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「良いチーム」で育った高梨くんが新しい環境で活躍できますように 【オープン戦 3/24 日ハム○】

慣れ親しんだであろう札幌ドームで、高梨くんが一球一球、古巣相手に投げ込んでいく。気負う部分もあるだろう、やりづらい部分もあるだろう、緊張だってするだろう。でもしっかり向き合って、一人一人打ち取ってゆく。プロだから当たり前なのだけれど、その姿はやっぱり素敵だ。

「バッティングはひどい笑」と、言われていた高梨くんの打席をひっそり楽しみにしていたのだけれど、多くの人の予想を裏切り(すみません)、高梨くんはツーベースを放つ。私は京都の実家でおもわず爆笑する。札幌ドームからは、なんとも言えない温かい空気が伝わって来る。

衝撃のトレードを通じて、私は去年よりも日ハムの情報に触れる機会が増えた。何度か試合も見に行き、選手の名前も少し覚えた。総じて感じたことは「雰囲気の良いチームだなあ…」ということだ。

鎌ヶ谷で行われたロッテとの一軍戦を見に行った時、サードに挑戦する浅間氏が結構何度もエラーを繰り返した。私は思わず「やばいみやさまに怒られる・・・!」と身構え、「いやちがったヤクルトじゃなかったよかった・・・!」と、なぜかほっと胸をなでおろした。

そのあと、浅間氏は打席で結果を出しまくり、守備でもミスを取り返すような良いプレーがあった。好守があった守備のイニングが終わった後、迎える大田泰示さん(いけめんですね)が、「だいきーー!」とにやにやしながら出迎えていた。やちくんも、「だいき!」と言いながら、肩を叩いた。そりゃこの雰囲気の中でなら、ミスしたあとも挽回しやすいだろうなあ。と、私は思った。

魅力たっぷりの鬼たちが目を光らせている昨今のヤクルトももちろん良いのだけれど、それぞれが自由にのびのびとプレーする日ハムの雰囲気もとても良い。見れば見るほど、知れば知るほど、やちくんとアキヨシはいいチームへ行ったのだな、と思う。

本当に衝撃すぎて私はひたすらに失恋のショックのようなものを引きずっていたけれど、いい加減、新しいその環境を受け入れなければなと思う。やちくんが日ハムのベンチでにこにこ選手を迎え入れているのを見ると泣いちゃうけど。

一方で、私がやちくんに対して思うことと同じ気持ちを、高梨くんに抱く日ハムファンの人たちがたくさんいるのだろうなと思う。

だから今日の試合で、高梨くんがツーベースを放った時、セカンドベースで中島卓也とタッチをしたのを見ると本当に涙が出てきた。雰囲気が抜群に良いチームで育った高梨くんが、新天地で頑張ることを、「敵」になったチームのメンバーも見守ってくれている。もちろん勝負だからそこはしっかり対峙してくわけだけれど、だからこそ、その温かみがぐっときた。

良いトレードだったんだよな、と、思う。やちくんも、アキヨシも、新しい環境で、しっかりと居場所を見つけ始めている。少なくとももう、戸惑いのある表情はしていない。しっかりチームに馴染んでいる。杉谷のインスタにはこれでもかというほどにやちくんが登場する。

そして高梨くんは、古巣相手にしっかりと投げてくれる。もはやスアレスもブキャナンも離脱してしまった今、そりゃもう「きてくれてありがとう・・」としか言えない。

環境を変えるだけで全てが好転するような、甘い世界ではない。ないけれど、四人にとってチャンスである事は間違いない。そのチャンスを、全員がどうか掴めますように、と思う。

オフに生まれたたくさんのドラマを抱いて、また今年もシーズンが始まる。それぞれの物語が、そしてファンの皆さんにとっての物語が、素晴らしいものであるように、私はまたそっと祈る。


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