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たくさん泣いたら、たくさん笑って 【2018年ファン感謝デー】

気づいてしまったことがある。オフシーズンのこの約5か月ばかり、ヤクルトというチームは絶対に負けないのである。これ、すごくないですか。もちろんノーノーをされることなんて絶対にない。これ、すごくないですか。

はらじゅりのノーノーとか、てっぱちのフォーティーフォーティーとか、ぐっちの首位打者とか、20点取る試合とか、ヤクルトがCSをぶっちぎりで突破した上で日本一になるとか、いくら妄想しても裏切られることはない。すごいんじゃないかこれ、と思い始めていたところに、このファン感である。

目の前でノーノーを見た神宮にて、選手もファンもとてものびのびとした表情で、にこにこしていた。そういえば内野の入場口がカオスすぎて入るのに30分ばかり時間がかかり、オープニングを見逃してなんてこったいと思っていたことなんて、終わる頃にはすっかり忘れていた。

この、「なんじゃいそれ!」と思わせられながら、終わる頃には全てなかったことにしている感じ、今シーズンに何度もあった気がする。「もう二度と見ない」と100回くらい言いながら、結局すべての試合を見てなんならnoteに書き記していた。深く深く傷ついた試合もたくさんあった気がするのに(信じられないことにシーズン中、私にとっての「つらいこと」というのはほぼヤクルトの試合の結果であった)、そのたびにすぐに劇的な勝利とかがやってきて、きれいさっぱり忘れてきた。信じられない。

まったく同じ流れを持ってして、私は「いやーもうファン感最高、ヤクルト最高、ありがとう!」と思っていた。騙されているのだろうか。まあいいや。

今年は神宮へゆき、戸田へもゆき、松山へもゆき、選手たちのいろんな表情を見た。

神宮で本気でぶつかる選手たちの、悔しそうな表情も何度も見た。土を高く蹴り上げるぐっちがいた。泣きそうな顔でマウンドを降りるはらじゅりがいた。チャンスで打てず、試合が終わってもベンチから立ち上がれない雄平がいた。代打で打てず立ちすくむ上田や荒木がいた。

松山で顔を歪めながら必死にトレーニングをする、真っ黒に日焼けしたなおみちを見た。ひたすらに声を張り上げる、あきおやおっくんを見た。

一方で今日神宮で、のびのびと吹っ切れたようにぶっちゃけトークをしながら(それはじゅり)、たくさん笑う選手たちがいた。私はなんかものすごくほっとして、とてもとてもうれしかった。

目の前の試合にただ挑むだけでも、厳しいトレーニングに耐えるだけでも、きっと強くはなれないし、心身も持たない。こうやってのびのび笑える時間だってもちろん大切だ。

ゆっるゆるのつばくろうきゃめらの中で、まじめなライアンは今年の反省を聞かれて「CSの一戦目で盗塁を許して流れを向こうにやったこと」と答えた。ゆっるゆるの中でもしっかり答えるライアンはさすがライアンだし、ゆっるゆるの中でも私はしっかり現実を思い出し頭痛がしたけれど、でもそれも含めてほんとうに、そのどれもが今年のヤクルトを彩っていたんだよな、と、思った。

厳しいことも、しんどいことも、たくさんあるけれど、ゆるゆるみんなで笑える日もある。その全部があるからきっと、シーズンを戦っていけるのだろう。

悔しい顔も、しんどい顔も、泣きそうな顔も全部知っているから、やっぱり今日も応援しよう、と思い続けてきたのだろう。

笑える時はたくさん笑っていよう、とヤクルトを見ながら今日も思う。どれほど厳しい現実が待っていようとも。この楽しいファン感に、今年は立てない人がいるという現実があったとしても。いや、だからこそ。そこに立てるうちは、たくさん笑っていてほしいと、今日も思う。

楽しい楽しい、2018年シーズンをどうもありがとう。2019年のシーズンが、実り多きものでありますように。たくさんたくさん、笑っていられますように。あと上田ファンのおねーさんの人生がすばらしいものでありますように。


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