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菊地 真 ・ 萩原 雪歩 twin live “ はんげつであえたら ” プレビュー

 思い返してみるとあまりに唐突だったと思うこのライブの発表。MOIW2023でアイマスが3.0に改められ、xRの方向で何らかの施策が行われるだろうことは想像できたし、今までもMRやら各種配信での実績から765ASがそういった方向で登場することは十二分に予想できたとは思うが、こうも長い間の付き合いになっている真がドン!と取り上げられているイベントの発表の前に腰を抜かしてしまったのが実際のところだ。
 チケットを購入するときに通し券45,000円には舞い上がった勢いもさすがに冷静になり逡巡してしまったが、このイベント内容をもってここで金を使わなければ自分のアイマス経験上どこでお金を使うのだろうか?というまた別の冷静さをもってドンとお金を支払ったのであった。

 その後のあまりに充実したグッズ展開、いくつかの事前配信、新曲に限定CDのユニット新録など都合が良すぎる展開に十数年のんびりながら菊地真を応援してきてよかったという実感とともに期待感故の心配もあり、ミリオンAct-4に引き続いて無事に迎えられる前に勝手に緊張してしまっている。

・xRって何?

 事前の映像をみるに配信ではこの会場での映像を見る形になるのではないか?とは思う。ライブの“プログラム”を感じないモーションキャプチャーと事前の歌唱の組み合わせ、何より途中のMCなどでキャラクター感を前面に出すのは美希のShowroom配信だったり不定期にキャラクターが配信するという建付けの番組の延長線上にあたるだろう。

 ただし映像の上で認知をバグらせるようなはめ込みをできても現地においてはどのようにやってるのだろうか? かつてのMR STAGEでは映像でありながら小さい箱ならではのモデルのサイズ感、実際のダンサーと組み合わせたパフォーマンス、そして何より客席との対話が事前の技術への理解を超えた存在感を感じることができたが、今回の会場は一回り大きく、MRのように視点を破綻しない方向に規制するようなものもない。そういったなかで配信映像と同じようなあの背景のパフォーマンスに近しいものが現地でどのように見せられるのだろうか?
 モデルはたしかにぬるっとした手足の光の感じは家庭用やミリシタのモデルの光の処理に慣れていると違和感はあるけれど、レースの衣装なんかを見ると現地での見え方を優先したのかな?という感。

 過去のMRステージを出さなくともSideMやミリオンはMRのライブをやっているのでそれに近しいのだろう。でも何らかの新しいものが見れるのではないだろうか?というような勝手な期待感はもっていってもいいだろう。

・楽曲

 新曲は「まさか」の嬉しい予想外だった。コロムビアの765の枠がまだ生きていたんですね。最近のミリオンは普通にコロムビア楽曲の利用があるので基本はコロムビア楽曲ながらも「セピアカラフル」を全くの考慮の外にすることはできないかな。限定CDでは新曲のほかに「自転車」、「Kosmos, Cosmos」、「9:02pm」、「アマテラス」が収録でいずれも披露が濃厚!個人ソロ2曲は予想の範疇ながら「アマテラス」はかなり嬉しい。
 公演時間は1時間半程度が見込まれるので披露は各回十数曲程度だろう。うち1/3~1/2に楽曲の入れ替えがあり3公演で20曲程度の披露になるだろうか?

 聴きたい曲だけでいうならば最近の765楽曲の披露の場が新曲の披露が多かったSUNRICH COLORFULと合同のMOIW2024、カバーとしてミリオン10thAct-4とどれも方向が見通せた一方で、今回は歌唱が二人と限られていることもあり本当に久方ぶりの楽曲がそれなりに登場するのではないだろうか。もちろん何やっても嬉しいのは前提とした上でいくつか期待を込めた曲を挙げていく。

 何より個人的な期待としては「relations」が披露されるのではないかというのが気が気でならない。知ったばかりのアイマスの楽曲を深く掘るきっかけになったのが菊地真の歌声の「relations」で、この歌声での(M@STER VERSION)を探していくなかで色んな曲に出会ったからだ。(結局調べに調べて真の歌声のrelationsはゲーム尺しか世に存在しないことを知った。)雪歩と真では8bitのCDにリミックスも存在するが、ここで披露されたら十七年越しにはじめてアイマスで「聞きたい!」と願った曲を回収できるかもしれないのだ。特に第二幕の悲藍はそのテーマからかなり注意をしている。

 個人的な好みでいうのであれば「i」も同じだ。自分がアイマスを知った当初に熱にあてられたように聞き込んだ最初のアイマスらしい歌詞をもった全体曲ながら、ライブで聞いたことがあるのはMOIW2014のメドレー内とBGMとしてMOIW2015の最後に使用されていた時だけだ。以前今井麻美さんもSSGかどこかで喋っていたけれど、曲調の面でのアイマス全体曲っぽさの原典が「GO MY WAY!!」なら、歌詞の面でのアイマス全体曲っぽさの原点はこの「i」にあると思う。今回のライブのテーマとしては不一致だとは思うけれど触れておきたかった。

 いわゆる「ゆきまこ」のカップリングで言うならば「いっしょ」なんかも公演の最後に歌唱されたら爽やかでとても良いと思う。重々しい悲恋の方向では「tear」や「Little Match Girl」、ポップな方向だったら今までライブ披露がほとんどない「コーヒー一杯のイマージュ」も聴きたい。せっかくの機会ならぷちます屈指の名曲「ねがいひとつ」もやってほしいし、全体曲にあたる「i」を先に書いておきながら難しいとは思うが「Shy→shining」も…いやいや多くの予想にあるように「THE 愛」「LOST」「DREAM」の3部作は確実でしょ… などなど予想は尽きない。ただ、何をやってもきっと嬉しいと思う。

・おわりに。
 
かつてのMR STAGEの感動で覚えているのが終演後の社長あいさつが「 THE IDOLM@STER MASTER ARTIST FINALE」に収録されている「社長訓示」をなぞったものだったことだ。

 「君たちとならできる気がするのだ。新しいアイドルの形をつくりだすことを、新しい表現を、新しい何かを」

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST FINALE Track15 社長訓示 1:16~

 この言葉が新しい技術が披露された場で出されたときの説得力たるや。まだ今の765ASにあたる皆が「IM@S ALLSTARS」であった頃の言葉がもはや20年近く経過した今になっても生きている言葉であると実感させてくれる公演であるといいなあと本当に思う。