Atrial functional MRへのMitraclip:JACC Cardiovasc Interv.2022 Sep 12;15(17):1731-1740.

Transcatheter Edge-to-Edge Repair for Atrial Secondary Mitral Regurgitation

Tetsu Tanaka et al.

JACC Cardiovasc Interv.2022 Sep 12;15(17):1731-1740.

PMID:36075644

要旨

この研究論文は、予後が悪い二次性僧帽弁逆流(SMR)の亜型である心房性二次性僧帽弁逆流(ASMR)の治療に対する経カテーテルエッジ・ツー・エッジ修復(TEER)の有効性を検討しています。ボン心臓センターでMitraClip治療を受けた患者の後ろ向きのデータを分析し、ASMRの基準を満たす患者に焦点を当てています。主要なアウトカムは、僧帽弁逆流(MR)の≤1+への低下です。結果は、ASMR患者の79.7%が主要なアウトカムを達成し、このアウトカムを達成するための重要な要素は、MitraClipシステムの新世代の使用であることを示しています。

研究者たちは、左心房容量指数が小さく、尖弁・輪郭指数が高い患者がTEER後にMRを大幅に低下させる可能性が高いことを発見しました。また、この研究は、MitraClipの新しいバージョン(NTR/XTRまたはG4システム)がMRの大幅な低下と関連していることを強調しています。

この研究は、ASMR患者に対するTEERが安全で有効な治療法であることを示しています。特に、左心房容量指数と尖弁・輪郭指数の評価の重要性について、TEERの患者選択に対する貴重な洞察を提供します。

この論文は、ASMRの治療におけるTEERの有効性についての理解を深めることで、既存の研究に貢献しています。以前の研究ではASMRの予後影響が示されていましたが、治療選択肢は限られていました。主に、患者の合併症の負担が重いためです。この研究は、特にASMR患者に焦点を当てて、より侵襲性の少ない治療選択肢であるTEERとMitraClipシステムの有効性についてのさらなる証拠を提供します。また、この治療法の成功に対する新たな予測因子、すなわち、左心房容量指数と尖弁・輪郭指数を導入し、MitraClipシステムの新世代の有効性を強調しています。

Abstract

背景
心房性二次性僧帽弁逆流(ASMR)は、SMRの亜型であり、予後が悪い。そして、これまでにASMRの治療選択肢についての確固たる証拠は限られている。

目的
本研究では、ASMRに対する経皮的エッジ・ツー・エッジ修復(TEER)の有効性を調査することを目指しました。

方法
本研究では、ボン心臓センターでMitraClip手術を受けた患者を連続して後ろ向きに分析しました。ASMRは以下のすべての基準を満たす症例と定義されました:1)有機的な障害がない正常な僧帽弁尖端;2)左心室駆出率 >50%;及び3)LVの拡大と局所異常の欠如。主要なアウトカム指標はMRの減少を≤1+とし、その予測因子はロジスティック回帰分析で探索されました。

結果
SMR患者415人のうち、118人がASMRの基準を満たしました(平均年齢80 ± 8歳、男性39.8%)。技術的成功率は94.1%で、TEER後のMR減少を≤1+としたASMR患者94人(79.7%)で達成されました。院内死亡率は2.5%でした。多変量ロジスティック分析では、大きな左心房容積指数と低い尖端-輪間指数は、ASMRに対するTEER後のMR減少を≤1+にする発症率と関連していました。さらに、MitraClipシステムの新世代(NTR/XTRまたはG4システム)の使用は、MRの減少を≤1+にする発症率と関連していました。

結論
TEERは、ASMR患者に対する安全で実行可能な治療選択肢です。左心房容積指数と尖端-輪間指数の評価は、ASMR患者のTEER選択に役立つかもしれません。

主要関連論文

  1. COAPT (Cardiovascular Outcomes Assessment of the MitraClip Percutaneous Therapy for Heart Failure Patients with Functional Mitral Regurgitation) Trial - It sheds light on TEER reducing adverse events in a subgroup of patients, which corresponded to the features of ASMR.

  2. Research on the development and effectiveness of various generations of MitraClip systems.

  3. Previous research papers discussing the prognostic impacts of ASMR.

  4. Studies reporting on clinical and echocardiographic results of surgical repair for ASMR.

  5. The EVEREST II (Endovascular Valve Edge-to-Edge Repair Study) trial: This was a comparative study between transcatheter and surgical therapy, demonstrating the safety and efficacy of MitraClip use in patients with mitral regurgitation.

  6. The MITRA-FR (Percutaneous Repair with the MitraClip Device for Severe Functional/Secondary Mitral Regurgitation) trial: A study that investigated the effects of MitraClip use in patients with chronic heart failure with severe secondary mitral regurgitation.

  7. The RESHAPE-HF2 (A Randomized Sham Controlled Study of Percutaneous Mitral Annuloplasty in Chronic Functional Mitral Regurgitation) trial: This study explored the safety and effectiveness of percutaneous mitral annuloplasty.

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