仕事に活きる、コミュニケーションの考え方

「コミュニケーションの質を高めましょう。」

今年の春、DMMの新入社員に向けてこんなメッセージを送りました。

最近のうちの新卒は、ほとんどがエンジニアやデザイナーです。彼らの仕事は(どんな仕事もですが)チームワークで成り立っています。良い仕事をするためには、社内外の“チームメイト”と円滑なコミュニケーションを取っていくことが不可欠です。

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ところで僕はマンガが好きでよく読むんですが、「コミュニケーション」を切り口にマンガのキャラクターを観察してみると、実にたくさんのことに気付かされます。

そんな流れで、今回はコミュニケーションをテーマに、オススメのマンガをいくつか取り上げてみたいと思います! 中には僕の無理やりな解釈もあるかもしれませんが、ご容赦ください(笑)

センゴク

時は戦国時代、稲葉山城の戦いで美濃・斎藤家臣だった仙石権兵衛秀久は織田信長に捕らえられ、その部下として織田家中に迎え入れられる。合戦に明け暮れる過酷な日々の中で権兵衛は、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康ら戦国時代の英傑たちの下で失敗と挽回を繰り返しながら成長してゆく。

戦国時代におけるコミュニケーションって、ある意味すごい直接的で、攻撃的です。「一歩間違えたら殺される」みたいなシチュエーションが多くて、いかにうまく立ち回れるかが問われてくる。

そんな世界で、戦国武将の下についてまわる「センゴク」は、どちらかというとコミュニケーションが苦手で、実はすごい不器用なタイプ。

でも不器用だからこそ、誰よりも素直で、結果的に周囲から信頼を得られたりもする。小手先のテクニックではない、彼なりのコミュニケーション術があるのが読んでみると分かります。

どんな相手とも真っ直ぐ向き合って、素直に接していくこと。

改めて意識してみると、少し恥ずかしかったり、あまり慣れてない人も多いかもしれないけど、現代のコミュニケーションにおいても とても大切なことだなと感じます。

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GIANT KILLING

達海猛(たつみ・たけし)、35歳、イングランド帰りのサッカー監督。好物は大物喰いの大番狂わせ=GIANTKILLING(ジャイアント・キリング)!!東京下町の弱小プロサッカークラブ、ETU(イースト・トーキョー・ユナイテッド)の監督に就任した達海が、意表をつく戦略とカリスマ性で、負け癖のついてしまった選手、スタッフ、そしてサポーターたちにパワーを送る!

監督の達海は、言葉は多くないけど「相手に考えさせる」コミュニケーションの取り方がすごい上手い。

選手に対しても、いきなり正解は言わない。まずはヒントを与えて、とにかく相手に考えさせることに徹する監督です。

その結果、どんな状況にも自ら考えて対応できる選手・チームが段々出来上がってきます。そういうことって会社でも大事で、みんなが能動的に考えて動いていける組織って、やっぱり強い。

監督(=上司)としては、“控え”の選手まできちんと見て、チャンスを与えていくことが大事だなと改めて気付かされます。マネジメントに携わる人には是非読んでみてほしい作品です。

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蒼天航路

中国の後漢末期〜三国時代の英雄・曹操を「最も人に興味を示した英雄」として主人公に据え、新しい解釈のもとで三国志の世界を描いた長編大作。キャッチコピーは「衝撃のネオ三国志」

主人公の曹操は、晩年に「唯才是挙(ゆいざいぜきょ)」を唱えて、出自や経歴で人を差別することなく人材登用を進めた人物です。

「ただ才のみ是れ挙げよ」
つまり実力や才能があれば、どんな人でも(たとえ悪人であろうと)登用していくという考え方。逆に才能がなければ、たとえ親族であっても無下に扱ったと描かれています。

当時の感覚で、それができるのってすごいことですよね。フラットに相手を見て、なんの先入観にもとらわれずにコミュニケーションをとることって、現代でも意外に難しいと思います。

ちなみに「唯才」という表現には、「学問」と「道徳」を分離して捉える意味も込められているそう。曹操のように、常に先入観にとらわれず物事に向き合える人になりたいものです。。

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クロサギ

すべては喰うか、喰われるか――詐欺に遭った父が起こした一家心中で、ただ独り生き残った青年・黒崎が、詐欺師を騙し返す‘クロサギ’となって立ち向かう戦慄サスペンス

幼少期に父が詐欺に遭い、家族と死別した主人公・黒崎は、詐欺師を憎み、次々と“詐欺師に対して”詐欺を仕掛けていきます。そこに時折詐欺師の情報を黒崎に流してくれる「親爺」というキャラクターがいるのですが、実はこの親爺こそが、黒崎の父に対する詐欺を計画した張本人であることが序盤に明かされます。そして黒崎自身も、そのことを知りつつ、親爺と付き合っていることも。

憎しみの感情に身を任せ、親爺に復讐を仕掛けることは黒崎にもできるはずですが、彼はそれをしない。むしろフレンドリーに親爺と接する黒崎の姿が描かれます。

何が言いたいのかというと、コミュニケーションは「相手に合わせて、投げるボールを変えていく」ことが大切だということです。自分本位に行動せず、相手の状況を考えて、コミュニケーションの“中身”を変えていく。

黒崎の場合は、復讐というボールを親爺に投げるのは「まだ早い」と認識して、相手に合わせた“違うボール”を投げる力がある。こういうことが出来る人が、「コミュニケーション能力が高い」と言えるのかなと思います。

ちなみに『クロサギ』は、企業に対して詐欺を仕掛けるシーンが多い。DMMで新しいサービスをリリースするときなどには「黒崎のような凄腕の詐欺師が、このサービスで悪事を企むなら何をするだろう?」と考えて、リリース前に対策を練ったりすることもあります(笑)。

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まだまだ取り上げたいマンガは尽きないのですが、今回は一旦ここまで!近いうちに続編を書いてみたいと思います。

皆さんのオススメマンガも、ぜひ教えてください!

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