絶対に成功する方法

絶対に成功せずにはおれない方法についてご案内申し上げます。

何かを成し遂げようとして頑張ってきたはずなのに途中で諦めてしまう人間がいます。せっかく情熱を燃やして努力してきたのに、どうして諦めてしまうのか、と傍で見ていて残念に感じられます。勿論、諦めるには本人しか知ることのない諸事情があるのでしょうが、でもほとんどの場合、諦め、は諦めることなどないのに諦めてしまう、本人の甘い人生観に根差しているような気が致します。

諦める、という選択肢は手前どもにはありません。これまでの人生は綱渡りでした。人生のどの場面でも、諦めたら今日の自分がないほどの崖っぷちの人生を生きてきました。

二十数年前ハワイで逮捕されて裁判にかけられて「370年の求刑」を受けました。諦めたら5回死んでも日本に帰ることのできないほどの極刑です。たかが、ビザ法違反で無期懲役以上の厳しい刑を受けるなんて納得できませんでした。また、諦めれば生きて日本に帰れなくなることへの無念がありました。諦めることは死ぬこと、の覚悟が、米国政府相手の裁判を戦い抜くことができたのです。

あの裁判の時に米国の弁護士に「アメリカは開拓の歴史以来、ファイトをしない者は生き残ることができない。生き残ることを目指すなら戦いを諦めてはいけません。」と教えられました。教えの通りに米国政府に屈服することなく戦いを挑んで、司法取り引きにより日本に帰還できるチャンスを獲得できたのでした。あの時に諦めて「もういいや」となっていたら、今頃はまだ米国刑務所でのプリズンライフの日々を送っていたに違いありません。

人生を振り返れば、それ以外に色々なことがありました。幸福な時も不幸な時も、まさしく禍福はあざなえる縄のごとくの人生の日々が訪れました。もう駄目だ、と死を覚悟しなければならなくなった状況に陥ったことは何度もあります。

フィリピンやスリランカでは撮影中に共産党ゲリラに狙われて追い回されました。倒産した時には借金をした相手から、深夜、群馬の山奥にあるダムに連れて行かれ、「ここから飛び降りてくれ」と懇願されたこともあります。飛び降りてくれたらそれで気持ちがスッキリするから、というのです。ここで死なずに生かしてくれたら、借りたお金の何倍も御礼をすることができる、と必至で説得して事なきを得ました。

ビニ本時代は歌舞伎町でヤクザに脇腹にピストルを突きつけられたことがあります。別のヤクザには拉致されて2日間監禁拘束されたことがあります。付き合っていた女性に包丁で切りつけられたこともあります。別の女性には一緒に死んで、と睡眠薬を渡されました。

数えれば恥しいほどの自業自得の修羅場を経験してきました。が、一度たりとも諦めたことがありません。諦めたら即ち、それは「死」を意味したからです。諦める、は肉体的な「死」というばかりでなく、精神的な意味でも「死ぬこと」を意味します。諦めてしまえば、心は干からびてしまいます。未来の夢を失った人間は生き甲斐喪失となって生きる屍となるのです。諦めない、のは諦めたら肉体的にも精神的にも社会的にも、全てを失うことになるから、諦める訳にはいかないのです。

諦めなければならないことがこの世に一つだけあります。


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