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クリスマス・イブイブ・イブ日記

年末年始の長期休みに、大掃除をしたり、分厚い本を読破したり、マイリストに入れていた映画やドラマを片っ端から見ようとするのだが、その企ては大抵失敗に終わる。いくら時間があったとしても、普段から慣れ親しんでいないことに突然着手したところで、やり遂げられるはずがない。大掃除を完遂できるのは普段から小掃除をこなしている人だろうし、分厚い本を読破できるのは読書の習慣がある人だろう。

だから大掃除したり大著を読破したり映画やドラマをビンジするのは潔く諦める。そのかわり、日頃からまめに掃除したり、読書したり、映画やドラマを観る習慣をつけていきたい。一年かけて。これを来年の目標としよう。

「これをするんだぞ」という目標を定めたのなら、同時に「これはしないんだぞ」という目標も定めねばなるまい。なぜなら時間は有限だからだ。ビジネスパーソンが度々口にするように人生はトレードオフにほかならない。

目下、無為な時間の過ごし方として挙げられるのは、メルカリやヤフオクの巡回、SNSのチェック、どうでも良い動画観賞といったところだろうか。これらは、何かをするには疲れすぎているし、何もせずにいるのは退屈すぎる、といった状況でついつい手を伸ばしがちなものだ。つまり、無為に過ごさないためには、この疲労と退屈をまず解消せねばなるまい。けれどもこればかりはどうすることもできない。だいたい、物心がついてからというもの、疲労と退屈から解放されたことが一瞬でもあっただろうか。

そもそも29日まで通常営業で、31日に実家に帰り、3日には東京へ戻って、4日から営業再開の予定だから、大して時間があるわけでもない。休みの間も鳥居ゼミや原稿の仕込みをしなくてはならないから、のんびり過ごしているわけにもいかない。

この土日は、原稿の締め切りが迫っていたものの、特に予定がなかったから、やはり連日映画を観に行った。気になる作品がいくつかあったが、ヴィム・ヴェンダースの新作『PERFECT DAYS』とダニー&マイケル・フィリッポウの初監督作『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』の二本を選んだ。

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