名曲714 「オバQ音頭」【曽我町子/石川進】[オバケのQ太郎]

ーー頭を空っぽにして踊りたい音頭ブームの象徴ーー

【曽我町子・石川進「オバQ音頭」】

 ちょっと季節外れだがまあいいかということで紹介。音頭って意外とオールシーズンいける気がする。キュキュキュのキュ。名曲はいつ聞いたっていいもんね。

 いまはもう放送していないが「オバケのQ太郎」は相当知名度が高いのではないだろうか。藤子不二雄作品の傑作である。1960年代は後のドラえもんを超えるブームを巻き起こしたのだとか。今回の曲もどうやら社会現象になったそうだ。

 私はリニューアル版をビデオで何回か見た程度(おーばけなんだおーばけなんだの時期)だが、これが好きだった。特にオバQのキャラがかわいいのなんのって。Q太郎の声が大山のぶ代を超える母性の塊でもあった。曽我町子さんはもっと評価されるべき。台詞の「そーれ」がたまらない。

 ドラえもんにも「ドラえもん音頭」という曲があるように、実は古いアニメにはそこそこ音頭の曲が多い。それはオバQの影響ではないだろうかと思う。第二のオバQを目指せなんて理由なんだろうけど、いつものキャラ達が敵味方関係なく仲良く踊る姿はなかなか乙なもの。個人的には好みだ。

 さてこの曲だが、数ある音頭の中でも確かにトップクラスの出来ではないだろうか。どうも耳に残る中毒性。それはアニメのヒットもさることながら、やはり曽我町子さんの声質が光っていたのも一因なのではないだろうかと。そっと寄り添う石川進もいい。まあオープニング曲のアクは強めだけれど。

 ちなみに藤子不二雄短編集にはオバQの最終回『劇画オバQ』が掲載されている(特別書下ろしみたいな感じ)。正ちゃんが大人になった世界での出来事なのだが、きっつい物語なのだ。最後のコマがもうトラウマ。ページを開いたまま1分以上動けなかった。これについてもじっくり書きたいが、ぜひ興味のある方は読んでほしい。

 


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