入れる。
自分の狙いと相手の狙いを考えてベストの手を編み出す。
相手の攻めが切れる/自玉が相手より寄りにくい/受けて相手につぶされないようにする/自分だけ攻めが残る。
〇手勝ち
☆×を削っていき最適なものを残す。
×→あきらめる。欠陥。穴。
×こうだから悪い/損/厳しい手が待っている/響かない攻め/間に合わない/攻めが続かない/勝ち味がない/将来展望がない/攻めにも守りにもなっていない。形が悪い/駒の働きが悪化
双方の穴を見つける。×簡単に受かる攻め。×相手の狙いを防げない守り。
 ? /分からない。一長一短。一短を補えば、一短が出てくる。
☆あきらめない→対策を編み出す。穴を埋める。

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