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鈴木保奈美が酒屋でコップ酒をあおる姿に惚れました。映画「Lie lie Lie(ライ・ライ・ライ)」

映画「Lie lie Lie(ライ・ライ・ライ)」
原作「永遠も半ばをすぎて」中島らも氏著

傑作だがなぜかDVD化されていない映画です。私は2015年に中古VHSを購入しました。写植屋が出てくる映画ということで興味を覚えました。原作「永遠も半ばをすぎて」も読みました。
このVHSおメルカリに出品すべきか迷っています。動作確認のため本日見終えました。素晴らしい。

Lie lie Lie ライ・ライ・ライ ビデオジャケット


濃い登場人物を演ずるのは…

トヨエツ(豊川悦司)の詐欺師、鈴木保奈美の気の強い編集者、そして佐藤浩市の写植屋(写植オペレーターと記されているが、私はオペレーターという呼び方が大嫌いなのでこう記す)の3人がグルになって世間を騙す痛快な物語です。なにせ私の前職=印刷屋や下請周辺の笑えない話題満載でワクワクします。

ストーリー前半は

前半はトヨエツの詐欺師ぶりの一人舞台です。写植屋佐藤のもとに突然訪れる、高校時代の同級生(とトヨエツの自称だが怪しい)。珍しい貝の食材、転売を使った詐欺、たまたま出会った女から架空ビジネスを出汁に大金の借金等々、そして、その借金をめぐる強面男との抗争など、種々妙なエピソードもそれなりに楽しいが、やはり、後半がメイン。

ストーリー後半

昔の英国の作家の新作がなぜか写植屋を通して現代に原稿として現れる。それを翻訳し出版して一儲け。作品は実は写植屋が、睡眠薬の力でもうろうとした中で入力した(と彼自身は自覚していない)、いわば彼の創作。編集者は、これが偽者と知りながら、詐欺師、写植屋と組んで出版。結果、なぜかベストセラーになります。

偽もの本物か、バトル

ベストセラーの本に大作家がクレームを付ける。「これは偽もの」とTV特集番組で断言します。が、詐欺師トヨエツが見事な話術ではぐらかします。
原文を見せろ、大作家が問うと、編集者保奈美が作った偽の原文(彼女は大学で古典英国文学を専攻)提示。作家はあっさりそれが本物と認めるが、いろいろ御託を並べる。そこで最後、写植屋佐藤の演説。

数え切れない文字を打ってきた写植屋の彼は、世にもてはやされている作品の多くの方が偽もの、と。痛快である。

オススメです。でも、VHSでしか見ることができません

本作品、お勧めです。興味ある方は、ぜひVHSで。中古しかありませんが(笑)。

Bonny Pinkの「けだるい」主題歌もいい味を出しています。

若き日の豊川悦司、鈴木保奈美、佐藤浩市がセクシーで素晴らしい。現在大活躍の俳優さんたちの若き日の演技も見ることができます。

私個人的には、大作家先生から原稿をもらえない帰路、酒屋店頭で日本酒をあおる編集者保奈美に惚れました。

原作もオススメです。

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