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【今日のnote】「#dearMoon」宇宙の片隅にいる小さな僕にできることは、たくさんの手紙(文章)を書き続けること以外にない。


 どうも、狭井悠です。

 毎日更新のコラム、104日目。


 ここ最近、世界の理(ことわり)を司る「何か」が、急激に動き始めている印象を受けます。

 たぶん、あえて言語化しなくとも、感覚的に、大きな流れの変化を無意識のうちに感じている人は、意外と多いんじゃないだろうか。

 今は、まさに、時代の流れが切り替わるタイミングです。

 来年には、次の元号に代わり、明治や昭和のように、僕たちの生きた平成という時代は、過去のパッケージとしてラベリングされ、歴史の流れの中に忘れ去られていきます。

 一方で、デジタルな革新は今後も指数関数的なスピードで続き、もっと遠くまで、僕たちを連れて行くことでしょう。近い将来には、シンギュラリティだって、本当に起こるかもしれない。

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人工知能が発達し、人間の知性を超えることによって、人間の生活に大きな変化が起こるという概念を指します。 シンギュラリティという概念は、人工知能の権威であるレイ・カーツワイル博士により提唱された「未来予測の概念」でもあります。

 それに伴い、時代を象徴するような方々との多くの別れがあり、人間が到底コントロールできない未曾有の災害が立て続けに起こったり。

 じわじわと心揺さぶられるような出来事が、良くも悪くも重層的に積み重なって、少々つかれたり、不安を感じたり、壁にぶつかっているような気分の人も多いかもしれません。


 そんな中、歴史的な発表が、先日行われました。

 それが、「#dearMoon」プロジェクトです。


#dearMoonとは、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」などを運営する株式会社スタートトゥデイ代表取締役社長の前澤友作さんがホスト・キュレーターとして、各界を代表する世界的なアーティストと共にSpaceX社の超大型ロケット「BFR」で、1週間かけて月と地球を周回飛行し、月と丸い地球を見て受けたインスピレーションをもとに作品を創作してもらおうというアート・プロジェクト。「月と丸い地球からインスピレーションを受けたアーティスト達が生み出す作品を、人類の財産として後世に残したい」という想いをもとに「人類のためのプロジェクト」として始動された。

『パブロ・ピカソが月を間近に見ていたら、どんな絵を描いたんだろう。
ジョン・レノンが地球を丸く見ていたら、どんな曲を書いたんだろう。
彼らが宇宙に行っていたら、今の世界はどうなっていたんだろう。

私たちには、想像力と創造力があります。
まだ一度も見たことのないような夢を見ることができるかもしれない。
歌ったことのないような歌が歌えるかもしれない。
描いたことのないような絵が描けるかもしれない。

このプロジェクトが皆さまの夢を拡げるきっかけになることを願っています。

地球を代表するアーティストと共に、皆さまより少しだけお先に月に行ってきます。

#dearMoonホスト・キュレーターとして、
このようなチャンスに恵まれたことを大変誇りに思います。

BFRでの月周回飛行プログラムを提供くださるイーロン・マスクさんと
SpaceX社の皆さま、そしていつも僕を支えてくださる全ての関係者の皆さま、本当にありがとうございます。

このプロジェクト必ず成功させます。
楽しみにしていてください!』

#dearMoon Project Host Curator
Yusaku Maezawa

#dearMoon公式HPより引用


 milieu編集長の塩谷舞さんも昨日、同プロジェクトについて、コラムで詳しく触れていました。


 以下の動画は、#dearMoonプロジェクトのムービーです。


 ううん、良いですねえ。

 わかりやすく、時代が動いていることを体感できるムービーです。

 このムービーを観ると、なんだか、子供の頃に映画「トータル・リコール」を観たときのような、圧倒的な未来観を感じます。

トータル・リコールとは、1966年にフィリップ・K・ディックが発表した短編小説「追憶売ります」(We Can Remember It for You Wholesale)を原作とするSF映画。近未来、火星の夢にとりつかれた一人の技師が、夢による疑似体験を受けようとした事から何者かに命を狙われ始め、今の記憶が植え付けられた物である事を知った男が本当の自分を探すため火星へと飛び立つストーリー。


 でも、「#dearMoon」プロジェクトは、現実の話なんですよね。つまり、僕たちは、まるで近未来の夢物語のような世界に生きているわけです。


 このプロジェクトの実現に向けた動きを受けて、milieu編集長の塩谷舞さんは、以下のように想いを綴っていらっしゃいました。

個人的な話をすれば、私はニューヨークという可能性が渦巻く都市で、日本人アーティストやクリエイターたちのレジデンスをサポートしたいと考えていた。
(中略)
しかし、「一緒に月に行きましょう」と言っている人がいる今の時代で、本当に私のやりたいことは時代に合ってるのか?頭をぶん殴られた気分だ。トップクリエイターになるためにニューヨーク留学…という価値観はもう、前時代的かもしれない。正直に言えば、めっちゃ悔しい。だって今日のテクノロジーはもう、私たちを月に運ぶ準備が出来ているのだから。そりゃあそれが、パトロンとして一番クールな方法だ。地球最高にクレイジーで贅沢なパトロンによる、アートプロジェクト。 #dearMoon - milieu(ミリュー)


 おっしゃるとおりというか、前澤友作さんの行っている「#dearMoon」プロジェクトの規模は相当のものであり、正直、誰も敵わないと言わざるを得ません。

 約700億円ものお金を、「芸術家と月との大いなる邂逅」によって生まれるインスピレーションのためだけに使おうというのですから、これは壮絶な試みです。

 しかも、無事に帰ってこれる保証もない。まさに、命がけの施策であり、芸術の発展を使命と心得た者だけが成せる所業だと言えるでしょう。


 ちなみに、ちょうど最近、「良い文章は大いなる邂逅から生まれるのではないか」という考察を書いていたので、なんだか感慨深いものがありました。

 月と間近に邂逅することができたとしたら、小説家や文筆家はいったい、どんな文章を書くんだろうなあ。


 ぜひとも「#dearMoon」プロジェクトでは、画家、音楽家、映像作家、ファッションデザイナーだけでなく、小説家・文筆家も同乗させてほしいと願います。

 文章はいつだって、あらゆる芸術の根幹を支えてきました。

 パブロ・ピカソの側には友人として小説家のジャン・コクトーがいたし、ジョン・レノンの創作にはジャック・ケルアックの青春小説「路上/オン・ザ・ロード」からの影響がしっかりと根付いています。

「月との大いなる邂逅」においても、小説家・文筆家にしかできない仕事は必ずあるはずです。

 前澤友作さんにはぜひとも、その点も留意いただいたうえで、「#dearMoon」プロジェクトには、文章を書く人間も必ず同乗させるような人選をしていただければ、と、物書きの端くれとして、僕はおこがましくも願っています。


 さて。

 そんなわけで、歴史を動かすような「#dearMoon」プロジェクトが動いている中、これからの自分ができることについて、考えてみました。


 宇宙の片隅にいる、小さな僕にできること。

 それは、たくさんの手紙(文章)を書き続けること以外にない。


 これに尽きるなあ、と、改めて思いました。

 結局、物書きは、文章を書く以外に能がないんですよね。

 どれだけ歴史が動くような驚くべき出来事が起こったとしても、書き続ける以外に、物書きが物書き足り得る方法はありません。

 だからこそ、宇宙の片隅にいる小さな僕はこれからも、たくさんの文章を、宛のない手紙を書くように、ひたすら書き続けて、世界にコミットしていこうと考えています。


 2018年9月19日現在、前澤友作さんの牽引する「#dearMoon」は、僕にとっては、まるで雲の上で行われているような、驚くべき規模のプロジェクトです。

「#dearMoon」プロジェクトなんて、自分の人生には関係がないんだ、と言ってしまえば、それまでかもしれない。

 しかし、月と僕は、決して無関係ではありません。

 月からは、いつも、生きる上での大切なインスピレーションをもらってきました。

 だから、僕は僕なりに、地球から見える月を眺めながら、「#dearMoon」プロジェクトの成功を祈り、これからも変わらず、たゆむことなく、真摯に文章を書き続けていこうと思っています。


 2023年、地球を代表するアーティスト達が月へ向かう。

 そのとき、僕は、あなたは、何をしているだろうねえ。

 何だか、楽しみだね。引き続き、頑張っていきましょう。


 今日もこうして、無事に文章を書くことができて良かったです。

 明日もまた、この場所でお会いしましょう。

 それでは。ぽんぽんぽん。

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