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良くも悪くもそれは想像をこえていくから、ドラマになるのだ【7/15巨人戦●】

「ああこれはだめだ絶対取れられる・・・」と、いう場面を結構何度か迎えた。ランナーを背負ったうめちゃん、回またぎのうめちゃん、ヒットを許したこんちゃん…。でもその私が恐れた危機は、意外なほどにあっさりと乗り切った。

そのたびに私は「うんうん、いけると思った」と、手のひらを返した。

だけど回またぎの五十嵐さん、は、その嫌な予感がしっかり的中してしまった。そのエラーと2ランは、とてもとても痛い3失点だった。息も絶え絶えになんとか守ってきたリードは、そこでがらがらと崩れていった。手にしたものを失う時というのは、本当にまああっというまなのだ。

「何をやってんだ」とノムさんは言う。私ももちろんそう思う。バント処理の一塁への悪送球っていったいぜんたいなんなんだ、と思う。でも、ミスはもう、ミスだ。エラーはエラーだ。長期にわたる不調、とかそういうものではない。そこではやっちゃいけないミスだったけれど、だからこそその場限りのものなのだ。

だからもう、切り替えるしかできることはない。五十嵐さんみたいなベテランには、これをずるずる引きずって絶不調に陥るなんてそんなのは見たくはない。シーズン終わりに振り返った時に、あんなミスがあったからそれ以降めちゃくちゃ気をつけるようになりました、もう二度とやるか、と奮起しました、と言っていてほしい。

いつだって、どんな場面だって、選手たちには「申し訳ない」よりも「悔しい」と思っていてほしい。

「申し訳ない」気持ちは誰かをいつも萎縮させてしまう。だけど「悔しい」気持ちは誰かを奮起させるかもしれない。スターになったって、ベテランになったって、その心持ちでいてほしいなと私は思う。

一つのミスは、もう一つのミスを呼ぶ。誰かのエラーは、失点に繋がる。それはもう連敗中にいたいほど痛感したことだけれど、でもそんな流れに負けないで、と思う。そこから這い上がる姿もやっぱり、見ていたい。

目の前で繰り広げられているのは、「私ではない誰か」が奮闘する一つの試合だ。「こりゃ厳しい・・」と思ったピッチャーが抑えてくれることもあれば、いつも抑えてくれるピッチャーが打たれることもある。

ここぞの1本を期待するスターが、チャンスで三振することもあれば、開幕以来ずっとヒットのなかった若手がホームランを打つこともある。

それは私の想像をいつもいつも超えていく。良くも悪くも、そこでは考えてもいなかったドラマが生まれる。だからこそ、多分こんなにも誰かを熱狂させるのだろう。ミスもエラーも痛みを伴う逆転負けも、それはそういうドラマのスパイスなのかもしれない。いや、「何をやってんだ」ではあるけれど。

「あのミスがなければ」「あそこでしっかり点を取っていれば」と、今日だってまた思いながら、やりきれない思いや、消化できない気持ちと、なんとか付き合っていくのだ。日々も、野球の結果も、もしかしたら誰かの恋だって、同じように。




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