名曲312 「Bomb A Head!」【m.c.A・T】

ーー時代を先取りしていた、もっと評価されてほしい神パフォーマンスーー

【m.c.A・T / Bomb A Head!】

 m.c.A・TはDA PUMP好きなら知っている人が多いだろう。DA PUMPの楽曲を提供している名プロデューサーだ。ちなみにサムネイルで間違われやすいが、m.c.A・Tはガチガチの日本人である。

 この曲は1993年に発売された。当時は小室哲哉全盛期。全体的にJ-POPが盛り上がっていたころで、多くのヒット曲が生まれる中で良質な曲ながらヒットに恵まれず影に埋もれてしまった曲も多い。この曲も局所的には有名であろうと、大ヒットまではいかず、現在知らない人は多そうだ。

 さっそく聞いてもらいたい。いやはや、度肝を抜かれる。やはりDA PUMPっぽい。DA PUMPは1996年ごろにデビューしたので、それよりも3年前にこの音楽が完成されていたのだ。それにしてもISSAの声に似ている。ほんの少し根本要の香りも。

{Bomb A Head! Bomb A Head! 燃え出すような 熱い魂! Bomb A Head! Bomb A Head! 無茶して知った本当の俺を}

 ボンバヘッ! 聞けば聞くほど中毒性が高まる。かっこいい。そうそう、ダンスも見応え十分だ。

{路地に転がるダンヤモンド 磨き続ける勇気が宝モン 汗にまみれ街に紛れ まずは今宵ダンスもいいんじゃない やたら腰にくるリズムに身をまかし 全裸まがいの肌にも目をくれず クレイジーと言うならそれでもかまわない 愛よりグループのMy Lift}

 DA PUMPで最初に知ったダンスミュージックにはラップも欠かせない。「ごきげんだぜっ!」みたいな流れるような言葉の紡ぎ方。そしてサビのいい意味で頭悪い真っ直ぐな感じ。何もかもがDA PUMPなのだ。このクオリティをひとりで創り上げたとは。特に、サビは4人でなく1人で歌っているわけですよ。

 当時は画期的な音楽に分類されていたのではないか。ラップなら渋谷系のようなユルめのものもあった中で、これほどゴリゴリの日本人離れした曲は珍しい。だからこそ時代を先取りしていたといえる。それはDA PUMPで実を結んだことになるかもしれないが、恐らくいま、私と同じように「この時代にももうこういう音楽があったんだ」と感服する人は多いだろう。頭が下がるばかりである。そして下げた頭を、ボンバヘッ!

       【今日の名歌詞】

おおっとボディコンギャルなら用はない ただし女を見捨てる訳じゃない 夢追うことしかできない男さ



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