レビュー「名古屋の奥西菓折さんが凄いという話」ムラサキ

皆様、こんにちは。
本日は名古屋のインディーズシンガーソングライター
「 奥西菓折 」さんの素晴らしさについてご紹介申し上げます。

奥西菓折さんの全ての映像はnoteで活動しておられるTetsuさんが作成しておられます。
https://note.mu/theshadow

奥西菓折さんは名古屋のシンガーソングライターです。
機知に富んだキャッチーな歌詞。
親しみやすいポップなメロディライン。
コケティッシュ且つ気骨溢れるキャラクターが魅力です。

以前、拙の企画である「眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー」でも
「カッコつけても笑えない」という楽曲を紹介致しました。
https://note.mu/theshadow/n/n8ff37b7ad3cb?creator_urlname=theshadow

「顔を見せず会話を楽しむ人たちが書いた
 『括弧つけて笑はさむ』変な文字が流行ってるけど
 大事なことも笑い飛ばすなら
 そうね 文字を大事に
 正しい言葉の使い方で怒りをぶつけるとしよう」

と、note内の日陰で活動する私などには耳の痛い歌詞が鮮烈でした。
姿勢が大変鋭くていらっしゃる。
このように奥西菓折さんは無名無力を自称しながらも怒りを表明する人です。
世の中への憤りを自虐と諧謔に乗せております。
パンチの種類で言えばストレートです。
奥西さんはストレートしか知りません。
一種類の武器で直進します。
そのような真っ直ぐのメッセージ性が胸を打ち抜きます。

私が毎月編纂しているアンソロジーのテーマが当月は「猫」でした。
世の中に猫の歌が数ある中で、私が思い出したのが奥西菓折さんの本曲「食事の後に」でした。
奥西さんは可愛らしいですが気性も粗そうな猫属性の女性です。
要するに堪らなく魅力的です。
猫である奥西さんが愛犬家ひしめく現代社会で感じている隔絶感は相当でしょう。
少なくとも私は犬じゃないし、あなたでもない。という猫の声が聞こえてきそうです。
「食事の後に」
はそのような相容れないことの孤独がテーマになっています。
孤独に打ちひしがれる方を見て自称「優しい」社会は手を差し伸べようとしますが
その方の孤独を理解することはできません。
その行為は逆に孤独を増長させるだけかもしれません。
爽やかな笑顔でヒューマニズムを説く社会は斯くもお節介で欺瞞に満ちています。

「薬局のポイントすぐ溜まる
 今日も青汁の安いやつに交換しよう
 コップ一杯で一日に必要な野菜を摂る」

と本曲中で歌われております。
生きることが何と手軽な世の中でしょう。
必要な栄養はポイントでオートマチックに入手可能です。
そこに欺瞞があるのです。
奥西さんはやはり此処でも欺瞞に対して怒りを
そして孤独を感じているのです。

ここで唐突ですが、私のお勧めする
youtubeで聴ける奥西菓折さんの楽曲BEST3
の発表です。

1、カッコつけても笑えない
前述の曲です。名曲です。

2、その男、星になれず
https://youtu.be/QEFiB_2zDDs(youtubeライブ盤)
https://note.mu/theshadow/n/nfc324e60da90(note内のTetsuさんの記事)

「この世の終わりを予言したのは独りで死ぬのが嫌だったからか
 医師であり星を愛した男が詩人だったなんて本当かしら」
と歌いだされます。
医師であり終末を予言したのは昭和人にはお馴染みのノストラダムス氏です。
世紀末を叙情的に解釈するこの手腕。大変見事なリリックです。

3、頑張っていこう!
https://youtu.be/jvks_jCZeao(youtube)
https://note.mu/theshadow/n/n9d4f46c982e8?magazine_key=mfdc100e809f8(Tetsuさんの記事)
しっとりしたピアノ曲から途中で始まる轟音ギター。
テンションが爆発したディストーションがこれでもかと鳴り響く叙情。
「今が一番辛いなどとてつもなく残念な事だ
 ならばな 耐えねばな
 訊かれるままに話したら泣いてもないのに励まされる
 花向けのようで違うと言えず 涙が止まらない」
という叫び。
人は「頑張らないといけない」という強迫観念の中で暮らしております。
周囲の人たちは「頑張らなくても」と仰いますが
「そんな甘い事言っててどうするんだ」と反駁する世代です。
人の事情も知らずに頑張らなくても良いとか簡単に言ってくれるな、と。
頑張らなくてはいけないし、それで苦しむなら苦しまなければいけない。
愚直に進むしかない硬派な道程です。
格好良いですね。
感涙必至です。

4、食事の後に
今回ご紹介した曲です。
私の企画しているアンソロジーはnoteユーザー様の作品から
抽出してまとめておりますが、
今回はどうしてもこの曲が使いたく、
製作者であるTetsu さんの記事を探したのですが何故か紹介記事がないのです。
Tetsuさんに連絡して、本曲を紹介する記事をnote内で作ることの許諾を頂きました。
快いお返事ありがとうございます。

と、勢い余ってBEST4になってしまいました。
MVを観た方はお気づきでしょうが、
奥西さんのトレードマークは着物とエレキギターです。
着物というのは様式美の真骨頂で、つまりは型です。
ボディライン(個性)など無く、スタイル(型)しかありません。
この型に身を押し込めて硬派に徹すること。
この強さ、或いは強くあろうとする姿勢に惹かれます。

奥西さんの公式ホームページ「奥西製菓」は
昨日、yahooジオシティーズの閉鎖によって消滅してしまいましたが、
ブログは活発に続いております。

奥西製菓の新装開店を待っております。

「私は奥西菓折さんを応援します。」

豆知識ですが
奥西菓折さんを入力する時は「菓子折り」と打って「菓折」にすると早いですよ。

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私華集「猫【the cat】眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー」編纂に寄せて。
ムラサキ
#音楽 #ネムキリスペクト #眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー #奥西菓折 #名古屋 #シンガーソングライター