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お葬式:1

お葬式は人生を終えるイベントです。
通常は、午後3時までに亡くなれば、その日の夜がお通夜、翌日がお葬式ということになります。
この午後3時というのは、葬儀会場等の準備があるので、そうなっているのだと思います。

お葬式というのは、他人の家のお葬式に出席した経験はあっても、自分の家のお葬式は初めてという人も多く、どうしていいのか、全くわからない人がほとんどですから、葬儀業者にお願いすることになります。

家族が亡くなると、まず葬儀業者に連絡をする必要がありますが、どこに連絡していいのかわからないので、病院の紹介を受けることが多いようです。
ここからが問題で、病院が勝手に業者を調べて紹介してくれるわけはありません。業者は、病院に紹介してもらうためには、日頃から病院に営業をかけるわけです。当然、営業費用もかかります。
そのことによって、紹介料を払わなければいけないというシステムが出来上がります。つまり「お礼」です。
1万円や2万円ではありませんし、営業費用を含めて、さらに利益を乗せたものが葬儀費用に加算されます。

実際に葬儀をやってみるとわかりますが、葬儀費用というのは、おそろしく高額です。パンフレットに記載のないものや、後から「別途」という名目で費用がどんどん加算されます。

遺族は悲しみと、参列者への連絡・応対でパニックになっていますから、一応は聞かれるのですが、ほとんどが言いなりに依頼してしまいます。
そして後日、請求書を見てビックリというわけです。
「これは○○万円かかりますがどうしますか?」という聞き方ではなく「これはどうしますか?」という聞き方が多いからです。

葬儀費用を少しでも節約するためには、生前から葬儀会社の会員になっておくとよろしいでしょう。
「まだ家族は生きているのに縁起でもない」と思われるかもしれませんが、人間はいつか死ぬわけですし、自分の家に専属の担当者がつくことが多いので、あらかじめ情報を得ることもできますし、さらに知人・縁者から会員契約をとりたいという下心もありますので、あまりあくどい事はやってきません。
そして毎月数千円の積み立て制で、積み立てた分は葬儀費用からマイナスされますし、言ってみれば「早期契約者で、必ず自分の会社で葬儀を行ってくれる人」を確保したわけですから、色々な点で優遇や、サービスによっては会員様無料というものもありますので、かなりお得になると思います。

実際に葬儀業者に連絡をすると、すぐに遺体を引き取りにきてくれます。
そして自宅なり葬儀会場で、お通夜・お葬式の準備となるわけです。
その時に、まず聞かれるのが宗派と「どこのお寺に依頼しますか?」という事です。

ここからが大事な話で、最近は宗教離れ・お寺離れが多いので、自分の家の宗派がわからない(宗派というのは仏教とかキリスト教ということではなく、例えば仏教の真言宗とか浄土真宗という意味です)という人が多くて、「わからないから、どこでもいいです」とか、「宗派は知っているけれどもお寺がわかりません」ということが多いようです。

地方なら「このあたりは○○宗で□□寺」とだいたい決まっていますが、都会ではそのような地域性がないし、ご近所同士の付き合いがないので、そういう情報も入ってきませんから、なおさらそのようなことになるのです。
ところが、このことが後々の大問題の元になります

宗派が違っていなければいいのですが、お坊さんにするお礼は(金額は葬儀業者が教えてくれます)けして安くはないし、自家用車で来られても「お車料」として別にお渡ししなければいけないので、合わせると結構な金額になります。そしてお坊さんはお葬式を行なってくれる人ですから、人生の最後の儀式を、それだけのお金を払って見ず知らずの人に頼むのか、多少なりとも面識のある人に頼むのかということです。
亡くなった人だったら、どう思うでしょう?

私は、普段から最低限のお寺との付き合いはしておくべきだと思います。最近、宗教界には納得のいかないお金を要求されることも多いのは事実ですが、お坊さんも生活をしなければならないので、お金がかかる事は必要なのです。
ただ、納得のできない、相場を超えたお金というのは拒否して構わないとは思いますが、お寺との付き合いが全くないと、別の問題が絡んでくることになります。

余談ですが、昔から「亡くなると、まず自分の菩提寺に行く」と言われていますが、私の師匠の親戚が亡くなられた時に(この人はお寺に積極的に関わっている人ではありませんでしたが)深夜に息を引き取られたので、朝になってお寺に電話をして「不幸があったのですが」とお伝えしたら「まさか○○さんですか?」と言われてビックリされたそうです。

まだ近所にも知らせていなかったので「どうして知っているんですか?」と尋ねたら、「夜中に本堂に行く用事があったので行ったら、本尊(仏像)の前に○○さんが座っていたので声をかけたら、スーッと消えたので、亡くなられたのかなと思っていました」と言われたそうです。
こういう事は、たまにあるそうです。

皆さんはどう思われているのか知りませんが、皆さんが憧れるアメリカやヨーロッパは宗教離れや教会離れはしていません。
特にアメリカは、硬貨にも「IN GOD WE TRUST(神の信仰のもとに)」と刻んであります。

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