名曲1001 「旅の途中」【スピッツ】

ーーまだまだ私は旅の途中ーー

【god music 旅の途中】

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 どんなつらいことがあっても、時が流れば笑い話になるはず。でも笑えない話もあった。そんなときは泰然自若の精神でいる。

 すーっと心が落ち着くのはこの曲だ。スピッツのアルバム曲で、あまり人気がない(個人的には憤慨)ので知らない人も多いだろう。ライトなスピッツファンはまず知らない。

 この曲こそ、私にそっくりな気がして、言わば原点な気がして、愛おしくてたまらないのだ。やたらと周りからの評価が低くて、でもいいところはよくて。だからといって自分が一番好きな曲というわけではなくて12番手くらいで。そんなメインにはなれないけど影でひっそりやっているやつ。人生に派手な盛り上がりはないけれど、自分の中では静かにいくつもピークがあって。長い間奏があって。ため込んでいたものをはーっと吐いて。でも主役にはなれなくて。

 正気な言葉ポケットに入れて、たまには振り返る旅の途中。

 私が中学生のときにいたく感銘を受けたフレーズである。具体的には何もわからないが、心の琴線に触れたのだ。以来、それを頭に入れて生きてきた。それをきれいなメロディーにのせて、何度も何度も聴いてきた。

 私もまだまだ旅の途中。たまに振り返ると、情けなくて萎れてしまいそうになるが、正気な言葉はいくつもあった。それはポケットの中にまだ残っている。不思議なものでこのポケットはいくつ入れてもパンパンにならない。どうでもいいはずの小さい思い出が、いくつもいくつも。

 長く生きたいなあ。まだ30って、よく考えたら旅はまだ始まったばかりなのかもしれない。旅の途中。きっといい景色が見れるはず。

 

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