2019-04-13-午後5

「拝」と「礼」

もう少し早く書きたかったのですが…先の天皇陛下、現在の上皇陛下が伊勢神宮に退位の報告に行かれた際に、実に美しい礼をされていらっしゃいました。

腰を90度に曲げた、それでいてピンと背筋の通った美しい礼でした。
ところが、これは「礼」ではありませんでした。

「礼」とは腰を30度に折った状態だそうです。
これに対して上皇陛下がなさったのは「拝」で、腰を90度に折った状態を指し、普通の神社には「二礼、二拍手、一礼」と書かれていますが、伊勢神宮には「二拝、一拍、一拝」と書かれており、上皇陛下はその通りなされたということです。

上皇陛下は胸の震えるような礼をされる方でしたが、最近はまともな礼ができない人が多いようです。

礼の基本は「自分の首筋を相手に見せる」ということです。
これは「私の首を切り落とすのも、あなた次第」という意味です。
その意味はともあれ、こういう「礼」をされて不快感を持つ人はいません。

ところが最近の若者は「礼」をせず「会釈」をしています。
「会釈」は目上の人が目下の人に対して行うものですから、やっている方はどうであれ、やられた目上の人は不快感を覚えます。

「人間関係は礼に始まり礼に終わる」と言います。
「礼」は「礼儀の始まり」であり、「礼儀の凝縮」です。
「礼」一つで大きく得をします。

皆様におかれましても、美しい「礼」を身につけてください。

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