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我々はまだ紫藤サナというインフルエンサーを知らない【ポールプリンセス!!楽曲解説 紫藤サナ編】

注)曲は案件ですが、記事は案件ではございません。勝手に書いています。

こんにちは、mustie=DCです。

皆さんは『ポールプリンセス!!』というコンテンツをご存知でしょうか。

「ポールプリンセス!!」は、ポールダンスの魅力である
「美しさ」「逞しさ」「華麗さ」と歌・楽曲が、目標に向かって頑張る少女たちの姿と重なりあい、
これまでに観たことのないパフォーマンスが詰まった青春ストーリー。

物語の主人公・星北ヒナノ(CV.土屋李央)は、ごくごく普通の控えめな17歳。
幼いころから、おばあちゃんの営むプラネタリウムが⼤好きだったが
そのプラネタリウムをたたもうとしていることを知り、
おばあちゃんとプラネタリウムのために何か⾃分にできることはないかと悩んでいた。
そんな中、ヒナノは偶然、星空の下で⼀本の棒に掴まり、美しく舞う女性を⽬撃する。
憧れていた夜空の星に手が届きそうなほど、美しく上に昇っていくそのショーに衝撃を受けて
これをプラネタリウムの中でステージをすれば、お客さんも集まって盛り上げられるかもしれない、と
幼なじみ・西条リリア(CV.鈴木杏奈)、東坂ミオ(CV.小倉唯)、南曜スバル(CV.日向未南)と仲間を集める。
そして彼女たちは、ポールダンスの世界に飛び込んでいく!

「ポールプリンセス!!」公式サイトより

ざっくり概要を申し上げますと

・ポールダンスをテーマにしたショートアニメ
・豪華声優陣、キャストが集結
・本編とポールダンス映像はYouTubeで視聴可能

といった作品になっております。

ポールダンス」と聞くと、おそらく(当初の私を含め)多くの方が、「洋画で見るようなセクシーなショー」を連想すると思います。
ですが実際にはダンスや体操などと同じく、れっきとしたスポーツの一種です。
なんと一つ一つの動きに技名(トリック)までついております。現在公開されている動画にもコメントして下さってる方がいらっしゃいますね。

また、一度関係者の方にご招待頂いてポールダンスのショーを生で拝見したのですが、
一体どこの筋肉を鍛えたらそんな動きが出来るんだというぐらいとんでもない動きが連発され、正直セクシーがどうとかそんな次元の話ではありませんでした。

先入観を吹き飛ばす、身体で魅せる芸術と言っても過言ではありません。

そのポールダンスをキャプチャーしてCGキャラクターに落とし込むのですが、CGディレクターを「プリパラ」などでお馴染みの乙部善弘先生が手がけており、モーションのクオリティがえげつないことになっております。

あまりにも動きに破綻がありません。勉強になります。


さて、そんなポールダンスを題材にした作品『ポールプリンセス!!』ですが、光栄なことに3つの楽曲でお手伝いさせて頂いております。

一つ目は上にも紹介しました『Avaricious Heroine』(作編曲)
歌うのは作中の人気チーム「エルダンジュ」のメンバー・紫藤サナ。キャラクターボイスは日高里菜さんが担当されています。

もう一つは『マジカル⭐︎アイデンティファイ〜3・2・1の魔法〜』(作詞・作編曲)
主人公チームでコスプレイヤーの東坂ミオの楽曲。キャラクターボイスは小倉唯さんです。

そしてもう一つは『リメイン』(作詞)
同じく主人公チームで元新体操選手の南曜スバルの楽曲。キャラクターボイスは日向未南さんです。

これら3曲について、ちょっとした楽曲解説的なものを(書けそうな範囲で)3記事に分けて書いていこうと思います。
これから作品を楽しむ方の助けになればと思います。


『ポールプリンセス!!』におけるキャラソン


今回の楽曲は、いわば半分キャラクターソングです。

半分」と書いたのには理由がありまして、それはキャラクターがこの曲に乗せてポールダンスの演技をするという前提があるからです。
なので作曲の際はキャラクターのイメージを出しつつ、ポールダンスの演技がしやすいような起伏を作らなければいけません。

つまり『ポールプリンセス!!』の楽曲は、

①キャラクター性を感じる曲であり、
②キャラクターが演技しやすい/している場面が想像でき、
③その演技自体もキャラクターの在り方になる。

という事に注意して作る事になります。


紫藤サナとは何者か

さて以上の事を踏まえて曲を作っていくことになるのですが…

まず「紫藤サナ」というキャラクターについて整理してみます。
公式サイトの「CHARACTER」のページには以下のような説明文があります。

ユカリの取り巻きのようにいつも近くにいる。
あざと可愛い系女子で、いつもSNS映えを意識して自撮りにいそしむ。
ニックネームは「サナ姫」。

「ポールプリンセス!!」公式サイトより

なるほど、少し古い言い方をすれば「小悪魔系」といった感じでしょうか。
目つきもツンとしており、衣装も黒が基調でいかにもプライドが高そうです。

それではアニメ本編ではどうでしょうか。セリフから人となりがもう少しわかるかもしれません。

「それで、ユカリ様にはもう何かプランがあるんですか?」
「わぁ〜っ!さすがユカリ様ぁ〜っ!」

『ポールプリンセス!!』第五話「最強の覇者、エルダンジュ」より文字起こし

なるほどなるほど、プロフィール通りユカリ様にべったりですね。

…そうです、情報はほぼ以上です。

…いえ実際はもう若干詳しいキャラクター説明があったりしたのですが、
それでも現時点でサナのキャラクター性はメイン組と比べかなり謎に包まれています。

なぜSNS映えを狙っているのか、なぜユカリにべったりなのか、ユカリ以外と会話する時はどんな感じなのか…
映画化の際にもしかしたら明らかになるかもしれませんが、一旦これらの情報から曲を組み立てるしかありません。

ということで、おそらく今回が一番記事として書ける事が少ないと思います。申し訳ありません。次回から情報量の鬼なので許してください。


SNSアイドルとは

紫藤サナのキャラクター性で着目すべきは以下の要素です。

①SNSを活用していること。
②あざとくも自意識は高いこと。
③最強チーム・エルダンジュのメンバーであること。

①に関してはプロフィールに記載されているぐらいなのでおそらく大事な要素なのでしょう。
実際、本編中でも主人公チームはSNSを使ってサナの動画を発見しています。

では、サナのように日常的にSNSを活用している人が特に馴染み深い音楽ジャンルといえばなんでしょうか。

個人的には「EDM」と「電波ソング」だと思っております。

メイク動画を撮る時も、おふざけ動画を撮る時も、
大体BGMとして海外のEDMか、日本の非常に耳にのこるメロディの曲(いわゆるバイラルミュージック)が使われています。

ということで全体的な雰囲気としてはあざと系アイドルソング(ここは先方の意向に則っています)ながら、
繰り返しの多いメロディラインと、ところどころに𝑩𝑨𝑺𝑺 𝑴𝑼𝑺𝑰𝑪を盛り込むことでそれらしさを表現しました。

またこれは 、

> ②あざとくも自意識は高いこと
> ③最強チーム・エルダンジュのメンバーであること。

に関しても同様に表現する事ができます。

可愛らしさ全開のアイドルソングに凶悪なベースが挟まることで、本人の隠れたプライドと、決して可愛いだけではない実力の高さを表しています。
実際『Avaricious Heroine』のダンス中に使用されているトリックはそれなりに難易度が高いそうです。

サナは、おそらく見た目以上に努力派なのかもしれません。


コールアンドレスポンス

冒頭のコールアンドレスポンス、様々な方面から好評を頂いておりありがたい限りです。

これは私がデモを作る時に勝手に入れた(歌詞はマイク先生が考えた)のですが、おそらく作曲者が私でなくとも入れていたと思います。

サナのようなSNS配信者は、フォロワーとのコミュニケーションが重要になってきます。
そしてこのようなコールアンドレスポンスは、ライブではもちろん、現代ではニコニコ動画やYouTubeライブ、インスタライブなどのコメント機能で同様に一体感を得る事が可能です。

つまりどういう事かと言うと、こちらはサナが配信ライブでこの曲を歌い、視聴者がリアルタイムでコメントして一体感を得る様子をイメージしています。
SNS中心の活動であれば、視聴者側から実際に声を出すことは無いので「こういうのはいらないかな…」と考えたこともあったのですが、上記の理由から「いや、出来るな…」と思い最終的に入れることにしました。


『Avaricious Heroine』についてはここまで。
次回は東坂ミオ『マジカル☆アイデンティファイ〜3・2・1の魔法〜』について解説します。