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十二月大歌舞伎

いよいよ今年ラストの歌舞伎座公演です。
12月1日が初日の十二月大歌舞伎。

現在の歌舞伎座は三部制で興行を行っています。12月の猿之助さんは第一部に出演なさいます。「新版 伊達の十役」一人で十役を早替りで務めます。

このお話は’三代猿之助四十八撰’の一つ。
先代猿之助(現 猿翁)が2010年に選定した澤瀉屋のお家芸48演目のうちの一つです。もともと5時間超えの公演を、今回はおそらく2時間くらいに縮めて上演です。現在の歌舞伎座の興行形態が各部2時間~2時間半に収められているからです。

だから’新版’。四代目の手でどのように生まれ変わるのかとても楽しみ。10役そのままに時短ですから。

演目が発表になった時。一日中、ドキドキが止まりませんでした。どんなに猿之助さんの伊達十を観たかったことか。というのは、この演目は本人は今回が初役。今まで、お家の垣根を越えて海老蔵さん幸四郎さんが猿翁さんのご指導で演じてきました。

2010年~2013年 海老蔵さん(成田屋)が3回。
2014年~2018年 幸四郎さん(高麗屋)が3回。
毎回、次こそは猿之助さんで。。。と夢見ながら観劇していましたw

衝撃だったのは幸四郎さんが初役で演じた時でした。

「猿翁のおじ様の魂をお見せします!」
幸四郎さんはそう言って澤瀉屋の伊達十を魂こめて演じていました。早替りのサポートはもちろん澤瀉屋一門の皆様です。でも、早替りが壮絶すぎて、わけわからなくなり、違うお役のセリフを言って、???となって素で笑っていました。

面白くて楽しくて、最高に盛り上がりました。澤瀉屋の芝居は、お客が楽しんでなんぼ。。みたいな気がしています。これぞ真骨頂だと衝撃でした。

その幸四郎さんの3回目がご自身の襲名公演だったのは感動しました。澤瀉屋のお家芸をかけてくれた。思わず博多座まで行っちゃいました。

そして、満を持して猿之助さんの伊達十が歌舞伎座で上演です。

このご時世にならなければ、きっと叶わなかったと思う。悪いことばかりじゃない、嬉しい。猿之助さんは私たちをいつも笑顔にしてくれる。一年が伊達十で締めくくれることは幸せです。

教えていただいたことですが、幸四郎さんは、歌舞伎座でやってほしい人がいるから自分は歌舞伎座で伊達十はやらないと仰っていたそうです。誰のことかは言わずもがな。ファンだけでなく、役者仲間も待っていたのだと胸が熱くなりました。

さて、一人十役の演じ分けはどうなるのでしょうか。ワクワク。

あ、でも猿之助さんは一人で十八役の経験があるので、これでも少ないほうなのですけど。

aya

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