書評「JavaScript コードレシピ集」

JavaScript コードレシピ集
株式会社ICS 池田泰延 (著), 株式会社ICS 鹿野壮 (著)
単行本(ソフトカバー): 608ページ
出版社: 技術評論社 (2019/1/25)
言語: 日本語
ISBN-10: 4297103680
ISBN-13: 978-4297103682
発売日: 2019/1/25
値段:2,980円+税(3,218 円)

今回は、つい先月に発売されたJavaScript コードレシピ集についての書評を行っていきたいと思います。この本は、株式会社ICSというインタラクションデザインを専門とする社員の方が書かれた一冊です。実績があり信頼性の高い本で、中身を確認せずに購入したほどです。


上記のように池田さんもツイートで述べている通り、執筆に2年近くかかったまさに渾身の一冊で、非常に分厚く、重く、洗練されており、質・量ともにオライリー並の高品質な書籍で、同じ本棚に並んでいる類似のレシピ本をはるか後方に置き去りにする珠玉の一冊です。本屋で同じ棚に陳列されている類似のレシピ本は覚悟した方が良いでしょう。近くに置いてあると間違いなく売上が減ることになります。


さて。この本の真の価値は、最新のECMAScriptに対応している点で、この点は他のどの本も情報が追いつくか古くなるまでは追随できない価値になります。Javascriptは2015年から何度も大きなアップデートを繰り返しており、書籍では出版した時点で情報が止まってしまうため、この点は大きなアドバンテージになります。そのため、この本では最新機能の説明も掲載されており、逆に必要性の薄い機能の説明は省略されています。


一般的にレシピ本は、コーディングが苦手な人のためにコピペコーディングを行えるように難易度はやや易しめに書かれていることが多いです。この本も難易度は易しめですが、上級者向けのレシピも含まれており、ターゲットユーザは初心者~上級者まですべての層をカバーします。特に最後の17章~19章は上級者向けのレシピであり、プログラミングの深い知識がなければ理解することは難しいでしょう。しかし、逆に初心者までもカバーしており、Javascriptの基本(コードの書き方)が40ページ以上に渡って解説されており最初の一歩の本としても十分に価値があります。オライリーの分厚く詳解なJavascript本で勉強するよりも、こちらの本の方が挫折せずに効率的に学べることができるでしょう。


価値はまだあります。もっとも驚いた点のひとつですが、この本は全ページフルカラーであり、サンプルコードのシンタックスハイライトが有効になっています。フォントもコード用のフォントが採用されているため、他のレシピ本と比べて視認性が非常に優れています。サンプルコードは短めなコードが多く、レシピ本によくある何ページにもわたってコードが書かれているようなこともありません。要点を絞ってコンパクトにまとめられているため、理解しやすくなっています。


それでは肝心のレシピの内容ですが、実用的かつ網羅的なレシピとなっています。もっともよく調べられているようなレシピが網羅されており、この本を持っていれば当面はインターネットで調べなくてもいいかもしれないレベルで網羅されています。レシピはカテゴリ別に整理されているため、レシピを探す場合や、類似のレシピを探す場合に迷わないよう工夫されています。


総合評価としては、圧倒的なボリュームと品質と網羅性、そして全ページフルカラーでありながら3,000円は安いと感じられるほどの本に仕上がっています。良質な情報には値段以上の価値があると言わんばかりの良書です。欠点も書こうと色々探したのですが、重いこと以外の欠点が見つかりませんでした。Javascriptのレシピ本で悩んでいるのであれば、この本を1冊だけ買っておけば良いでしょう。

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むらしゅん

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