他より高いところに立つピッチャーが、そこで誇り高くあるように 【4/20 オープン戦 阪神⚫️】
ピッチャーを好きになるというのはつらいよなあ。と、ほしくんを見ながら思う。ピッチャーの奥さん、というのも大変なのだろうなあ。とか、そこまでつい考える。
バッターは、打てなくても、守備でミスがあっても、取り返すチャンスがすぐに巡ってくる。でもピッチャーは、特に先発のピッチャーは、一人で、孤独にマウンドに立ち、黙々と投げ続け、そこで打たれて試合を作れないと、挽回するチャンスはなかなか巡ってこない。いつ、そこに立つかもわからない。立つ姿を見られたとしても、それはつらい試合かもしれない。
だけどだからこそ、どうかピッチャーにはみんな強くあってほしい、と思う。そこがどれほど孤独な場所であっても、他より少し高い場所に立つその意味を胸に、誇り高くあってほしい、と。
みやさまの本で、カツオさんのマウンドでの様子を記した部分がある。このやりとりが、大好きだ。
(カツオさんのピンチにマウンドへ行った際)「無理をして勝負する場面じゃないぞ」と声をかけても、返事は「腕は振れていますか?」だった。極限まで集中しているときには、マウンド上で会話が噛み合わないことも度々あった。あの小さな体で活躍を続けているのも、闘争心の強さがあるからだろう。
これを読んでから、ピンチのカツオさんを見るたび、これちゃんと話聞いてるのかな、と私はにやにやしてしまうのだけれど、でも本当にそうだよな、それくらいめらめらの闘争心がないと、あんな場所に立つことはできないよな、と思う。
それは、ピンチの時だけじゃない。打たれて、打たれまくって、試合を作れなくて、途中でマウンドを降りることになった日だって同じだ。
周りの話を、良い意味で、程よく聞き流す。有益な言葉にだけ耳を傾け(もちろんそれは「耳触りの良い言葉」というわけではない)、そしてあとはもう、またトレーニングをし、自分をただ信じて、次に備える。
長いシーズン、そして長い野球人生の中で、打たれることはもちろんある。絶対にある。そのあとをどう乗り越えていくのか、開き直るのか。大切なのはきっとそこだ。
みやさまはこの本で、古田さんの言葉を振り返っている。
「古田さんがよく口にしていたのが「最後は命を取られるわけじゃない」という言葉だった。肝が据わっていると感じることが多かった。
「最後は命を取られるわけじゃない」
本当にその通りだ。というか、だいたいどんなことだって、そうなんだ。どんな仕事だってそうだ。先発で7失点をしても、大事な場面でゲッツーに倒れても、抑えに失敗してサヨナラ負けをしても、目の前でノーノーされるCSを見せられたとしても、最後は命を取られるわけじゃない。だから思い切って、開き直って、そこでプレーしてほしい、と思う。
久々に外野に座ると、ああ本当に、選手たちはこれだけたくさんの人たちの思いを乗せているんだなあと改めて気づく。こんなにたくさんのファンがいるのだ。良い声よ、どうか届け、と、私は思う。
乗り越えて、どうか強いピッチャーになってください。と、ベンチに戻るほしくんの背中に願う。この経験が、ほしくんをいつか強くたくましくしますように。
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