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新・オーディオ入門67 電子パーツ編 スピーカー端子 vol.1

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

スピーカー端子には多くの種類があります。 ここではでは、2回に分けて代表的なスピーカー端子を紹介します。前編です。

● 巻締端子・穴あき端子
巻締端子は電線の導体部分を端子に巻き付けて締め込むもの、 穴あき端子は穴に導体部分を通して締め込むもので電線のシース(被覆)を剥くだけで取り付け可能です。 1970年代以前の古いアンプのスピーカー端子に多く使われています。 当時は太いスピーカーケーブルは使われていませんでしたので端子の強度が低く、太いケーブルを使用すると端子が破壊される可能性があります。 この端子を使用する場合は必ず0.75スケア以下の細いスピーカーケーブルを使用してください。

● プッシュ式端子
ボタンを押してシースを剥いた電線を差し込むだけで接続できます。安価な機器に多く使われています。 このタイプの端子は使用できるケーブルの太さが指定されています。 太すぎると穴に収まらず、細すぎると抜けやすくなります。また接触抵抗が大きく、高音質とは言えません。

● 圧着端子用端子台
真空管アンプに使用される事が多い端子です。 真空管アンプはスピーカーのインピーダンスによって接続する端子が異なるため、端子が連なった端子台を使用します。 この端子は電線に圧着端子を取り付けて使用します。電線を直接接続すると短絡の原因となりますのでおすすめできません。 また圧着には専用の工具が必要です。

● バナナプラグ専用端子
バナナプラグは嘗ては抜き差しを頻繁にする場合に使用されていましたが、最近では高品位のバナナ端子も販売されており、 スピーカー端子の主流といっても良いでしょう。 古くから音質には定評があり、ヨーロッパのアンプで多く使用されています。 ムジカのフラグシップモデル雷鳥7シリーズでも使用されています。

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