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成功事例を楽しくシェアする「ドヤ会」で組織実行力が強まる理由

こんにちは、マーケターのムロヤ(@rmuroya)です。

私はマーケティング部門の組織力を高める取り組みをいろいろ仕掛けていまして、そのなかでもマーケティングではとくに知識は力なので、「ナレッジマネジメント」は重要視しています。会社の知的資本をどれだけ増やせるかです。

独自に開発した取り組みとしては、隔週で開催している「ドヤ会」というちょっと変わった成功事例共有会を紹介したいと思います。

このGinzaMetricsのSEOセミナーに登壇したときの発表スライドでも軽く紹介していました https://www.slideshare.net/rmuroya/seo-82945877


Q:まず、なんで「ドヤ会」という名称なのか

A:「成功事例共有会」という名称だと堅苦しくて、つまらないイメージになるためです。「ドヤ会」と呼ぶと、「自分の成功事例をドヤれる場」という承認の場の意味合いが強くなりますし、なによりキャッチーなワードの方が面白さやカジュアル感が演出できるからです。この会の目的はナレッジシェアリングなので、その名称は手段のひとつ。このように設計した背景があります。


ドヤ会の進め方

■ルール

・隔週で実施。テーマはその時々で変更する。

・1回あたり40分から60分ほど

・参加者は4〜6名ほど

・ゲスト参加もアリ

・事前にドヤ会用のスプレッドシートに、各々の成功施策を書き込む

・dis禁止

■会の実施の流れ

① まず、発表順を公正にジャンケンで決める

② 勝った人から、成功事例を「施策、仮説、インサイト、ファクト」の共通のフレームワークを用いて発表する(1〜3分ほど)

③ 発表後、ファシリテーター役が「おめでとうございます!」と伝え、皆で拍手する

④ 聴衆の一人ずつから「成功事例を共有してくれたことの感謝の言葉」と、「気づきや学びとなった点」のフィードバックのコメントをする

(1人1分ほど。「その施策、私だったらこうした」、というマウンティングドヤも歓迎)

⑤ フィードバックのコメントが終わったら、「おめでとうございました!」と〆る(&拍手)

⑥ 以後、②のプロセスを繰り返す


というものです。

慣れないうちは、ファシリテーター役の人が、③の直後に「こんなポイントが驚きでしたね」だったり、「今回の事例はこのようなフレームワークでも整理できそうですね」とコメントをすることで、フォーカスしてほしい思考のポイントを示してあげると、ナレッジシェアが盛り上がります。


ドヤ会の良いところ

ドヤ会は、良いところがたくさんありまして、ざっとあげてみると…

ーーー

■発表側として

・自身の成功を承認してもらえる機会になり、エネルギーが充電できる(シンプルに「気持ち良い」)

・自分が立案した施策に対して、多くの他者からのフィードバックを得られるので、「次はこの視点でやってみよう!」とさらなる改善につながる

・成功事例を共有する場が定期的に発生するこで、「その期間までに成功事例をつくろう!」というエネルギーが生まれやすくなる(結果として、実行数も自然と増えやすくなる)

・振り返りの機会が設けられることで、「なぜ成功したのか」を分析する必要性が生じ、言語化させることで、再現性のある法則性を抽出できる

■聴衆側として

・成功事例について、施策立案に至る仮説や、インサイト・ファクトをプレゼンされるため、その施策立案に至った思考回路も覗くことができる

・他者と自身の気づきのポイントの違いを知ることで、複眼的な視点が身につく

■組織として

・個々の暗黙知を表出させ、さらに発表の場を設けて形式知にさせ、組織知に転換する仕組みとなる

・成功事例の共有が当たり前の文化になって、施策の横展開が促進されたり、自主的なナレッジシェアがされるようになる

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というもので、実施には1時間ほどかかったりエネルギーがいる取り組みですが、PDCAサイクルの質・量カイゼンにもつながったり、ナレッジシェアの文化にもつながり、その効果はテキメンです。

施策の横展開も盛んになりますし、気軽に施策について相談したり共有するコミュニケーションも自然発生しやすくもなります。

あと、なにより運営していて楽しいです。参加者みんなも楽しく学べる場になります。



ナレッジシェアリングに堅苦しさなんていりません。真面目くさって形式だけ整えてナレッジ共有が機能しないくらいなら、少々ふざけてナレッジ共有をフル機能させる方が何倍も良いです。

組織のナレッジシェアの取り組みとして、この「ドヤ会」を参考にしていただければ嬉しいです!


※ちなみに「懺悔会(失敗事例共有会)」もあります。

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