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どうしてベルーナドームでライブするの?

本編の「なぜ西武ドームはあそこにあるのか」(仮称)まで温存しようかとも思いましたが、この際だから書いてしまいます。

寒い、暑い、遠い、周りには何もない、虫、花粉
ベルーナドーム(西武ドーム)に対して浴びせられる常套句の数々

ではなぜわざわざそこまで言われるベルーナドームを使うのでしょうか。
本編の方では西武グループ側の目線から書いていきますが、今回はイベント主催者側の目線で見ていきます。


①キャパの割に安い

最大の理由はこれに尽きるんですよね。
ライブ開催時に最大40000人(公称/輸送実態から実際には30000~35000人程度)できる会場であるにも関わらず、相場よりもかなり安い金額で借りることができます。

東京近郊のハコのお値段知ってますか…?

ここで知ってほしいのが、東京近郊のハコの中でいかにベルーナドームが安いのかということ

東京近郊1万前後以上収容イベント会場の収容人数・料金表

出典
コンサートをする - ベルーナドーム | 西武ドーム【西武グループ】 (seibulions.co.jp)
※準備日料金はhttps://www.seibulions.jp/stadium/rental/event.html より(リンク切れ)
幕張イベントホール使用料金表.indd (m-messe.co.jp)
メインアリーナ | 東京体育館 | 公益財団法人 東京都スポーツ文化事業団 (tef.or.jp)
1675220467.pdf (ryogoku-kokugikan.jp)
会場利用料金表 (pia-arena-mm.jp)
国立代々木競技場施設利用案内 (jpnsport.go.jp)
pricelist.pdf (musamori-plaza.com)
riyoryoukin.pdf (ariake-arena.tokyo)
メッセ国際展示場使用料金表.indd (m-messe.co.jp)
price_20220601-2.pdf (yokohama-arena.co.jp)
1面ずつ6ページ.indd (saitama-arena.co.jp)
mice_fee.pdf (tokyo-dome.co.jp)

これを見てもらえれば分かりますが、まず東京近郊には2万~2.5万人収容のハコはほぼ無いに等しいです。今年秋に開業予定のKアリーナができるまで、2万人以上の収容可能でライブイベントが開催できる会場はさいたまスーパーアリーナ(以下SSA)、幕張メッセ国際展示場(複数ホール使用)、東京ドーム、ここには記載しませんでしたが屋外球場である神宮球場とZOZOマリンスタジアム、横浜スタジアム、競技場やスタジアムである味の素スタジアム、日産スタジアム、国立競技場、そしてベルーナドームしかありません。屋根がある会場に限るとわずか4箇所しか現時点では無いことになります。

そしてベルーナドームを除いた3箇所と比較した場合、収容人数がほぼ同じのSSAのスタジアムモードよりも格安で、またフルフラットで収容人数は下回るであろう幕張メッセとほぼ同程度で基本料金は借りることが可能となります。
東京ドームに至ってはベルーナドームの約2倍の基本料金がかかりますね。ベルーナドーム開催と比較して、観客を2倍呼ぶかチケットや物販売上を2倍にすれば東京ドーム開催でも同じくらいの採算が取れるいったところでしょうか。とにかくベルーナドームは3万人以上収容できる会場にも関わらず、同程度の会場と比べると非常に安いのです。

また上記の表では15000人前後収容の会場であっても、2000~2500万円程かっています。予算がどれだけ増やせるのかにもよりますが、もう500万~1000万円会場代にかけられるとすればドーム開催という箔を付けることができるのです。特にSSAのアリーナモードを使うのであれば、予算的には後ちょっとでドームにできるのです。その後ちょっとがどれだけ厳しいのかは十分承知ではありますが、アリーナクラスが開催できるのであればベルーナドームが手に届くとことに来ているのです。収容人数が倍になりますから、会場を埋められるのかという問題もありますが。

いずれの場合でも、ベルーナドームは料金的には非常に使いやすいのです。

(屋根の有無でわざわざ屋外球場とスタジアムを除外しましたが、壁が無くて暑い寒いは防寒着等で凌げますが、屋根が無くて雨に打たれるはキャスト観客双方が濡れる心配(特に衣装)や機器が濡れて故障するリスク(野外フェスとかやってるので近年は大丈夫でしょうが)、落雷等の可能性があるので運営上は壁よりも屋根の方が大事と考えます。台風来たらどこの会場でも交通規制で出来ないし)

②スペースが豊富

物販準備中のレッドパーキング(旧C駐車場)
物販会場として使用されるレッドパーキング

イベント会場としてのベルーナドームのもうひとつの魅力はスペースの多さにあります。

ライブには物販が付き物ですが、大規模になればなるほどその販売スペースが問題になります。極端な例ですが、先日東京ドームで行われたアイマス5ブランド合同ライブ(THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WOLD!!!!! 2023)の場合、東京ドームの物販スペースだけではスペースが足りず外部に2か所別の物販会場を設定し、移動の手間は発生しました。加えてドーム外周通路がそこまで広くないことから、開場前には混雑していました。

このように会場のスペース確保も会場選定の1つの要因になります。
SSAであればけやき広場(66円/㎡+技術管理料5,5万円他)で物販や開演前展示を行うことが可能です。また幕張メッセも規模が小さければイベントホール隣の駐車場で実施できます。しかし大規模になる場合、国際展示場を更に使用して行うことになってしまいます。
それ以外の会場も駐車場等で対応できますが、十分な広さがあるわけではないです。最近実施されているライブでは事前販売が主流となってきている他、ライブ会場とは別に物販本会場を設定していることも少なくありません。

しかしベルーナドームの場合、広大な土地を活かしたイベント設営が可能です。
上記画像で挙げたレッドパーキングは、元をたどれば西武第三球場という野球場でした。旧野球場という広大な土地を活かし、駐車場としては520台駐車可能です。多くのイベントで物販会場として利用されています。物販・飲食・展示・仮説トイレを全てレッドパーキング内で賄ったこともありました(流石にその際は展示があまりにも混雑して入場規制していましたが)。

ブルーパーキング(手前)とライオンズトレーニングセンター
※トレーニングセンターはイベント会場としては使用できません

また駅から目の前にある階段を直進すると広がるブルーパーキングも200台駐車が可能な駐車場です。こちらもイベントスペースとしても活用が可能。両スペースを合わせると720台分、1台分で12.5㎡(国交省の駐車場設計・施工指針に基づく)と仮定すると約9000㎡となります。幕張メッセ国際展示場1.5ホール分くらいに匹敵します。

設営・撤去用機材だって留置可能

そして駅前広場も滞留が可能な構造です。これは球場設計段階から見越してのものです(詳しくは本編で)。
また2022年10月以降のライブでは駅前広場にグルメワゴンの出店が開始され、ますます便利になりました。

西武球場前駅、駅前広場とグルメワゴン

現時点ではイベント貸出が行われていませんが、旧ユネスコ村方面を活用すればさらにスペースは広げられると考えられます。


夏なら暑さ対策、冬なら寒さ対策はしないといけないです。またイベント主催者としてはバックスクリーン側にステージを設置した場合、キャストをホームベース側にある施設からぐるっとバスで送り込む必要があり、その間は来場者の導線を止めないといけないという問題点もあります。ですが以上のような理由でベルーナドームは勝手が良く、ライブ会場に選ばれるのです。


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