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こうして今年も私たちはカツオさんを頼るのである 【オープン戦 3/23 日ハム○】

もうさすがに受け入れたつもりでいたけれど、相手チームのベンチで笑っているやちくん、というのを見るとやっぱりちょっと切なくなってしまう。やちくんの打球を村上くんが処理すると、松山では一緒にやってたやんか!と、いう気持ちにもなる。なかなかに、未練がましいのである。

でも、それはそれ、これはこれ、である。やちくんのことは一生応援していくけれども、勝負は勝負なのである。カツオさんはついこの前までチームメイトだったやちくんを打ちとらなければならない。てっぱちは、やちくんがセカンドに打ったゴロを軽快にさばかなければならない。そしてやちくんは、ぐっちが打ったセカンドゴロをうまいこと処理しなければならない。それが勝負の世界だ。

と、いうわけで、今日のヤクルトたちは非情なくらいにやちくんのところばかりに強打を浴びせた。みやさまからノックの指示でも出ていたんだろうか。みんなやちくんの活躍を願ってやまないのである。

さて、オフシーズン、どう考えても試合数が足りないくらいに先発たちが2桁勝利を重ねていく計算になり、こりゃとうしゅおうこくの誕生だわと一人にやにやしていた。していたわけだけれど、開幕を直前に、早くも王国は崩壊の危機を迎えていた。はやい。

でも私は知っている。ライアンもじゅりもブキャナンもほしくんもとにかく1回に絶対失点するこの王国において、最後に頼るべきは誰か。こういう危機を救うのは誰か。

カツオさんである。決まっている。決まっていますよね。

去年、そもそも誰もローテを守れない、という序盤のチーム事情の中、カツオさんは、少し間隔をあけながらも一年間しっかり投げ続けてくれた。最初から最後まで、大きな離脱なく投げ続けてくれたのはブキャナンとカツオさんだけだったのだ。39歳の小さな、でもとても大きな存在のピッチャーを、チームは頼りまくっていたのだ。(それなのに年俸を下げるとか、すぐ「今日はカツオさんだから大体5回4失点だな」とか言うなんて全くもってひどい話なのである。)

「まずは先頭を打ち取って、もし1失点しても次の1点はやらないという姿勢で投げたい」

これに尽きる。

ベテランだよなあ…と、思う。今、というか今日、のチームにとって一番大切なのは、「序盤にダラダラ点を取られないこと」それに尽きるのである。1点取られたとしても、後続を打ち取ること。悪い残像をとにかく打ち砕くこと。カツオさんはきっとそれをわかってくれている。

だからカツオさんが1回を三者凡退に打ち取った…と、実家での法事中にこっそりと見た一球速報で知った時(すみません)、こりゃスーパーカツオさんかもしれない、と思った。久々に1回に失点しなかったのである。何年ぶりだろうか。

3回裏、初めて許したヒットの後、(法事中の)一球速報によると、次の中島卓也は、7本連続でファウルを打ちまくっていた。速報が来るたび「ファウル」と出る文字に私はしびれまくっていた。(法事中に)正座した足ではない。カツオVS中島卓也というその技巧対決にしびれていたのである。

私は(法事中の)数珠を持った手を強く握りしめた。

カツオさんは、12球目でなんとダブルプレーに打ち取った。しびれた。正座の足もしびれてきた。

そのままこのとうしゅおうこくはなんと、許したヒットは1本のまま、完封リレーを成し遂げた。なんか思ってたのとはちょっと違う気がするけれどもとうしゅおうこくである。もうなんだっていい。

おかげでヤクルトは5年ぶりくらいに勝ち(体感)、オープン戦の最下位は回避した。

この、「最下位回避!!」に、喜ぶ感じもなつかしい。そう、もう今年だって多くを望むわけじゃない。だけど、この負けに負ける中からの、カツオさんの1勝、みたいな試合を、今年もまたたくさん見られるといいなと思うのだ。このちょっとよくわからないけど法事中にまでしびれさせてくれるチームが、やっぱり好きだ。

そして(このカードが終わればまた)、やちくんが活躍しまくりますように。次に金子チヒロvsぐっちが実現した時は、ぐっちが打ちますように!


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