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生きている限り必ず、終わりはくるけれど【9/12阪神戦◯】

神宮での試合がしばらくないので、ファームの試合を見に行こうと、ジャイアンツ球場まで足を伸ばした。

びっきーは、そこでぐっちとにこにこしながら話していた。(あとぐっちはなぜか、タイセイくんのことを「キャプテン」と呼んでいた、たぶん。なぜ。)

ああ、いいなあ。と、私は思った。それぞれの胸に、あらゆる思いを抱えているのだとしても、そこが二軍の球場だとしても、いやだからこそ、同じユニフォームを着て、こうして並んで二人で一緒にいるところを見られると、なんだかほっとする。二人が同じチームにいるところを、見られて良かった、と、私は思った。

だけどご存知の通り、その翌日私は、びっきーの退団のニュースを目にする。全く予想をしていなかったわけじゃない。それでもそれは、想像以上に、胸をえぐるような痛みをもたらした。

何もかもが、ずっと同じではいられない。私は小川さんとみやさまが率いてくれるこのチームがとてもとても好きだったけれど、二人はチームを去ってしまう。少なからず、チームは色を変える。松山や浦添の鬼キャンプは、もう見られないかもしれない。

来年のヤクルトにはもう、ハタケも、たてさんも、びっきーもいない。そしていつか、エイオキが去り、ぐっちが去り、ココちゃんが、雄平が、そしててっぱちが去ってゆく。いつか必ず、終わりの時は来る。

その度に私は、「何も今じゃなくても」と思うのだろう。「せめてあと1年、ここにいてくれたらいいのに」と思うのだろう。何度も何度も、もっと応援していたかった、あの日だって球場に行けば良かった、と思うのだろう。

それでも、終わりはくる。

生きている限り必ず、終わりはくる。

今日の試合で、1番のたいしと、2番の塩見は、これでもかというくらいに、打ちまくった。そしてこれでもかというくらいにエラーとミスをした。みやさまはいつものように、苦い顔をした。

松山で、浦添で、それは見た景色だった。この経験が、二人を成長させていくのかもしれない、と私は思った。今日のこの試合だって、二人を成長させるものになるかもしれない。というか、お願いだから、なりますように、と思う。

すべてのものは移り変わる。いつか必ず、終わりはくる。

たいしや塩見だって、同じようにいつか、ユニフォームを脱ぐ日が来る。きっとその日にも私は思うのだ。何も今じゃなくていいじゃないか、あと一年、このチームにいてくれたっていいじゃないか、と。

そしてふと思い出すのだろう。二人がエラーしまくって怒られまくっていた時のことを。その気持ちを想像しては胃がキュッとなったことを。でもその経験を積んで、ヤクルトを代表する大きな選手に育ってくれたことを。(きっと育ってくれると思う、育ってくれますよね。)

そしてさらに思うのだ。その陰に、みやさまとの鬼特訓があったことを。顔をしかめながら歯を食いしばりながら、トレーニングをしていた日のことを。それでも特守後に、みやさまとにこにこ何か話していたことを。びっきーと、ベンチで話していたことを。びっきーの守備を、近くで見ていたであろうことを。

それは、誰かが去った後もなお、チームの中に根付き、流れてゆくものだ。誰かが誰かの人生を生き、そして誰かと出会い別れてゆくのと、同じように。

そう、すべてのものに、終わりはくる。今年も、来年も、再来年も、チームを去る人は必ず出てくる。いつまでもいつまでも、それは続いていく。だけどその、終わり続ける中に、根付き、続いていく何かももちろんある。それはきっと、長い時間にわたり、ヤクルトというチームを支えていくものなのだろう。

たいしと塩見の今日の活躍が、また明日に、来年に、再来年につながっていきますように。そしていつか二人が去る時には、「悔いはありません」と言えますように。(そのためにはエラーがなくなりますように!)

小川さんとみやさまと、ハタケとたてさんと、びっきーのこれからが、素晴らしいものでありますように。



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