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新・オーディオ入門68 電子パーツ編 スピーカー端子 vol.2

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

スピーカー端子には多くの種類があります。 ここではでは、2回に分けて代表的なスピーカー端子を紹介します。後編です。

● 陸軍端子
外観は穴あき端子に似ていますが、電線の直接接続と同時にバナナプラグが使用できるようになっています。 旧軍で電鍵(モールス信号用のキー)を接続するために使用されていたため陸軍端子と呼ばれています。 現在でも多くのアンプやスピーカーで使用されています。 多くの接続方法が可能で、しかも、バナナプラグと圧着端子を同時に接続するといったことも可能と、とても便利ですが、 どの接続方法に対しても十分なクオリティーを持っている端子は稀です。

● フォーンプラグ
業務用のスピーカーまたは、楽器用のスピーカーに使用されています。 スマホ等でヘッドホン端子に使用されている直径3.5mmのステレオミニジャックではなく、直径6.5mmのモノラルフォーンジャックです。 嘗て電話の交換局で接続用に使用されていましたが、2~5Aの電流が扱えるためスピーカー端子として転用されました。 フォーン端子は抜き差しする瞬間に接点同士が短絡することがありますので、必ずアンプの電源を切った状態で抜き差ししてください。

● スピコン
スピコン(speakON)は1975年創業のリヒテンシュタイン侯国に本拠を置くノイトリック社によって開発された業務用スピーカー端子です。 40Aの高電流に対応しており、スピーカーを何台も連接して接続するような場合でも使用することができます。 また、ロック機構があり、不意に抜けてしまうようなこともありません。 スピコンは業務用のPA用スピーカー端子としては広く普及していますが、専用のプラグを使用しなければならないため民生機器にはほとんど使用されていません。

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