名曲629 「冷たいキス」【ICE BOX】

ーー一発屋と見せかけて、実は豪華なメンバーの共演ーー

【ICE BOX - 冷たいキス (PV)】

 つい先日、ひっそりとメンバーシップというものを作っていた。こういうのはあまり興味がないタイプなのだが、きっと深夜でさみしかったのだと思う。いよいよ末期だ。でもその先がよくわからず、放置した状態である。

 今回の曲はICE BOXの「冷たいキス」。このユニットは森永の「アイスボックス」のCMソングとして企画された。メンバーはボーカルの吉岡忍に、伊秩弘将、中西圭三、池田聡。

 吉岡忍はこのユニットで初めて知った。当初はドリカムのボーカルかと思いこんでいたのだ。声質や顔立ちもどことなく似ている。残念ながらあまり大成はしなかった。1990年代で活動を休止している。最近になってICE BOXとして再結成し、期間限定で復帰していたようだ。

 伊秩弘将はSPEEDの曲を多数提供したことで有名。皆さんの知ってる有名なあの曲もその曲もだいたい伊秩作品なのだ。

 中西圭三はこのnoteでも取り上げたことがある。高い歌唱力でおなじみ、プロデュースではブラビの「タイミング」が有名だ。

 池田聡はシティポップだとちょくちょく目にする名前である。1980年代後半から現代までコンスタンスに曲を作っている。

 実はなかなかに玄人好みのメンバーが揃っているのである。ちなみに作詞は秋元康。当時の名だたる存在が集まっており、この曲の力の入れ具合がうかがえる。

{キスが冷たいよ いつもと違うよ 何かあるのなら ねぇはっきり言いなよ キスが冷たいよ いつもと違うよ 何を拗ねてるの? 氷のままじゃ わからないじゃない?}

 アイスになぞらえての歌詞が味よし。

 この曲はサビの伸びがすべてに近い。吉岡忍の魅力を最大限に引き出せているように思う。声質もぴったりだ。個人的にはいかにも90年代前半チックなサウンドにぐっとくる。なぜか懐かしさが込み上げる。

 ちらっと触れたがICE BOX再結成の動画が発見できた。うおー年取ったなあ。でも若いなあ。わかりますかねこの矛盾。年を取ったけど若いんです。男たちは50代後半、吉岡忍は50を超えた(上記の動画内は恐らく40代後半)。だけどなんだろう、当時よりかっこよく見える。

 吉岡忍の歌声がまだまだ顕在なのに驚いた。そして中西圭三のシャウトもちゃんと出ている。プロはすごい。私が50代になって、いまの20代のパフォーマンスができるだろうか。身が引き締まった。

       【今日の名歌詞】

つき合いの長さだけ 面倒が増えて来る 恋ってタフじゃなきゃね

 


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