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無職に挨拶するのは危険行為

チョコクッキーはケミカル椎茸

焼き上がったチョコクッキーを
ひたすらベルトコンベアに乗せるっていう
労働をやってるんですけど
ソレをずっとやってるとチョコクッキーが
椎茸に見えてくるんですよね 

何を言ってるかわからないでしょ? 
オレもついに頭おかしくなったなって思った 
なんで椎茸やねんて 
シナプスぶっ壊れたんか? 
ニューロン大丈夫か?って

別の日に日雇いで初めて来たババアと一緒に
作業する事になったんですよ 
オレがベルトコンベアにクッキー用の
トレイを置く 
その上にババアがチョコクッキーを乗せていく ソレだけをひたすらやる 

2時間くらい経ったところでそのババアが
オレに向かってボソっと言ったんです 

 「あ、椎茸に見えてきた」
って 

オレだけじゃなかった 
人類あるあるだったんですよね 
未開の 

人類がまだ到着してなかったあるある 
チョコクッキーをひたすら眺めつづけると
塩茸に見えてくるっていう
新しいあるあるにオレ達は出会ってしまった 
共通の妄想 

人類の妄想が共通になればソレは事実になります 宗教 
紙幣 
正義 
国家 
なんでもそう 

あれはチョコクッキーじゃなかった 
椎茸でした 
オレはお菓子工場じゃなくて椎茸工場で
働いています 
それ以降チョコクッキーの事を
ケミカル椎茸って呼んでるんですよね 

どうですか? 
一緒にケミカル椎茸でも食って
ぶっ飛んでみませんか?

死ぬ直前のジジババの心境

人の死に悲しんでる奴もいつかは必ず死ぬし
オレが死んだ後にコレを見る人も
死んだ人間が死について喋ってるのを
見ることになる


死にかけのジジババが介護されながら道端を
歩いてたりするじゃないですか 
オレがもしあのジジイだったとしたら
どんな心境なんだろうなって
よく想像するんですよ

人類ってクソ欲深いから
オレらの選択とは実は関係無しに
人生の後悔が溜まっていくじゃないですか

あの時にあの選択をしてれば良かったって
でも実は今より悪くなる選択がいくつも潜んでた 

もしあの時あの電車に乗ってたら
脱線して死んでたとか 
子供の頃から人を殺してみたかったような
サイコ野郎のオーディションに合格しちゃって
自分がその場でブッ刺されてた可能性もあった

でも生きてる事自体が
不幸って考える人種もいるから
そういう人にとってはラッキーなのかもしれない 

だからオレが介護されてる
死にかけのジジイになったら 
その溜まり切った後悔とか自分の最悪な状態とか若くて健康な人間への嫉妬とか色んなストレスが混ざりあって 
目に映る人間全員に対して 

お前ら全員死ねよ 
気持ち悪い 
あと世界もさっさとぶっ壊れろよな 
とか思ってそうなんですよね 

だからそこら辺に居るジジババも実は
全員そういう事考えながら
ウロウロしてるんじゃないですかね

無職に挨拶するのは危険行為

日雇いの朝8時に出発する 
通学時間とかぶってる
しかも近所の小学校の前を通るんですよ 
無職が小学生達と一緒に通勤をするわけです 

たまたまこの世界に肉体というモノが
存在してるからオレはヒゲとか生えてるけど
本当に精神だけを具現化したら
オレも小学生となんら遜色ない 
長年の無職による副作用で極端に社会経験が
不足してるんですから 

そう 
オレは実質小学生 
養え

校門の前で確実にオレより若いであろう
女教師が立ってるんですよね 
通勤で毎回そこを通り過ぎる度に
頭を下げて笑顔で言ってくるんですよね 
おはようございますって 
オレもおはようございますって毎回返す
たぶん覚えられてる 

でもオレはその女教師に言いたい 

なあ 先生 
あなた間違ってます 

あなたが最も警戒すべき存在である無職が
オレなんですよ 
ニュースを見てごらんなさいよ 
容疑者達の無職率 
オレみたいなピースフルな
無職ばかりじゃないんですよ 

笑顔でおはようございますと言って声を
かけるのは間違ってる 

正解は 

「不審な行動をしたら殺しますよー」

とか

「無職なのであなたは
犯罪予備軍に決まってますよね」

「小学校の前とか通らないで下さいねー」

とかですよ

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