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【うたかたの日々のために。】No.22 「生きていたんだよな」


 『あいつが生きていたことを、もうほとんど、誰も覚えていないんじゃないかな』と、ふと思ったら、なんだか寒気がして、ぐっと感情が込み上げてしまったので、心を鎮めるためにこの文章を書いている。僕は今、新宿にある、できたてのオフィスで独り、自分の仕事をやっている。オフィスの空気を暖める空調の音と、歌舞伎町を行き交う車の音と、iPhoneから流れるあいみょんの「生きていたんだよな」が耳に入ってくる。きっと、曲の歌詞に引っ張り出された記憶なんだろうと思いながら、やはり歌や言葉にはたしかな力があるんだ、と感じた。歌舞伎町では、2018年の年末だけでも十数件の飛び降り自殺や未遂があったらしい。そんな話を最近したことを思い出した。人知れず死んだ人間の人生にも、読み解き切れないくらいの物語が詰まっていたはずだ。そう、あいつはたしかに生きていたんだ。俺はまだ、ちゃんとお前のことを覚えているよ。だから安心しろよ。(狭井悠)


《今日のぼんやり》

 今日もこうして、無事に文章を書くことができて良かったです。

 また、この場所でお会いしましょう。

 それでは。ぽんぽんぽん。


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