有料noteで黒字を出すにはツイートをどれくらい拡散する必要があるのか
この記事は、note記事作成の実質人件費と、先日出した記事の売上やインプレッション数などを分析し、有料noteで黒字を出すならツイートをどれくらい拡散させるべきなのか(=インプレッションがいくら必要なのか)、ということを検討したものです。
概要
先日アップした「社会人からなんとかがんばって予備試験に1年で合格した体験記」ですが、みなさんのおかげでたくさんの人に読んでいただくことができました。
本当にありがとうございます!
とはいえ、記事にも書いた通り、体験記は「めちゃくちゃ少額でもいいから自分のアウトプットで売上をつくってみよう!」という考えで作っており価格はかなり低めにしました。
記事を作成するのにかかった作業時間からすると、「儲かった」と言えるような結果ではありません。
「売上をつくる」という目的は無事に達成することができましたが、1回作って発信してみたらいろいろなことが分かったので、これから有料noteを作ろうと考えている人の参考として、有料note販売結果の分析をしてみたいと思います。
有料noteの利益
有料noteの利益は、以下のように仮定します。
先日の体験記の結果をもとに、各項目について説明していきます。
実収入
実収入は、有料noteの販売によって自分が現実に手にする金額です。
具体的には、以下のように分解されます。
売上は、設定したnoteの価格と売れた数で決まります。
今回の記事は298円に設定し、ちょうど1週間後の7月2日夜時点では277人にご購入いただいております。
noteを公開してからまだ1週間で、そのほとんどは公開当日or翌日の売上ですが、現時点でも少しだけ売上が伸びていますので、最終的にはおよそ300人にご購入いただけると想定します。
そうすると、最終的な売上は89,400円となります。
手数料率は、クレジットカード会社に支払う決済手数料と、noteの運営会社に支払うプラットフォーム利用料の合計となります。
決済手数料は売上の5%です。
プラットフォーム利用料は売上から決済手数料を引いた残りの10%であるため、売上に対しては9.5%発生します。
したがって手数料率は14.5%となります。
※本当はクレジットカード決済以外にも携帯キャリア決済やpaypay決済があり、そちらはもう少し決済手数料が高いのですが、大多数の人がクレカ決済のようだったので話の単純化のために省略しています。
以上をまとめると、今回の私の実収入は76,437円であることが分かります。
仮想原価
noteの作成は通常ならば費用がかからないので、実費としての原価は0円です。
しかし、実際には自分の時間を費消してnoteを作成しているわけで、「作業時間に見合った売上が上げられているのか?」ということを考慮すべきです。
そこで、noteの作成には自分の時間単価と作業時間により仮想の原価が発生している、という仮定を行います。
時間単価の設定方法には色々な考え方があると思いますが、今回は会社員からイソ弁になる場合、年収いくらあれば時給が保てるのか?の記事にて算出した「年収800万円の会社員の時給は概ね3,890円/時間」という値を使って検討します。
ここの時間単価については、これから有料noteを書くみなさんの状況に合わせて変えていただくのがよいでしょう。
例えば、大学生なら普段やってるバイトの時給を当てはめて原価を算出すれば、「バイトをするのと有料noteを書くのとでどっちが時給がいいのか?」という比較をすることができます。
会社員が副業目的で有料noteを書くなら、自分の会社での残業時間単価を当てはめて原価を算出することで、「残業するのと有料noteを書くのとでどっちが時給がいいのか?」という比較をすることができます。
どう設定しても多少は曖昧さが残る項目ではありますが、何か自分で納得のいく値を決めて検討していただくのをお勧めします。
作業時間について、今回はざっくり40時間かかっています。
そうすると、今回の記事の仮想原価は155,600円となります。
収支の結果
これらの検討からすると、有料noteの利益は、-79,163円だったということになります。
ツイートのインプレッション
note完成後、宣伝のために上記のツイートをし、たくさんの方にツイートを見ていただくことができました。
私のフォロワーはざっくり1400人くらいなのですが、多くの方がいいねやRTで協力してくれたおかげで、49,880インプレッションまで到達することができました。
今回の分析で一番面白いのは、「このツイートを見た人の何%が有料note購入にいたったのか?」という検討です。
この1週間後のツイートの時点で、noteは277個売れています。
そうすると、このツイートのCVR(Conversion Rate、ツイートを見た人が購入に至る確率)は約0.56%だということが分かります。
さらに細かく分析すると、このツイートからnoteを開く確率は3.98%で、noteを開いた人がnoteを購入する確率は13.95%であることも分かります。
なお、細かく言うとnoteを購入していただいた方には、このツイートを見たわけではなくnoteを周遊してたらたまたま私の記事を見つけて購入した方も存在する可能性があります。
ただ、私のnoteはこれまでさほど稼働がないのでそのような方はごく少数であろうと判断して、話の単純化のために省略しています。
ちなみに、販売当日のCVRは0.67%くらいあったのですが、徐々に低下して1週間後には0.56%になりました。
ツイートは自分の身近から徐々に遠い人に広がっていくため、CVRは時間とともに低下していくものと思われます。
黒字にするにはどうすればよかったのか?
この結果を踏まえて、「じゃあどうすれば黒字にできたのか?」ということを分析していきます。
仮想原価はどうすべきだったか
今回、けっこうダラダラと作ってしまったせいで、作業時間が40時間もかかってしまいました。
もっとちゃんと書くべき内容を整理してから取り組めば、×0.8の32時間くらいでもできたかもしれません。
そうすると、仮想原価は以下のように修正されます。
売上はいくら必要だったのか?
仮想原価が124,480円なら、黒字を目指すには124,480円以上の実収入を獲得する必要があります。
実収入で124,480円を獲得するには、手数料率を加味して145,590円の売上をあげる必要があります。
販売価格はいくらにすべきだったのか?
売上はnote価格×販売数という二つの要素で決まるので、それぞれをどうしていくか考える必要があります。
今回は298円というだいぶ安い値付けをしました。
もうちょっと高くてもよかったかもしれませんが、当然のこととして価格を上げれば上げるほど購入者は減りCVRは下がっていきます。
しかし、今回の記事は「社会人から~」というタイトルのとおり、社会人にフォーカスした記事となっています。
社会人の金銭感覚なら、300円~500円の範囲内での価格差は誤差としてとらえられ、その程度の価格差はCVRにほとんど影響しないかもしれません。
そのことに期待すると、CVRを保ったままでも498円までは価格を上げることができたのではないかと推定します。
販売数はいくつ必要なのか?
498円のnoteで145,590円の売上を上げようとすると、単純に293個販売する必要があります。
宣伝ツイートのインプレッションはどの程度必要なのか?
noteのCVRが0.56%なので、293個販売するには52,321回のインプレッションが必要となります。
結論
これらの検討結果からすると、今回の私の有料noteは、「もうちょっと集中して32時間以内に作り上げて、価格を498円にして、なんとかあと3,000回多くインプレッションを稼げていれば、作業時間を考慮しても黒字になった」ということが言えそうです。
「どうやったらインプレッションを増やせるのか」というのが一番難しい問題になりそうです。
フォロワーが5万人いる人はほとんどいないと思いますので、基本的にはRTの連鎖でなるべく多くの人の目に触れるように仕掛けていくことになります。
なるべく知人などにRTを頼むとともに、ツイートが拡散しやすい土日の20時~22時頃を狙ってツイートする、目を引く文言を盛り込むなどの工夫が必要になるでしょう。
別の手段として、Twitterプロモーションに課金してツイートを拡散するという方法も、検討の余地があります。
今回、noteを開いた人のCVRは約14%だったので、100人がnoteのリンクを開けば14人が購入し6972円の売上が上がり実収入が5951円得られることとなります。
そうだとすると、Twitterプロモーションのリンククリック単価が59円/クリックよりも低ければ、Twitterプロモーションはやった方が得だということになります。
CVRを算出するとこういう広告にいくらまでお金を出せるのか推定できるようになるので、いいですね。
まとめ
今回は、前回の有料noteで黒字を出すにはどうすればよかったのかという分析をしてみました。
Twitterプロモーションについても触れましたが、まだあまり詳しくないので引き続き勉強してみようと思います。
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