ーー頑張れ水木一郎、あなたはいつまでも死なないーー

【プロゴルファー猿【夢を勝ち取ろう】(水木一郎)】

　先日、衝撃のニュースが飛び込んできた。水木一郎がピンチなのだという。癌がなんだ水木一郎。得意の声量で吹き飛ばしてくれ。

　今回はエールの意味を込めて水木一郎の曲を紹介。『プロゴルファー猿』の主題歌である。ゴルフといえば今も昔も猿。そのくらいイメージが強いのはさすがの藤子ブランド。ちなみにドラえもんの作者であるFではなく、A氏（安孫子素雄）の作品である。

　もちろん曲の完成度は現代でも通用する。これは作曲の小林亜星の手腕だ。まずオープニングがいい。嵐の中で主人公が吠える。これだけでアニソンとしてさまになるし、そこからガラリと雰囲気を変えて明るくゴージャスでかっこいいメロディーが流れると、もう心の中はホールインワン。どんなに心が落ち込んでいてもテンションが上がる。

　当時のオープニング映像だが、個人的にかなりよくできていると思っている。これすごいよ。曲の構成とここまで映像をマッチさせて、シンプルにアニメのダイナミックさ、キャラ、ゴルフの魅力を伝えている。広告代理店は必修科目にしてもいいのでは。

｛つむじ風舞うティーグランドで　ねらうはグリーンのターゲット　大地をつかむ両足と　斗志をつなぐ両腕に　いのちを賭けたこの一打　白いボールよ　火と燃えよ｝

　歌詞も非常に素晴らしい。作詞は藤子不二雄。いやはや、その道でやっていけるレベル。というより地味に昭和アニソン最高傑作級の歌詞だ。

｛飛べ！速く強く高く　飛べ！速く強く高く　雲をさき　嵐を呼んで　夢を夢を夢を　夢を勝ちとろう｝

　心を着火させる盛り上がるサビだ。夢を夢を夢をの三連打がいい。軍歌でも通用しそうだ。

｛いなずま光るフェアウェイ　ねらうはあの旗あのカップ　バックスイングねじりあげ　ふりおろしたクリークに　勝負を賭けたこの一打　白いボールよ　星となれ｝

　２番でゴルフの専門用語をのせるのも細かな配慮。お子さんが見るオープニングで突然「クリーク」なんて出されてもポカンとなるだけだ。難しい用語は２番でいいのである。これだけカタカナがあるのに、字足がぴったりなのも恐ろしい。構成力まで一流なのだ。

　そしてうたエモンの映像も見つかったので紹介。アニキ、やっぱりこの姿を見ると癌だなんて信じられないんですよ。普通の人と違う丈夫な声帯を持っているんだから、何か特殊能力でやっつけてください。私も応援を続けます。「いのちをかけたこのいちダーーーッ！」。

　　　　　　　【今日の名歌詞】

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