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2024.3.25読書メモ(自分用)

養老孟司さんの本を探している途中ヤマザキマリさんとの対談本を見つけた。
テルマエロマエという漫画の作者である彼女は、私が大好きなTBSアナウンサー安住紳一郎さんの日曜天国というラジオに度々ゲスト出演されていて、話す内容や視点が抜群に面白くてこっそりファンに。
イタリア人の旦那さん家族との生活や他の都市での生活経験をもとに、海外と日本を比較して話す内容が面白い。

いずれの本も、現代日本に生きる上での著者達の違和感が言語化されている。
共通しているのは「自分の頭で考えず、世にある情報の中で自分に都合の良いものだけを鵜呑みにしていく」ことへの危うさ。私自身が昨年出産をしてから子育てをしているわけだが、どこにも諸問題に対する答えが転がっていないことについてすごく苦しくてストレスを感じた。子供を良く観て考え、行動してトライアンドエラーしていくほかないのに、どうしてもインターネットを検索して楽しようとしている自分に気付かされた。(しかもインターネットはネガティブな情報がどうしても多くなってしまうので、すごく怖い)

ヤマザキマリさんの文章はスティーブ・ジョブズとソクラテスが同じ文脈に出てきたりとても面白いと同時に、人間の本質は紀元前から変わっていないことに気付かされた。


🔳たちどまって考える
ヤマザキマリ 中公新書ラクレ
2020年9月8日
・理解するのにエネルギーを要するような異質性は基本的にいらないし、排除したい。そういうメンタリティでありながら「特性をメリットとして受け入れる」西洋式政治システムで人々を統治しようとする矛盾。
・よく考え、よく喋る人は、傷つく頻度もそれだけ増えますが、それだけ自分という人間を日々懸命に耕しているという姿勢を表すものでもあるのです。
・映画や本は、旅とは違った形で内側に栄養を与え、思考や感情、感性を鍛えてくれるものですよね。
・現代の日本は「不条理」をはじめ「失敗」も「屈辱」も生きていくうえで必要ないもの、知らない方がいいもの、という社会環境になっています。でもそれは、人間が本来もっている強さや臨機応変性や適応能力を脆弱化させていくことになる。

🔳バカの壁
養老孟司 新潮新書
2003年4月10日
・人生の意味は自分だけで完結するものではなく、常に周囲の人、社会との関係から生まれる、ということです。
・学問というのは、生きているもの、万物流転するものをいかに情報という変わらないものに換えるかという作業です。

🔳地球、この複雑なる惑星に暮らすこと
養老孟司、ヤマザキマリ 文藝春秋
2022年5月27日
・結局、そういう風に自分が言語化できないことを言葉にしてくれる人が、わからないものを見抜いてくれる人が指導者や呪術的な立場にされてしまうんですよね。現代はみんなそれぞれの言動に責任を追及されるのを恐れたり回避しようとしている傾向が強いので、なおさら卓越した弁論者がシャーマン的な立場になっていく。
・人間の卓越性とは徳であり、その徳を磨いてよく生きるために、人は真理を追求すべきである。 ソクラテス

🔳子どもが心配 人として大事な三つの力
養老孟司 PHP新書
 2022年2月16日
・人間はどうしても予定調和的な結論を求めたがるんですよ。その方が楽だからでしょう。そううまくいきませんよね。
・それなのに親御さんたちの多くが、「正しい育児をすれば、将来、社会が求める正しい大人に育つ」という幻想を抱いている。しかも「正しい育児」の情報をネットに求めれば求めるほど、自分には実践できないような気がしてくる。子どもを産むのはやめておこうかと。



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