崩せない境界線

「大麻を合法化しようぜ」発言で仕事が吹き飛んだ。仕事を小さい大きいで分けたくはないが地上波のテレビ局で1ヶ月密着していただくおれのドキュメンタリーだった。1ヶ月無職。今回、話したいことは発言で仕事がなくなったなんてことよりも今回のことで改めて考えた「なにで飯を食いたいか」ってことを話したい。

1ヶ月休みになったのでせっかくなのでアメリカに行きいまのアメリカの空気とコメディには触れたいと考えていたら友達がアメリカのテキサスにあるオースティンって街に学生の時に留学してて、オースティンなら友達も語学学校を紹介できるし、しかもテキサスはトランプ支持が多いのでロスやニューヨークとは違った空気も感じれるよと聞き、オースティンを候補として考えていた。

そんな時、タイトルの響きだけで、たまたま買った映画のDVDが「6歳の僕が大人になるまで」という映画。なんの情報もないまま、ジャケットの裏に書いてる映画の説明を読んだら「主人公の男の子がテキサスのオースティンに引っ越し…」と書いてた。まさかのここでオースティンが繋がるなんて…と勝手に運命を感じ、出来すぎたこの流れに乗っかり明後日からオースティンにいくことにした。

僕が一番楽しいこと、好きなことは漫才と独演会。お金払ってくれた人の前でマイク1つで笑いを取ること。特に独演会は約60分、完璧にフリからオチまで仕上がった鉄板ネタから話の途中で感情が溢れ脱線し、オチを見失ったまま、目的なく話し続けるものまで、全てをマイクの前で吐き散らす。

構えてるお客さんから笑いをとったときの瞬間なんかとっても大好き。

だからこそ、その辺が不器用というか、仕事に対して潔癖で、マイクを使った笑い以外でお金は取りたくないし、取る方法を持ち合わせていない。売るものは大事な意味を込めたメッセージと笑いの染み込んだ言葉、これを売りたい。

写真撮影会とかファンと交流会とか、私服プレゼントとかサインプレゼントとか、それは笑いを見に来るという感覚の判断をダブらせ、おれや客を結果ダメにすることになると思ってて、好きではいて欲しいけどおれの笑いが好きでいて欲しいわけで、おれを大好きになると笑いをしっかりキャッチできなくなる。

わかりやすく言えば「その笑いは面白いけど、そんなことをネタにする村本さんが心配になる」とか「村本さんにははやく結婚して幸せになって欲しい」と。

ファンになればなるほど、好きにはなるが、心配もしだす。互いの求め合う絶妙な距離感にほんとうの相思相愛はある。

おれはおれのマイクから発する笑いを好きになって欲しい。おれの笑いに惚れて欲しい。おれは友達が欲しいわけでも心配してくれる大事な人が欲しいわけでもなく、一瞬、おれの言葉を聞いた人間が理性を失い目が見開くような、そんな一撃を死ぬまでの間に、相手に向かって打ち続けたいだけ。

子供の頃、芸人になりたいと夢見た。いつしか周りを見渡せば、なんでもいいからテレビにでたい、家族を食わせるためには金になることはなんでもやる。副業で飲食店を、商売を、コメンテーターを、バラエティの司会を、役者を。舞台で金払ってる客にネタをするのが本業のはずなのに。ジレンマはすごい、おれもコメンテーターも司会もやったことはあるしやってるものもある。そのジレンマ。しかし一番時間を費やすものは舞台の上でありたい。もしその副業の方が稼いでるならそれはそれが本業で芸人が副業だ、バラエティのMCが本業、パーティのにぎやかしが本業。そのくせ舞台が本業のような顔をしだす。

お笑いでメシ食いたいと夢見た子供はいつしか金をもらえればなんでもいい、と弱さから現実なんて嘘を見だして仕事を選ばなくなる。その言い訳に家族が、ローンが、と言いだす。そもそも、本当に笑い転がした時の喜びを知ってるのか、と疑問に思う。娘に無理やり連れてこられたおっさんや彼女に無理やり連れてこられた彼氏が、最初は睨むようにみてた客が、急に転げるように笑う時の快感を。

知名度があれば稼げる方法はいくらでもある、名前を貸すだけで舞台でちまちまネタをやるより比べ物にならない額を稼ぐ。

なにで稼ぎたいか、俺の場合はマイクを握ったおれのショーだ。6歳の僕が大人になるまで、しかし大人になるべきなのか、賢くなることは大人か。青いことは悪いことなのか。そんな自問自答を繰り返しながら今夜も喋って稼ぐ。いつかはマイクの前で億稼ぐ。僕が口にすることは子供の頃からいつも決まって「お前には無理だ」この言葉はもう聞き飽きた。そもそも、おれが漫才で食ってることもこうやって言葉を文字にし誰かに呼んでもらえることも奇跡の連続。ぼくは38歳でも中身は6歳。「38歳のボクが大人になるまで」をよければ見てくれたら嬉しい。じじいになったらじじいになったで、80歳のボクが大人になるまで、をやると思うけども。

おれは大人になるなる詐欺だな。。

しかしなにが言いたいってマイクの前で笑いを用いて言うべきことを言って稼ぐ、歌や握手で稼がない。そこがおれの境界線。

まあなにが言いたいかと言うとライブに来ておれの未来に投資してくれ、と。お返しは笑いと感動。その金握りしめてテキサスでパワーアップしてくる。


今夜の代々木公園独演会

今夜7月3日水曜

20時から-21時まで村本の独演会

4000円 受付で現金で

そのあと21時15分-22時15分までウーマンラッシュアワー でトークします

3000円 当日受付で現金で

プラスワンドリンクを店で頼んでください


7月4日水曜日 名古屋

ウーマンラッシュアワー村本の独演会

19時から20時(15分前入場)

チケット4000円(当日受付で現金で)

オルバースビルディング名古屋3階
愛知県名古屋市中村区名駅南1丁目19-27


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村本大輔

村本大輔 1980年生まれ ウーマンラッシュアワー という漫才師 定期的に独演会もやってます。 いつかここに書いた言葉を本に出来たら。

留めておく

コメント9件

にちょおけんじゅうへひにくって、まぁ、ばぁばあ、カミキリムシやな、きゃらろらいん、に、ぐれーときゃにおん、どんなんやっけいうんもありでしょうなあ。
得るものあるやつは馬鹿にせんスタイル、大事ですなア。。
笑いに関するまとめの遺書の様な感じがします。
「敵刺す」
敵は笑いなのでは
「敵射す」
そして的を射止める

ラブリー
大麻は本気で合法化すべき日本の急務だと思いますので、よくぞおっしゃってくれたと思います。
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